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音声合成ICシールドの組み立て3 ~MSGゆっくりしすぎたけっかがこれだよ~

以前製作していたMICRO TALKの音声合成LSIを使ったArduinoシールドだが、1年くらいほったらかしていた。 その後・・・完成させました。

外観
ArduinoUno+ゆっくりシールド

シールドCPUボードを外したところ

PSoC

最近PSoCを触りだしたばかりなので、練習として3.3V駆動/カットオフ周波数4kHzのLPFを作った。
(LSIからフィルタ用のクロック400kHzも出力されているので、それをつかうべきかもしれない)


去年、MicroTalkの外付けLPFをPSoCで製作した作例があって、お手軽そうだなと思ったのがPSoCに興味を持ったきっかけだったりする。

DSO QuadのWAVEOUT端子を入力につなぎ、出力波形レベルを見ると、5kはあまり変わらず,10kHzで約半分まで信号が減衰していくのが確認できた。 16kHzにD/Aのサンプリング周波数があるので、目的は達成しているようだ。

LSIの音声出力はハイインピーダンス。これをそのままアンプにつなぐとまともな音が出なかったけれど、PSoCを挟んだおかげで、出力のインピーダンスが下がってスピーカーアンプも駆動できるようになった。

出力はHOLTEKのアンプIC(秋月のキット)につないだ。ただしこのICは電流を1W近く喰うので、電池駆動だと厳しい場面も。

あとはセンサ情報や、加速度、衝撃センサに応じて声を出す饅頭システムが出来上がった。


合成音声。 人間が使う原始的で奥が深いインターフェイス。
昔のSFといえばしゃべるAIが電話越しに話しかけてくるとか定番で、けっこう人間に対してのインターフェースが充実していたとおもうけど、1チップでそこそこしゃべる手段が出てきている現在、そっち方面は流行らないのかな。

MSGゆっくりしていってね

この手のモジュールはアプリケーションが大事。 何のためにつけますか?ということをネタでもいいので考えたい。
 しゃべるというレベルはすぐ出来ても、その後の活用まで手が回らなかったけど、1年経って再度触ってみると、以前はスルーしていたドキュメントの内容などが読めるようになったので、長い付き合いになりそう。

あとは、音声合成電話。 手元の高性能端末で声を言葉に置き換え、低レートな回線を経由して会話に使う、などなど。

ゆっくり開発しているあいだに、このチップは出世したらしく、某家電メーカーの家庭用電話機に採用されたようです。見かけたときは、元気にしゃべってました。 

ARISSAT-1という、最近ISSから放出されたアマチュア衛星がありますが、これもダウンリンクに各国の挨拶や、音声合成によるHKデータを読み上げが含まれているようで、わざわざデコードせずとも状態を把握できて面白い。
ARISSAT-1     http://www.arissat1.org/v3/
通信機はSDRで、VHF,UHFに周波数変換して使っているようだ。参考写真が興味深い。

また、VOCALOIDを搭載した1チップVocaloidBoardが出るという噂もあるので(入手できるかは不明)
、音声合成の世界もなかなか賑わってるなあ、と。

参考
PSoC LPF http://www.geocities.jp/chako_ratta/micon/psoc_lpf.html

PSoC +MICROTALK         http://doggie.blog.so-net.ne.jp/2009-08-20

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ATmega4809(megaAVR0)を試す

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