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10月, 2011の投稿を表示しています

RFIDと惑星探査

空想宇宙機シリーズ。 とはいえ今回は少し現実路線から・・・ < 遠い道のり > 1輪探査ローバー "Spinner" を作って1年以上。手元においておくといろいろ思考が進んで楽しい。 "Rover" という語源からして、放浪する探査機械というものを夢想して製作してみたが、今のところ、この機械が運用できるのは何もないグラウンドや広場に限られる。 現実を見ると、XBeeは打ち上げ角の関係上、地上間では数十メートルしか交信できないし、バッテリは数時間しか持たない。 車輪に貼りつけた太陽電池は全電力を賄うには(数日の充電期間が許されないなら)足りないし、なによりもセンサ不足なのでちょっとした地形の変化に対応できない。そもそも探査してない。 これが現状。そもそも大きさとコストを限定した時点で、いろいろと物理的にできることが限られている。動画ではいいところばかり編集できるので、つい自分も騙してしまいがちだけれど。 色々あって実機の開発は中断状態だが、こうした単純なロボットを活かすための枠組みを幾つか考える中で、すこし面白そうな手法を思いついた。 < ヘンゼルとグレーテル > 何の変哲もない砂漠に降り立ち、GPSなどの航法システムも存在しないとき、周りを探検しろと言われたらどうするか。 人間なら(生命の危険を感じないとして)、まず降り立つ場所を基準として、道しるべを求めるだろう。周りに目立つものがなければ、何らかの目印を置くことにする。(天文学をかじっていれば、日時計と星座により方角と現在地もわかるがここでは省略)    この道しるべだが、人間でなくロボットが置くとすると、ロボット自身が迷いなく認識できるものが望ましい。 視覚では対象の環境が単純すぎたり、逆に特徴が多すぎたりすると使えないので、あくまでサブシステム。 < 一寸の虫にも五分の魂 > そのお手本となりそうなのが、蟻の行動。 行動生態学の領域や、知能ロボットの分野では、蟻の探索行動が研究、応用されている。その行動にはフェロモン、太陽の偏光、触覚などの知覚が関与しているらしい。 フェロモンだけと思っていたら、巣周辺の地表を荒らして初期化しても、蟻は他の様

BookSatellite

空想宇宙機シリーズ 今回はキューブを通り越してフラットな折りたたみ超小型衛星。 小型化が活用の道を切り開いた小さな衛星たち。 英語で画像検索すると色々なプロジェクトが出てくるので定期的に調査しているが、最近の超小型衛星は、規格化と参入が進んで回路が洗練されつつある。 中には5cm角の衛星の計画まであるらしい。 ビーコンを発信するだけだったら、アマチュアでも簡単に手が出せる回路規模だけに、教育/技術試験など沢山の計画が目白押しである。 進歩の中の制約条件 高機能化が進んだ携帯電話も、バッテリの動作時間と、人間が快適に扱える限界の大きさはあまり進歩していない。 このスペックを無理しても使いにくくなるだけだろうから。 CubeSatの最大の魅力である小ささは同時に弱点でもある。 CubeSatはみな筐体に太陽電池を貼りつけたタイプが標準だ。これは姿勢制御や展開機構をもたなくて済む利点がある。 ただし、立方体だとすべての面に同時に太陽光を受けることはできないため、前提として6面あるうちの一つの面の発電量でも動作するように設計しなくてはならない。 CubeSatだと10x10cmの面積に貼りつけた太陽電池セルとなる。 この制約下では、できるだけ高性能なセルを使い、通信機とバス機器だけは動作することように設計する。 負荷の大きな機器を積みたいときは、バッテリに溜めた電力を間欠駆動でやりくりさせる。 静止画撮影などは一瞬の負荷なのでリカバリー可能だが、連続して稼働させたい用途には向かない。  小さくても夢を見たいのが常なので、こうした制約をくぐり抜けるには、 A:立方体を大型化する。B:展開式パネルを装備する という道がある。CubeSat規格の最大サイズである3Uになると、こうした条件はあるていど緩和される。   実際最近は3Uサイズの計画が多い。 展開式の場合は、単純に折りたたんだパネルを開いて面積を増やすタイプと、大型衛星のように姿勢制御するタイプとある。Cubeでは前者が多い。 (余談だが、「CubeSat」で画像検索かけると最近は3Uが増えてきた) フラットにしてみる この文章では、立方体という制約を外してみたい。パネル面積を増やしつつ、容積を据え置くなら・・・ CubeSatとして必要