2010/07/30

初代Shuffleの使い勝手

ヘッドホンに無理やり装着
4年前に発売されたiPod Shuffleを今更入手してみた。
iPod touchが電池寿命を迎えつつあるので、 お気軽な再生デバイスを探したが、
結局ジャンク屋で700円で売っていた初代Shuffleを手に入れた。

Yシャツの胸ポケットに入れても重くないし、写真のようにヘッドホンに付けるなんてこともできた。

発売当初は音質がいろいろ言われていたけど、音の傾向はtouchと同じだった。ヘッドホンでも駆動力が足りないことはない。 
もちろん電車で聞くといった用途には何の問題ない。なので分解して遊ぼうという目論見は止めた。 ネタで手に入れたはずなのに・・・。 激安の新品より、それなりに作りがしっかりしている型落ち品のほうが高性能という法則がまた実証された。


<オーディオ曲線>
 この図が示すのは、おおよその民生音響機器の価格帯と音質(機械的な)の相関を適当にプロットしたものである。 ポータブル機器の場合は、個別要素(イヤホン)もまた別にカウントされる。

ソースは大体こんな感じという大雑把なものだが、人生で視聴してきた限りではこんなものだろう。 
なにがいい音かというのは個人個人で異なる。(と秋葉原のスピーカー屋も言っていた)
オーディオ趣味はグルメと似ていると思う。

4年もたったというのに、12時間再生が可能だった。 単機能デバイスはいろいろ気軽だな、と改めて思う。

2010/07/29

方位・加速度センサ内蔵GPSモジュール LS20126を試す

最近Sparkfunで取り扱いを始めた小さなGPSモジュール、LS20126。
2010年夏現在、本家でしか扱っていないが、
(取り扱ってますね^^)
取り寄せることができたので調べてみた。

2010/07/30更新

<特徴>
このモジュールの特徴を挙げると、
・SiRFStarⅢ内蔵
・3軸加速度センサ
・電子コンパス
・温度センサ
・消費電流 約33mA

金属ハウジングされたチップセット部の横に、T字状に1センチ角のセラミックアンテナが取り付けられている。 合計8つの端子があるが、表面実装用。 側面にも端子は露出しているため、ハンダ付けは問題なくできた。 Sparkfunではブレイクアウトを用意するとアナウンスされている。
SRAM等のバックアップ電池は内蔵されず、外付けとなる。何も付けないと毎回コールドスタートになるようだ。

この小ささと、2DのHDG(電子コンパス)、そして独自フォーマットでセンサ出力をNMEAと一緒に吐き出してくるというのがポイント。 用途によってはデータロガーがこれ一つで完結してしまうかも。

データシート

<組み立て> 
 基板の切れ端を加工して、配線を引き出して使用可能にしたところ。 
バックアップ電池(キャパシタ)はまだ取り付けていない。 
M0 ポジション
  アプリケーションノートによれば、デフォルトではM0ポジションでの使用(写真のように立てて使う)が前提なようだ。 コンパスの向き等はコマンドで配置を変更できるようだ

<センサ出力>
GPSに混じって、PLSRというセンテンスが出力されていた。
方位、磁気、3軸加速度(XYZ)、温度といったデータが出力される。 センサ情報については、更新周期は1Hz。 最大5Hzだが弄る方法は公開されていない。

<電子コンパス>
(追記) 実際にLS20126の電子コンパスを使用してみたところ

 HT-03aの電子コンパスと同じ角度を返したのが、この向きだった。 横に寝かせる。
 2Dセンサらしいので、姿勢が変わる使い方には注意が必要かもしれない。




------PLSRの抜粋-------
PLSR,245,SentenceID,
245,n = センテンスID
n=1 PLSR Compass Measurement Report 1 (Max 5Hz)
n=2 PLSR Compass Measurement Report 2 (Max 5Hz)
n=7 Proprietary Messages for Magnetic Sensor
-----------------------

$PLSR,245,1,157,0,291,35,264,-4,36,0,2*22
n=1 PLSR Compass Measurement Report 1 (Max 5Hz)
 /Direction(deg),
 /Calibration Status(7:complete Auto-calib),
 /Magnetic Field Intensity(0~1000),
 /Acceleration X (-512 to 511, -2.0G to +2.0G),
 /Acceleration Y (-512 to 511, -2.0G to +2.0G),
 /Acceleration Z (-512 to 511, -2.0G to +2.0G),
 /Temperature(Celsius),
 /Mounting Mode (default: 0),
 /Current Calibration Data Status n: vaild 0: not vaild,
 /*Checksum
---------------------------------------------------------
$PLSR,245,2,-1165,3889,538,212,-497,4060,3921,1182,-61*27
n=2 PLSR Compass Measurement Report 2 (Max 5Hz)
加速度センサの生の値?
---------------------------------------------------------
$PLSR,245,7,14,-1,-6*37
n=7 Proprietary Messages for Magnetic Sensor
GPS speed(east),(north,(up),*Checksum

PLSRからは加速度、方位の生の値、温度が得られる。
方位に関してはHDGからも

---------------------------------------------------------
<まとめ>
・SiRF以外の独自センサ等のパラメータをいじる方法は公開されてない
(工場出荷時に設定済み?)
 なので、モジュールは(M0)以外のポジションに設定できないようだ。
・以上の理由でセンサ情報を5Hz更新できるかどうかも不明。
電子コンパスは2Dなので、角度を保たないとダメ?
データシートから読み取れる内容ではそんな感じだった。
・相変わらずSiRFStarIII (という声もちらほら・・・ どうでも良いけど)
 感度は申し分ない。

<用途?>
・GPS誘導ロボットで方位情報を使う。
・カメラのExif情報に現在地、方位、温度等を記録する。
といった用途に使えそう。 
 HT-03Aに内蔵のセンサはほとんど同じ機能と性能を持ってるけど、同じチップなのだろうか。
 ・・・と思ったけれど、個別に加速度等の値を呼び出せるから、多分違うのだろう。
 IO数のカツカツな製作例なら、とても便利なモジュールですね。

参考までに。

2010/07/27

糸巻き戦車型ロボット


この夏の新作、荒地走行ロボット。 探査車とも。
走行モデルはすでに、手抜き試作機で試している。

 <概観>





モデルは糸巻き戦車。 それにサウンドエンターテイメントプレーヤーを足して3:1でブレンドするとこんなことになった。 ということにする。

<目的>
 ・悪路を走破する。 かつ、シンプルで壊れにくいこと。
 ・惑星探査車の最小構成を探る
 ・ネタ

<走行原理>
 いかにもネタ見た目重視。円筒形容器に収めるという制約下で、直進性(=走破性)を第一に設計したため、小回りは犠牲になった。
そもそも転がるだけで方向転換能力はあるのだろうか。 効率的な旋回方法を1週間くらいブレーンレンダリングした結果、以下の機構にたどり着いた。
 ドラム缶を転がして、方向転換させたいときどうするだろうか。 
その場で引きずって回しても良いけれど、転がしている最中に片側を持ち上げて固定したら、コンパスのようにくるりと回転するだろう。
 この操作をドラム缶自身が行えば、とりあえず片側には曲がることができる。
方向を変えるときはアームを振り下ろし、軸として回転する機構だ。 
 建物内ではとても上手くいくのだが、不整地での回転はまだ試していない。
ほかにも車輪径を変化させカーブする方法もあるけれど、実現はむずかしそうだ。

 広大な荒地走行を前提とするため、多少の進路誤差は気にしないという前提で制作されている。
荒地だと小さなロボットは轍や石に邪魔されてしょっちゅう進行方向が変わってしまうのだ。 
砂漠や火星で車庫入れする必要は無いし、違反切符も無い・・と聞く。 

<機構>




 なによりシンプルなことが、コストと故障率を下げるための前提条件。
重複する機能をバッサリ切った結果、車輪すら片側半分となってしまった・・・。 というのが前述のひらめきの背後にせき止められていた真面目な追求理由。

 ボディの大部分は、車輪であり外骨格であるポリ軟膏瓶(500円)で出来ている。
中の車体はハムスターのようにかごを回す格好で収まり、外側には外部とのインターフェースを集中させた。 瓶の外側はサンペルカ(発泡ポリエチレンフォーム)で作った弾力のある軽量なタイヤ。  
柔らかいので、まるごと1mから落としても跳ねるだけ。

方向転換用アームはアルミ材を曲げて、中型サーボで動かす。
DSUBコンタクトは、マイコン、充電池等のアクセスポートとなる。

 タミヤのプラネタリギヤを装備。 付属より小型の140モーターに換装済み。 
この手のモーターは3Vが最大電圧だが、モータードライバーで駆動しようとすると、電池電圧が低いと トルクが不足して駆動できない(弱々しい)。 ドライバの電圧降下が結構現れるため、普通は6~8Vをドライバに喰わせるのだけれど、電池が増えすぎるのと、どうせ一輪だけなので、制御を機械式リレーに変更した。
3.6Vでも暴れる暴れる・・・ モーターが焦げ付きかけたため1.5V電池を二本という方式になった。 ミニ四駆ふたたび・・・

<電子系>
XBeeアンテナを内蔵している。Series2。
MCUはArduino pro mini(8MHz)。
無印XBeeならワイヤレスプログラミングが出来ましたね… まあそれは仕方ない。
GPS(LS20126)を載せる。 もうすこし開発が進んだら、電子コンパス情報を利用してみたい。

 底面にはバッテリが装着されている。 最強のリチウム乾電池エナジャイザー(普通に買える)がモーターを駆動し、リチウムポリマー電池がシステムとサーボを動かす。サーボは4.5~5V品のはずだが、3.6Vでもすんなりと動いてしまった。
 モーターは前述のようにリレーで駆動されているため、システムとは完全にアイソレーションされている。 ノイズもこない・・・はず。
 やっつけで実装したが、意外とメジャーな手法だと分かってほっとした。 社会学寄りの思考だと、ついリレー > ENIAC以前じゃないか、という固定観念が道を塞ぐ…


 書き込みはSparkfun互換のFTDIシリアル経由。
車輪はナットひとつはずすだけで外せるが、いちいち本体を開けずにすむように、メンテナンスに必要な端子はDSUB9ピンに引き出した。

  Arduinoは書き込み時にシステム全体に電力も供給するため、うっかりするとモーターが動いて大惨事となりかねない。 それを防ぐために走行時に取り付けるDSUBには、開いたピンにリレーを駆動するポート出力を経由させている。 よって、書き込み時は物理的にモーターが駆動しない。
 この機構は、衛星組み立て現場で覚えた。

システム一覧。 まだろくなプログラムを書いていないため、XBee経由のラジコン状態である。


<将来性>
降下想像図

 モデルロケットの円筒形の筒に載せなきゃいけないと考えた結果このようなデザインになったが、
たとえば航空機からばらまくロボットとか、惑星探査とかそういった方面に使えるかもしれない。
無駄に軽いので(電池いれて450~500g)。使い道を模索中。
 ネタで作って真面目に実行するのが我が社の社訓でしたね・・・。
完成までもう少し。

2010/07/21

宇宙機おえかき~可視光通信実証衛星~


非実在宇宙機ライブラリ 約3回目。 

今回は可視光通信を実証する衛星を考えてみた。

以下設定集。


<非実在仕様>
キューブサットタイプで、高輝度LEDアレイを積んだ衛星を想定する。

 衛星バス、ミッション部、LED白光面という3つのセクションに分けてみた。 対角の金属ロッドは無線アンテナ。
展開はバネを利用した展開機構で、真ん中のミッション部が辺に近い軸から180度外側に展開する仕組み。 バスとLEDは同一軸で固定されている。

20センチ四方なので、電力収支、熱構造、内部空間的にかなりカツカツだろう。

LEDアレイは放熱機構を考えて、携帯用ルーペみたいにスライドする方式がひとつ、
ミッション部がLEDアレイと同一平面にセンサも露出できて便利そう という苦し紛れの利点がひとつ。

 実際には2つのブロック([衛星バス+ミッション]と[LEDアレイ])で十分だとおもうので、搭載機器の温度管理を考えたら、やたら展開するのはあまりよろしく無さそう。
今まで打上げられた小型衛星も、構造が複雑なものは機構展開に失敗しやすい(あたりまえといったらあたりまえか・・・)があるので、できるだけ可動部を減らすか、複雑な展開機構を捨てることが必要だ。  


 後ろから。  無線は地上からのアップリンクとダウンリンク用。 LEDはまだおまけなので。
 ミッション部と独立の汎用衛星バスが、衛星を管理する。
 軌道-地上間可視光通信には地上局とのタイミングも関係するだろうから、結局別な通信手段は必要になる。 全部光ってすると、天候が悪かったらだめだね。

 姿勢制御は磁気トルカ程度のみ。 リアクションホイールは50x50センチの衛星までしか採用されていない模様。

 <LEDによる可視光ダウンリンク>
 小型衛星のコンセプトとしては、打ち上げるリソースは最小限に、地上側でできることは地上でとあるので、衛星機能が正常であれば、 まず人力で可視光ビーコンとして確認できるか確かめ、地上局設備によっては高速ダウンリンクフェーズに移行 といったステップを踏む。
 高速と行っても、どの程度できるかは未検証。 「きらり」(OICETS)とNICTが行ったレーザー光による実証実験がある。(プレスリリース)
 地上側で超高精度追尾と光学的補償、大気ゆらぎを考慮した通信冗長等、容易とは言いがたい技術が必要そうで、この非実在衛星には計画的にオーバースペックである。
 太陽電池、フォトトランジスタといった受光素子で変調可視光を増幅し、ゆらぎ等で鈍った波形を復調するといったことが思い浮かぶけれど・・・ どのくらいの帯域が上限なのだろう
 光害もあるし、蛍光灯みたいな発振光に満ちあふれた空だから、どれほどの信頼性があるのか不明。

<情報量>
1bpsのビーコン通信なら、最大高度で5分程度のパス時間がとれたと想定すると、300ビット(37バイト…)の情報が得られることになる。
 8秒が一バイトにあたる。 ところどころ、(このビットがどの列に当たるのか)を知らせるためのフレームバイトを挟むので、実際に降りてくるデータはもうちょっと少なくなる。

 ビデオカメラ(天文用)と望遠鏡で追尾した場合、シャッタースピードを固定で考えると、30FPSで受光できたら、 半分かそれいかの10bpsは撮れると仮定して、3000ビット(375バイト)は得られるのだろうか?
 どちらにしろ、無線なら0.5秒~1秒で取得できるデータ量しかない。お手軽にやろうとしたらアマチュア無線よりも帯域が少ないということになる。

 目で見えるという特性を考えると、だれでも受信できて、カメラがあればデコードできるかもしれない衛星通信という意味で、広報的な役割を与えることもできる。(あるいは迷惑を)

 もうちょっと点滅速度を落とし、全天を長時間露光できる魚眼カメラでパス時間を捉えると、モールス符号の航跡がイメージとして得られるかもしれない。

 肉眼で見える小型衛星という実感を得る。 >モチベーションアップ!
 運用終了後、停波しても衛星として機能していれば、可視光ビーコンで軌道上からデータを下ろせるかもしれない。 軌道センサとしての役割は十分考えられる。  (天体写真家から怒られそうだけど)
 国際可視光通信協定とかできるのだろうな・・・

 誰でも見えた衛星といえば、初期宇宙開発でアメリカが開発した軌道バルーン、エコー1号がある。
 30~40メートルの反射性塗装された風船で、地上からの電波を跳ね返すだけの受動的衛星だった。 中継機能を持った衛星が打上げられるまでの僅かな期間、反射衛星通信に用いられた。
 太陽光を反射してよく見えたという。

 大きくてよければ、反射光を制御して液晶シャッターで地上にデータ送れないかなー。 エコ一号(笑

<向きを変えて>
 もちろん、大気の無い宇宙空間・・・ 衛星同士の通信だったらどうだろう。 大気がなければとても理想的な通信ができるのでは?
 こちらはネタじゃなく、真面目な研究がすすめられているようで、
 高軌道の親衛星、低軌道のセンサ衛星群という計画がある。 低軌道衛星に期待される観測の時間分解能向上と、データ帯域幅、二つのニーズを解決できるシステムとなる。

 こう書いていて、レーザーポインターで雪降る夜に軌跡を投影して喜び、LEDに音声変調かけて遊んでいた頃を思い出した・・・。

2010/07/11

ホビー用GPSユニットのためのノイズ対策・・・試行錯誤

GPSユニットはノイズに弱い。

  マイコンをつなげてGPSデータを取ろう! と思って、シリアル-USB変換ケーブルを通している際には普通に取れていた高感度ユニットが、[測位不可]のまま数十分を過ぎることもしばしば。
とりとめもない事例を連ねてみた。
なおオシロで測定とかしていないため、抽象的な話ばかりでごめんなさい。 

<ユニットの個性>

  たくさんのユニットが安価に手に入るようになって、迷うところが多いが、ユニットの種類があるだけそれぞれの相性が発生する。
2010年現在入手できるモジュールを分類してみると、
・SiRFStarⅢを搭載したオーソドックスなもの(チップセット的には古くなりつつある) 12~20chが多い。感度と信頼性は一番まともだと思う。
・その他の似たような性能のモジュール。 年々低消費電力、高性能化している。
・各社の新チップセット。 NMEAの10Hz更新や、20ch以上の同時測位に対応したもの。

まだ1Hz更新以上の新世代モジュールを試したことはないけれど、いつか試してみたい。 ただ、測位環境によって出力される座標が安定しない現象が報告されていたりする。


特に相性が無かった組み合わせ XBee付きでも
 Arduino FIOとEM-406aを組み合わせた時は、感度も抜群で使いやすかった。
XBeeを取り付けて無線GPSとしてデータ取りに活躍。

LS20126
LS20126はSiRFチップセットを搭載した小さいモジュールで、かつ温度、加速度3ch、2次元コンパスなども搭載している変わったモジュール。 感度はEM-406とほぼ同じで、軽いため良く使っている。

 GPSminiMODは小型で手軽だった。でも買うならGPSmicrominiモジュールにしよう(SiRFチップセットなので)。値段が同じなので間違えやすかった。 (おそらくminiMODはディスコン)
モジュール自体の改造を施した。コマンドを送信するためにRXを引き出し、中央のチップセットの推奨回路にあるように、信号LNAの後ろに推奨通りのコンデンサを追加し、電源ラインを強化した。 だいぶ測位性能が上がった。このGPSチップセットは比較的最近のものらしく、スリープ等がコマンドからできるので、ロガーとして使いやすい。
 ただし感度はアンテナの大きさも手伝ってか、あまり高くない。

GPS miniMOD 改造後



<電源>
 Arduino MEGAを使い、Arduino FIOとほぼ同じシステム構成で回路を制作したときに
測位不可のままとなった。 XBeeがついていると測位が開始できない。
 測位成功後にXBeeを取り付けると、問題はなかった。
 応急処置として、GPSユニットのシールドをGNDレベルとパスコンでつなぎ、XBeeを基板から離したところ測位するようになった。
その後、一旦リチウム電池からDC-DCを経由していた電源構成を見直し、XBeeとGPSの電源をバッテリから直に取るようにしたところ、問題は解決した。一旦5Vに昇圧したものを使っていたが、XBeeがスリープからの復帰を繰り返す毎にDCDCのコイルが鳴いていたので、供給限界だったのかもしれない。三端子レギュレータのノリで作ると良くないな、と。

<モード>
 GPSは直前の測位情報を保存して、次回起動時にその情報を元にホットスタートを試みる。 
 情報が不安定な測位状態の時のものだったり、全く違う場所で起動した場合は、測位に時間がかかることがあるらしい。GPSユニットのデータシートを読んで、コマンドを送付し、適度にリセットをすると言った手順を踏むのもいいかもしれない。
 物によってはスリープモードもあるので、携帯機器向けであれば電力制御もコマンドで済むかも。

<マイコン基板との相性?>
 そもそもArduinoにしたのは、H8を使っていた際に測位すらできずにいたからだった。
改良後の電源構成にしてもいつまでも測位しない。 なぜだろう。
 教育用キットとしてH8は相変わらず大人気なので、競技大会の報告書などで良く目にするのだが、GPSがうまく取れない原因として、H8のクロックノイズなどが挙げられていることがある。 
 他の人の解決策ではできるだけ ユニットを隔離することのようだが、小型ロボットだと実装の都合であまり離せないので面倒だ。 
 マイコンのノイズが大きいのか、こちらの電源周りの設計がヘボ過ぎたのかはともかく、測位出来ないとなにもできないだけに、問題としては根深い。

<まとめ>

まとめると、測位開始時のノイズ混入がとても影響するようだ。  こんな小さなアンテナで、微弱な信号を増幅して演算するのだから、質の悪い電源、電磁波干渉をうけたら感度が低下することは想像に堅くない。逆に一度測位に成功すれば多少のノイズにはビクともしない。 競技でGPS誘導に失敗するパターンは、始めから測位に成功してない場合が多い気がする。

 対策としてはまずGPSはバッテリからなるべく直に電源を確保すること。マイコンにDCDCを使ったとしても分離する。 そしてアンテナ付近は適度にグランドプレーンを確保すること。となる。 おまじないではあるがチップのノイズフィルタも挟んでみると良いかもしれない。調べると、機器自身のノイズ対策はそのためのEMIフィルタもいろいろでてるくらい。

最新のスマートホンでも測位性能は機種によってだいぶ違うので注意。昔と違ってGPS測位が当たり前になり、基地局前提のA-GPSなどが普及した結果、単体での測位性能はあまり重要では無くなっている。 たとえばスマートフォンにGPS誘導させようと考えている場合は、機種によって違う精度に苦しめられるだろう。 アンテナの位置も手持ち前提で背面に配置されていたりするので、制御機器としては組み込みにくい事が多い。

閑話休題。
 PSPの初期型の頃、外付けのGPSユニットが出た。
 なぜかジャンク屋で見つけたので、友人のPSPにつなげてもらったが、感度が低くて使いにくかったらしい。  ユニットはSiRFStarⅢ内蔵なので、PSP自身のノイズが原因だったようだ。  ケーブルを自作して延長するといった対策がいろいろあったのを覚えている。 (現在の2000とか3000では対策済みです)

 以上忘備録。 GPSは大抵ARMコアを積んでいるが、その計算規模が使用マイコンより大きかったりして若干凹む。 ああ、我々はモジュールというブラックボックスのユーザーでしか無いのだな・・と。
 (文明の遺産はありがたく継承しましょう)


(追記:LS20126を追加

2010/07/10

おえかきと宇宙船デザインについて

中学の頃、ペイントで書いたシャトル

 宇宙船の造形について考えたことはあるだろうか。  

物語の宇宙船は流線型で巨大なブースターがついていて、宇宙空間を自由に動き回る。 
 そんな造形にカッコよさを見出しつつも、現実の宇宙船はスペースシャトルをのぞけばみなビールの缶をつなぎあわせたような造形ばかり。疑問を持ったことはないだろうか。

 低血糖で眠れないので、現実的な宇宙機のデザインが何に決定されているのか、基本法則は何かを架空宇宙機を描いたときに思い浮かべた条件から洗い出してみた。

 もちろん、私はスターウォーズを目の敵にするほど狂信的ではない。 アバターの宇宙船にはわくわくした。無骨な宇宙機よりは、カッコいい宇宙船が好きだ。 

 ただそれらは空想であって、ハリウッドの力学/漫画物理学によって創造されたデザインであり、舞台設定も現実の宇宙機との接点はあまりない。

 CNW推進、ハイパードライヴ、慣性駆動が実現するなら、ここに書くおはなしも古いものになっているはずだ。  幸か不幸か、2010年現在、これらはすべておはなしにとどまっているけれど。

<宇宙船を描いてみる>

 ぼくのかんがえたさいきょうのうちゅうせん を脱するには、いくつかのシミュレーションを行う。
       
            ・建設時の制約がデザインの大枠を決める
            ・万能の宇宙船はない
            ・宇宙船は閉鎖系である
            ・巨大な推進力には、巨大な燃料タンクが必要だ
            ・無重力は上下左右の区別を無くしてしまう。 推進軸以外は

 上記諸条件は絵を描くために勝手に導いたものだけれど、現実の宇宙船はだいたいこれに従っているはずだ。
「建設時の制約がデザインの大枠を決める」
 ISSに関係する各国の補給船やソユーズといった往還機は、みな円筒形だ。これは打上げロケットのフェアリングの形状に依存している。ISSのきぼうユニットはスペースシャトルのカーゴベイに収まるサイズであった。四角いフェアリングがあれば四角くなるだろう。
 建築物の高さ、デザインが掩蔽率、地価、建材によって決定されるように、宇宙船もまたロケットの搭載重量、フェアリング形状、容積、振動に左右される。 建設と宇宙開発は似ている。

 より洗練された宇宙船が現れるには、宇宙に進出していなければならないという事実がある。
材料だけ打ち上げて、軌道で組み立てる というレベルに達するためには、
     ・軌道上に恒久的基地がある
     ・軌道上に工業資源を加工できる工場がある
     ・建設に回せるだけの人的、資源的リソースがある
 という条件が必要だ。 つまり、人間が宇宙進出を果たしていないといけない。
別に宇宙に限らず、地元の開拓史でも同じことだ。いきなり工場だけ作るわけにはいかないし、モノを運ぶ道路も要る。 
 いきなりかっこいい宇宙船を登場させることはできない。 T型フォードの時代にフェラーリを求めるのと同じ構図だと思う。

 宇宙で支配的な要素として、一番高コストなのは地球と宇宙との移動コストだ。重力井戸の底から這い上がるだけで精一杯といっていい。ロケットは飼い慣らされた爆弾とよべるエネルギーを秘めており、グラム当たり一万円を超えるコストが掛かる。 そして大勢の人間が頭を使わなければ打上げは成功しない。 組織の気力も体力も使う事業だ。 
 宇宙建設業はもうしばらく待たないといけないようだ。  

 以上より、地上でモジュールを作ってそれを打上げ組み立てるという方式が一番安上がりで安全だ。 なにより水も空気も重力もある。 しばらくは空き缶を連ねたような宇宙船が続くだろう。
   
「万能の宇宙船はない」
  
 ひとつの宇宙船が宇宙と空を駆けるというのは、かなりの無駄がある。
 スペースシャトルの影響は大きく、物語にはシャトルを模した色々な宇宙船が出てきている。ただ、カッコいいけど現実的ではなかったとしていろいろな見解が出ている。 
 第一に安全性。 シャトルは脱出策が万全ではない。
 ソユーズのような使い捨てロケットでは分離しているカプセル、推進系が一体化しているのだから、推進系と一蓮托生なのだ。 ロケットがしゃっくりを起こしたら、そこで終了である。
 宇宙機でも万能を目指すより、それぞれの用途で最適化された機体のほうが無理が無い。  むしろ現時点では、万能を目指す技術的余裕は無いと思う。 特急より乗り継ぎ列車。 

 その延長で、宇宙空間と地球往還もちゃんと区別しないといけない。大気圏突入用のタイルをつけたままでは大分推力を無駄にしてしまうだろう。 

 宇宙は地球大気の延長ではない。 ほとんどの宇宙SFは地球で済む話を宇宙に置き換えたものばかりだ。 みたいなこと言ったのはスタニスワフ・レムだった。 
 付け加えると、宇宙の戦闘は大して面白くない。 
 また話がずれた・・・

「宇宙船は閉鎖系である」 
 軌道上の宇宙船は全て、乗員が搭乗中に必要な大気、食料、福利厚生を提供する必要がある。
外は真空、死の世界だ。 限られた宇宙船のリソースは、人間にも適用される。 空気、食料、娯楽、リサイクルシステム。 ささいなミスの代償が死という恐ろしい世界。 

 連絡船を除いて、軌道を数カ月~数年をかけ航行するタイプであったら、居住性も考慮しないと人間が死ぬ。 人間関係が壊れても、手っ取り早くその場を去るには真空を吸うしかない。大いなる使命があるか、冷凍睡眠でも無いと厳しいかも。 人間の維持コストを考えると、それなりのニーズがないと宇宙には進出しづらくなってきた。 アポロの時代は遠隔操作マニュピレータとしての価値があったが、これからはロボット探査が隆盛だからそうもいかない。 ロボットは空気も娯楽も精神科医もいらないのだから。
 冒険心があるとはいえ、南極に住もうとは思わないように、宇宙で定住できるようになるには、地球からの持ち出しではなく、そこに独自の生態系が出来て、収支が吊り合うようになった時だろう。

「巨大な推進力には、巨大な燃料タンクが必要だ」
映画でも綺麗な宇宙船が多数あるけど、どこから燃料を得ているのか気になったりする。
ディープ・インパクトのメサイア号は、真面目に原子力推進部が設定されていた。 着陸船が残念なことにスペースシャトルの頭部で、全体としては頭を残して骨だけになった魚みたいなフォルムだったけど・・・。 

 あと放熱機構。 宇宙空間では空気の対流がないので、発生した余計な熱を、赤外線といった形で放出しないといけない。そうしないと熱で自壊することになる。

あの2001年宇宙の旅ですら、ACクラークもクーブリックも、 原子力推進には必須事項なのに、宇宙船に翼がつくと観客が頭を悩ませるということで、ディスカバリー号から巨大なヒートシンクを取り外してしまった。 宇宙では大気が無いため、面積の大きな放熱器で熱を赤外線やなにやらで宇宙空間に逃がすしかない。
  まてよ、スペースシャトル後の観客は、逆に翼が無いことに頭を悩ませるのだろうか・・・

「無重力は上下左右の区別を無くしてしまう。 ロケットの推進軸以外は」
 宇宙ステーションの居住区は、人間のために上下の区別を付けているものの、すべての壁が収納であり機器であったりする。 というわけで宇宙船の外装も、重力下では考えられない形状でもいいのだ。
 ただし推進機構を備えている場合、重心がブレるとあまりよろしくないため、さして奇抜なデザインにはならないかも。   

<おえかき>

ぼくのかんがえたさいきょうのうちゅうせん
 以上、偉そうなことを書いておいて描いたのがこれ。 すみません。
螺旋を描く配置で設置された太陽電池パネルが描きたかっただけだが、
その他の部分は駄文に準拠して作ったつもりである。

 全長150メートル程度
 原子力推進
 定員10名程度(ミッションによる)
 小型船2基(曳航、人員輸送、作業等)

 モジュール組み立て工法で製造された設定。 こんな規模の宇宙船はある程度宇宙に進出済みであることが条件になるだろう。 月面に基地があるとか、小惑星帯の資源採掘があるとか。

円形の燃料タンクの下に原子炉と推進機構。原子炉は推進剤を加熱する。
 放熱板小さかったかも。 原子炉あるなら太陽電池なんて要らない(ry

 これくらいの規模になると、メインエンジンでの単独ドッキングとかは面倒そうなので、こまかな位置調整用にタグボート兼連絡船兼作業船を抱えている。 長旅を終えたら、宇宙基地近くで停泊する。

 以上お絵かきでした。 現実路線の宇宙船アートが増えるといいな。

ツール GoogleSketchUp7.1



2010/07/07

MEGA導入

Arduino MEGA
とある用途に購入。 普通のArduinoの2倍のお値段だ。

 動作周波数は同じものの、IOピンが54本になり、A/Dコンバーター、シリアルポート共に大幅に増えている。
 標準で4本ものシリアルポートが使えるため、ありがたく使ってみた。

 ケースはタカチのSW-120がぴったりだった。 USBポートの穴を開け、底部にネジ止め穴を開けて固定する。 フィールドに出すときは、ケースに入れないとね。

ついでにArduinoMEGA用のサンハヤト製拡張シールドをつけてみた。
でかい…。 それにしてもカッコいい拡張基板。 エレガント。


 某GPSロボットの頭脳に使用予定。 写真はGPS情報を表示させてみたところ。
XBeeとDC-DCを内蔵しているので、遠隔制御可能だ。  各機器をシリアル通信で結ぶのでMEGAが役立つ。 BBMとはいえ、試作がとても楽ちん。
Arduinoを使うと、1日あれば試作機を組み立てられて、プログラムの調整が1週間でできてしまうため、とても使い勝手がよくチームには好評だった。 H8だとこうは行かない。
 反面ステップ実行といったデバッグが出来ない、シビアな制御には使いにくいということもあるが、システム設定をほとんど覆い隠してしまうIDEの出来のおかげで、組み込みに詳しくない人間でもあまりストレスを感じずに開発できる利点がある。  
 マイコンをこれだけ意識せず使えて動かせるプラットホームなのだから、新しい動きが広がるのもうなずける。 個人的には早くAVRマイコンとしてプログラミングしてみたい。 (低消費電力モードを使いこなしたいので)

 

2010/07/03

μLogで250G加速度センサを試す


 SparkfunのμLog 超小型データロガー が届いた。スイッチサイエンスで購入したもので、
写真では100mAhのリチウムポリマー電池とセットにしている。 
10円玉サイズの基板だが、3chのA/D変換値を各50Hz周期で2時間記録できる。
 中身はATinyマイコンと16MbitのSPIフラッシュメモリで構成されているようだ。

 3chのアナログ入力、センサ用電源のほかに、データを吸い出すためのシリアル線がある。
SPI接続用の端子っぽいものが見えるけれど、これはICSP端子かな。

加工

 この基板と加速度センサを組み合わせ、リチウム充電池と一緒にタカチの小さいケースに収めた。 
穴はJPEGカメラのハウジングに使っていた名残で、蓋を開けずにスイッチが入れられて便利なのでそのまま使うことにした。

中身。 部品は両面テープで留めてある。

 使用した加速度センサはSparkfunのADXL193モジュール
±250G ! もの範囲を誇る。 動作電圧が3.5V~6Vなので、
今回は3.3Vしか用いないためにちょっと不安だ。ぶん投げて叩きつけても振りきれそうにないが、 逆に細かい加速度は見えないことに注意しよう。 

μLogには3chあるので、3.3V駆動の三軸加速度センサをつなぐのが理想的なようだ。 
どうして250Gかって? モデルロケットの加速度や、ロボット落下時の衝撃を測りたいのです。
 そのまえにどんなデータがとれるか、へその緒無しで自由に測ってみたかったので。

 充電はリチウムポリマー電池の元々の端子を流用。 μLog用の電源は同じ配線からバイパスしている。

データ読み出し時。 GNDはリチウムポリマー電池のGNDから取るのでとことん配線省略
接続は38400bpsで、コマンドは"r"、"e" のみ。 
r はReadのrで、フラッシュメモリのデータをすべて吐き出す。
eは消去で、消去中はLEDが点滅する。 終わると消える。

完成したところでケースごと床に投げたり、コンクリの地面に投げつけたりしてみたものの、値が振りきれることすら無かった。 このシステムだと電圧がアレなので、今度は正確なgを測れるように5Vを与えて実験しよう。