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ジャンク学

中古屋のジャンク箱に詰まっているのはたんなるガラクタだが、物好きの眼を通せば、ラックの列は産業考古学の資料庫に変わる。 大都会の店舗では、天井まであふれんばかりのジャンク品が、今にも崩れそうな臨界状態を保っている。 箱には10年遅れの技術が捨て値で投げ込まれ、積み重なって地層を成している。地震が起きたら居合わせたくない場所だ。 ゴミと見分けがつかない状態でも、実際に壊れている機器は少ない。拡張カード、ネットワーク機器、iPodに息の根を止められたMD、アナログ携帯テレビ。 規格が終わるとき、機器の命は尽きる。  PSP/DS以前の携帯ゲーム機とROMカセットの山、スマートフォンに負けたデジタルカメラ、アンティークになれなかったフィルム式カメラ群。 かつては広く普及し時代を象徴したガジェットが 織りなす、作者不在の コーネルの箱 が、所狭しと並ぶ。 ここに実用性を求めるなら、製品本体よりも、周辺機器や電源ケーブル等を探すと良い。 しかし物好きは過去の製品を所有したい欲から逃れられず、齧歯類のごとく自分の部屋の片隅によりすぐりのジャンクの山を築いていく。  そのうち物欲の原始的衝動をうまく飼い慣らせるようになり、最低限の修理技術と、故障ではなく時流に置き去りにされただけの完動品を見分ける勘、製品史を頭に納めて、月に1度は狩りに出かける。 故郷にはネット以外にこれといって最新なものが無かった。 ヘッドの壊れたβデッキはすべてDIP部品で、はんだこてを覚えたころはそこから部品を集めるのが任務だった。作業に飽きて、ゲルマラジオのコイルを巻いては秋月の通販が届くタイムラグが待ちきれなかったあのころ。 最初は通販で部品を入手するほどの知識も教育も無かったこともあって、分解して回路に手で触れ、ショートさせて、壊してその限界を知るというプロセスを通すしか経験を積む手段が無かった。 家のガジェットやPCを分解して親を怒らせたり、単なる動作不良や紛失にまであらぬ嫌疑をかけられるよりも、中古屋のジャンク品コーナーの100円程度の製品を漁るほうが害が少ないと気づいてからは、goodのハンダごて片手にいろいろな製品のネジと中身を机に並べ、手触りや見た目、配線の巧妙さに感心して部品箱をいっぱいにしていた。 たまにマイコン工作で見かける石...

Kindle買いました

モバイル機器。 肥大化する要求と変わらない電池容量/人間工学の間で発振するデザイン。永遠に未完成の ギズモ たち。 いつの間にか、ソフトウェアで可能となるであろうすべての可能性を諦めきれないことに慣れてしまう。 何かを戦略的に諦めることでだいぶ楽になる。 なんだかんだ言って電車内でNintendo DSやPSPを見かけない日はない。動画や写真、アプリを諦めれば、電子書籍端末という選択肢が見えてくる。 AmazonのKindle(Kindle touch)を買った。 以前から電車で洋書を読んできた。最近、いつも読んでる作家の最新刊を本屋で見つけたのだが、ペーパーバックのサイズが大きすぎて、既に溢れてしまいそうな鞄に詰め込むのは難しいと結論が出た。  小さくて本が読みやすいデバイス。そうなるとiPadなんかを個人所有するより、Kindleあたりが断然魅力的になってくる。 鞄に入れたネットブックとも機能がバッティングしていない。  単語をタップすると辞書(無論、英英辞書)が出たり、人物名の登場回数を統計表示させたり、読み上げたりと、電子書籍は洋書を読む上で便利な機能がたくさんある。 そして電子インクなので通信機能を切れば1ヶ月は電池が持つ。なにより目が疲れない。 大きさは持つのに調度良い感じだ。ウェブ上のイメージよりも薄い印象を受ける。  レザーケースも同時に注文した。 おまけ程度に考えていたPDFの表示を試してみたが、結構使えた。 データシートをたくさん放り込んでみたけれど、文字も潰れたりしていない。 これで資料は印刷して持ち歩かずに済む。 本当はひと世代前のキーボード付きKindleのデザインがグッと来てしまい、だいぶ悩んだ。結局白モデルが国際対応していないということで諦めた。 手を出すのが遅かった。デザインに惹かれていただけなので、諦めた後はKindle Touchで十分満足している。   ちなみに3G対応モデルにしたので、  携帯圏内であれば、どこでも本のダウンロードができる。端末のみで本の入手管理が完結している。  通信料はストアの書籍代に上乗せされているので無料だ。 Kindleユーザーは3G対応版を選んでも損はないはず。  3G回線での無制限な...

エアカウンターS

 エステーから発売されている簡易放射線計。 目的もあって導入。 中身はPINフォトダイオード方式のようだ。 空間線量を測定することに特化している。はじめの2分で予測値を、その後は計測値を更新し続けるようだ。   去年、ポータブルに改造した借り物のSparkfun製ガイガーカウンタは高電圧回路が設計ミスだったり、多湿な日本では故障しまくるなどであまり良い指標にならなかった。 秋月でPINフォトが発売されてからはそちらの半導体式を2つほど試作したが、ノイズの除去が難しく実用には程遠かった。   線源を買うほど入れ込んでいなかったのもあるが… 今回市販で低コストな検出器ということで簡単に使ってみた。    半導体式の弱点として、電磁波や衝撃ノイズで誤検出するというものがある。(ガイガー管も粗雑な扱いができるわけではないが) ためしにノイズをまき散らしているACアダプタに近づけると誤検知して検出限界を突破した。 携帯も動作によって誤検知の原因になる。 持って歩いていても衝撃で数値が上がってしまうので、静かに持ったり置いて測るのが正しいやり方だ。 身の回りの線量はほとんど検出限界以下で、水たまりや側溝などでちょっと上昇する程度だった。 公園での数値を測ってみたが、公表されている線量とだいたい同じといえた。 そもそも検出限界付近だと捉えられるガンマ線が少ないので、短時間の測定だとかなり表示線量には幅がでてしまう。  一般的な使い方としては、無駄に線量の高いところが無いかだけを確認することに特化しているといえる。 とある 土地の線量がそれほど無いことを証明するための簡易検査用途とかとか。ちょっとしたリスク回避材料として使うことになりそう。     運動公園の干からびた調整池を見に行って、よく見たら土を入れ替えた形跡が見えたりして、もしかすると対策されてるんだなあということに気づいたりした。 

ライフログ

FemtoCubeを移動時に鞄に放り込み、移動時間の間ずっと記録してみたものを、GoogleDocsのグラフ作成機能でトレンドとして表示してみた。 上から、バッテリ、カラーセンサのRGB値(12bit)、SCP1000の温度と気圧の順となっている。3秒間隔でだいたい1時間半程度のスパンを持つ。 シリアルSDロガーの消費電力分が加わっているので、本来の運用ではもっと緩やかに電圧降下するだろう。今のままでも一日は持ちこたえそう。 カラーセンサは今回WayPointの記録用に使った。ピークは乗り込んだ駅と降りた駅で鞄から取り出して明かりに当てた様子を表す。 温度はだいたい鞄の中の温度となる。 最後は外に出し、部屋に置いたのでだんだん低下していく。  気圧は高度を表す。途中地下を経由するので、その高度変化が高くなる方へ現れている。 これに加速度とか加えると楽しそうだ。そしてディテールを増やしすぎて生活が駄々漏れに・・・  記録をこうしたグラフにするだけでなく、一日のログから消灯時間が勝手に決まるスマート住宅とか(やや迷惑だが)、蓄積したデータから何か現実や行動者自身にフィードバックがかかるものも面白いだろう。生活リズムから健康診断するとかそういう用途は、今あるスマートフォンとかでも十分できそうではある。ライフターゲティング広告ビジネスとかとか。人がアフィリエイトを稼ぐために運動し外出する時代はもう来ていたのだ・・・(完) ********** オムロンのPC連携できる歩数計 上を書いた後で、新古品として見つけた歩数計。 最近の歩数計は加速度センサで歩行リズムの周期だけを取り出してカウントするらしい。 オムロンの製品はRFIDによる非接触データ通信に対応していて、一日ごとのデータを会員制サイトにアップロードできる。同じ仕組み(WirelessLink)に対応した体重計と血圧計もあるようだ。 ライフログに重点を置いたヘルスケア製品はどんどん増えていくだろう。 通信端末もNFCやBT4LE規格などによってより柔軟な機器連携をするようになりつつあるので、体重計や血圧計の管理画面がスマートフォンアプリ、という形態は容易に想像できる。 ライフログの悪用の危険性についてはどうなのだろう。 歩数も体重も心拍も、日付以外にGPS...

PSoC メモ

PSoC 関係で面白そうなアプリケーションノートをいくつか。 センサ処理なんかに使おうと思ってIDEをダウンロードし、開発環境と石を触っている。 アプリケーションノートを片っ端から読んでるだけで学習になるけど、その中で面白そうなもの ・FSK 検知  AN2363  http://www.cypress.com/?rID=2735 Bell202互換とある。 パッと見mainでもCPUはほとんど使ってないようだ。 ・FSK 生成  AN67391   http://www.cypress.com/?rID=50238 上記は2006年に公開されたANよりも新しく、今年更新された物のようだ。 ・CW morse decoder  AN2124  http://www.psocdeveloper.com/docs/appnotes/an-mode/detail/an-pointer/an2124/an-file/122.html 自動レート調節付き。ただしソースがver3相当。 CWデコーダの参考になりそう。 PSoC Designer 5.1からCコンパイラも付属するけれど、古いANは以前のバージョンが必要らしくやや敷居が高い。 ところで書き込みに必要なMiniProgを失くしてしまい現在足踏み中。

Geiger Counter

Sparkfun製のガイガーカウンタをひょんなことから貸してもらったので、色々と可能性を探ってみた。 http://www.sparkfun.com/products/9848  USBシリアル変換とATmega328が搭載されている。 デフォルトでは天然乱数源として使えるように、放射線検知とともに1ビットの乱数を9600bpsで送信し続けるようになっている。    シリアル端末につないで24時間放置したところ、生成された一様乱数は約1.4kバイトになった。自室の24時間平均カウント数は約7.5CPMということになる。 外に置くと15CPMくらいには増える。(熱雑音系と比べたら、乱数生成器としてはかなり鈍臭いようだ…) 得られた乱数の一部 0101101001001011010100101011010001010001110110010100110010110110110010110110101010001010110110101011101010100011010011011100100010110010101001101010010110101100110111011001110001100101010101110001101010101100010110101010110110101010001010011101011010100100110110011110101010101010010100001101001010000011001010110101110000101100 雲母窓の付いたLND712を使用している。キャップはβ線遮断 100円ショップの5VUSBチャージャーでも動作した。 消費電流は全体で30mA程らしい。 赤色LED消せばもっと減るかも ケースに入れ、9電池から5V生成。ブザーはコンパレータにつなぐべきなのだが、 せっかくなのでAVRの空きピンに出力を増設したいところ。 ガイターカウンタの正しい利用法はここ数ヶ月で沢山告知されているので、そちらを参考にしていただければ…。 とりあえず、適用範囲は短時間では強い放射線源がある/ないの確認と、長時間の積分=定点観測になるとおもうので、持ち運ぶ形態よりは、サーバーにつないでモニタリングする方向を探りたい。  屋外観測するということなら、最低でもC...

Qcam orbit AF

バルク扱いのQcam Orbit AF (200万画素)を入手。今年に入り、いろいろなところに流れているようだ。 市販品には無いドーム型ケースが付属する。 物自体は申し分のない、パン・チルト可能な高性能ウェブカメラ。 レンズにこだわってるだけあって、他の200万画素モデルと比べても解像感が素晴らしい。これで3千円とは・・・ ハウジングにいれたところ ハウジングに入れても画像はクリア。 ただカメラの固定機構があるわけでは無いようだ。置いて使えということらしい。 イベント、展示等で使うためのものだろうか・・・。 おまけ 実は首のところで分離できる。チルト機構から下は(一般パッケージでは同梱されている)支柱を挟む目的でminiUSB端子で刺さっているだけなので、普通のmini-B端子でPCとつないでも問題なく動作する。カメラ部だけだとかなり軽い。 重たい台座にはマイクが入っているらしい。分解したところカメラ側コネクタに配線が消えている。 多分mini-B規格になぜかあるNCピンを利用してマイク入力を行っているのだろう。 よく考えられてる。 USB端子のついたUSBプリントサーバーみたいな、小さいLinuxボードで動かせたらいいなあ。 

ミウラ折り

ミウラ折りというものをご存知だろうか。 折り畳み方のひとつで、もともと宇宙構造物の収納の研究から生み出されたもの。 とある。 紙を無理やり押し込めたときにできるシワの規則性を抽出しているので、この折り目をつけた紙は引っ張るだけで一瞬で広がる。 平行四辺形ってすごい。 高校時代にはときたま授業の合間にこれを作っては色々試していた。面白い性質は、縮小と展開以外にも見つかる。 ハニカム構造のような規則性があるので、展開途中の厚みを持つ状態では、上にかなりの静的重量を支える事ができる。 知り合いが持ってる教科書をすべて積んでも潰れることが無かった。 もうひとつが、その伸縮性である。構成要素が変形しなくても、様々な形にぐにゃぐにゃ曲げることができる。実際人間の肌を拡大すると見える皮膚のシワのような構造をしていると思う。  ミウラ折りを使うと伸縮性豊かな構造が作れる。 平面ではなく、筒状に両端をつなげると、腕に通すサポーターみたいになったり。 これを構造に応用すると楽しいかもしれない。 プラスチックを平行四辺形に加工し、縁をカプトンテープでリンクすればかなり強固かつ伸縮する素材ができる。 参考 ミウラ折り (wikipedia)

ACアダプタ電源の故障とATX電源の汎用電源への改造

故障した12V(120W)のACアダプタ 地震の影響もあり、受験で上京していた兄妹(試験は中止になりましたが・・・)と一緒に新潟の実家へ戻ってきました。 こちらはこちらで中越地方の震度6弱の影響を受けていて、棚の書類が全部落ちていました。中越地震を思い出す光景です・・・。 おまけに3月中旬とは思えない雪が続いています。雪かきをしつつ、片付けをしつつ。 さて、ついでに輸送してきたデスクトップの 自作機 を確認したところ、12V10AのACアダプタが壊れて電源が入りません。 LEDもつかず、ケーブルの断線も無いため、原因は回路のようです。 ・・・困りますね。 一応データはバックアップしてあるので大丈夫ですが、出鼻をくじかれました。 家にあったPen4のデスクトップから電源を拝借して、バラックで起動したところ、とりあえずシステム自体は生きていました。 ほっと一息。 FMブレイク※1 過去の遺産を発掘していたところ、Pentium4時代のATX電源が出てきました。 残念ながら改造の跡があり、CPU用の12Vコネクタが無いためそのままでは使えない。(裏でハンダ付けしてもいいのだけれど・・・) 12V 16A = 192W? よく考えれば、PCの電源の役目は各種電圧を作り出すこと。 +12Vも16Aはあるということで、ACアダプタよりは容量があると見てよさそうです。 だったらACアダプタの代わりとして使おう。 というのが今回のテーマ。 PCの電源を汎用電源化してみました。 手元にたいした部品が無いため、ATX電源にある部品だけを使います。 ATX電源単体で起動するために、PS_ON端子をGNDに落とすスイッチが必要です。 これは電源ケーブルの辺についている電圧切り換えスイッチ(110~220V)で行います。 (電圧切り替え配線は基板上でハンダ付けして固定。110V) あとはPC用の余計な配線を取り外して、ACアダプタのコネクタを12V出力につないで固定します。  スイッチを入れると12Vを供給してくれます。  こいつをデスクトップにつないだところ、ちゃんと起動しました。 ただし運が悪いと15分程度で原因不明のシャットダウンが入り、連続稼動には至りません。 たぶん古いので Core2時代の電力管理による負荷変動に対して追従...

糸巻き戦車 (玩具)

 ファンシーな雑貨屋で糸巻きが売っていたので、あの伝統玩具? 糸巻き戦車を作ってみた。  (実際に作ったことがある人はどれほどいるのだろう…)  <材料> 糸巻き(中央に輪ゴムが通せる円筒形ならなんでも) 輪ゴム(こちらでは惣菜のパックに使った奴を 再利用 ) 15センチくらいの棒(使い古した箸を 再利用 ) 2センチくらいの棒(これも箸から。以下略) 回転軸のワッシャー(ジャケットから外れたボタンを 再利用 )  (ものすごい廃材率) <作るに当たって>  ・ 2つの棒には輪ゴムを引っ掛ける溝を切れ込ませておく。 あたらしい輪ゴムなら伸びきっていないので、それだけで全体が固定できる。この工作では接着剤などは使っていない。  ・ ボタンには輪ゴムの通る穴を開けた。 これを糸巻きと棒(15センチ)の間に挟むと糸巻きがスムーズに回った。 ボタンみたいに、かすかに丸みを帯びていて、つるつるした円形の物体だと良いみたい。 (伝統的な製法ではろうそくを短く輪切りにしたものを使う)  ・糸巻きの両端の黒い帯はグリップ力増加のために張ったビニールテープです。 グリップ力増加  <動画> ということで工作でした。 たまには電動式のあらゆる煩雑さから開放されるというのもいいものです。  あえて言えば、ネックは輪ゴムが切れるくらいですね。   英語ではSpool racer や Spool tractor と呼ばれる糸巻き戦車。素朴な玩具なので長い歴史があるようなのですが、 最近 電動化して 猫と戦わせたり する動画 が増えてGoogleの検索結果を汚染しているようなので ※1 本来の糸巻き戦車も製作してみたのでした。 みなさんも良い糸巻きをみつけたら糸巻き戦車を作ってみましょう。そしてブログを書いて検索結果を(ry ※1 ごめんなさい        それにしても検索は恐いですね。 いろんなワードで自分のサイトがヒットすると恥ずかしい。

配線二階調

電柱のモノクロ画像。 意外と簡単に加工できる。 まずは原データを薄曇りの日に撮ってみよう。 ↓ どこにでもありそうな電柱。 これのコントラストをいじる。 階調を飛ばすと冒頭の画像となる。 薄曇りなのでキレイに背景が真っ白になった。   これだけでもきれいなので、モニタの壁紙にはもってこいだが(階調反転もgood)、バックに他の画像を仕込みたい場合も、明るさ比較で結構簡単に背景を合成できる。  ごちゃごちゃした電柱も曇り空も、ふと見上げれば色々見えてくるものだなあ。  この写真とは関係ないけれど、夕焼け空の方角の鉄塔のコントラストの組み合わせは最強ですね。 Pixivの同じような構図の絵に強烈に反応してしまう。なんでだろう。人は案外、そうした階調でしか物を見てないのかな。 (終)

みちびき(QZSS)対応のGPSチップはすでに普及している?

日本のGPS補強衛星「みちびき」が移動体で3センチという高精度測位を実現したというニュースが出てしばらくたった。 ロボット的な応用分野としては気になるみちびきへ対応したGPS受信機の出現と、高精度測位が一般に普及する日はいつ来るのだろう。 (追記 一般的な利用では誤差1.5m程度とのこと。ただし、天頂付近という高仰角にGPS衛星がひとつ増えるということは、都市部で測位精度が向上するということなのでメリットは多い)  実はすでに「対応したGPS受信機」を搭載した製品は出荷されている。 たとえばドコモの展開する「Galaxy S」、「Galaxy Tab」は、Bloadcom社がQZSSへの対応を表明したGPS受信LSI「BCM4751」を搭載していた。( 分解記事 ) といっても、みちびきを受信できたという記事やレポートはまだあまり見当たらない。  GPS衛星は搭載された高精度な原子時計を基準として、地上に自らの軌道情報と時刻を放送している電波灯台だ。 モバイル端末が搭載するGPS受信機は、受信して得られたGPS衛星群の時刻と軌道情報を元に、受信した端末の座標を計算し、緯度、経度、高度を出力する。計算に使える衛星の数が多いほど、精度が上がっていく。  現在のGPS受信機は小型化が進み、GPS信号の増幅、復調、計算までワンチップでこなすようになった。モジュールやICも様々な会社が生産している。 GPS衛星は一つ一つが識別コードを持ち、受信機はそれを解読する。  従来のGPSモジュールでは、みちびきに割り当てられた新しい識別コードを取得する設定が無いため、そのままでは情報を使うことが出来ない。  同様に独自GPS(欧州のガリレオ、露のGLONASSなど)も、利用するにはそれぞれのデータ形式や、周波数に対応したアンテナ、ハードウェアが必要となる。 端末も、GPSモジュールの生成した計算済みのデータ(NMEAフォーマットなど)を受け取るだけなので、端末側が頑張っても、GPSモジュールが対応しないと受け取ることができない。 モジュール自体の設定やファームウェアを書き換える必要があるが、これは普通GPSモジュールが出荷される前に書き込まれるものなので、専用GPS端末でないと、既に出荷された機器で対応することは無いだろう。 ...

小型ローバーの実用例

世界の小型ローバー 原子力エンジンを検索していたらアメリカの企業が作った小型偵察ローバーの記事(中国語)に行き着いた。そんなこともあるよね。 というわけで、世界の小型ローバーロボット技術探訪。研究分野以外ではどんな使われ方をしているのか、というものを二つピックアップしてみた。 「死角に放り投げるだけ」偵察用の小型ローバー 軍事領域での開発にかけてはアメリカの右に出るものは居ない。 米ReconRobot社のローバーは小さなダンベル位のサイズで、中央に尾をもつT字型の典型的な筐体をしている。 http://www.reconrobotics.com/index.cfm 約540gの筐体に広角カメラ、2個の丈夫な車輪を備えている。操縦はジョイスティック一個で、無線でローバーのカメラの映像をモニターしながら操縦できる。 オプションを見るかぎり、主な供給先は軍や警察だ。現場で運用されることが考えられている。シンプルで頑丈、低コスト。  その用途はまさに「車輪付き偵察カメラ」だ。デモムービーが分かりやすい。 印象的なのは、目的の場所に無造作に放り投げて動作する所だろう。 ・制圧作戦で建物内の敵の把握 ・犯人の逃げ込んだ先の特定 ・籠城の様子の偵察 ・人命救助 これまでは人命リスクで情報を得られず、闇雲な行動に出ざるを得なかった領域に普及していくのだろう。しかし戦場や修羅場でいざ投げ込まれた側にしてみれば、パニックに陥りそうな気もしてちょっと気になる。 「ハイテク玩具」カメラつき遠隔操作ローバー$130 http://www.spygear.net/spy-gear/item.php?key=64 革新的なおもちゃに関してもアメリカの右に(ry  チルトカメラとキャタピラを備えた遠隔操作ラジコン。コントローラーには画面が付いており、モニターしながら操作可能。 CPUはARMで、SDカードに画像を残す事もできる。 さらにソフトウェアを追加可能。 ここまで書いておいて、130ドルで買えるおもちゃである。 おそらく組み込み系Linuxで稼働するのだろう。かつてならこの内容で10万円はしていたはず。 小型軽量の模型飛行機の価格破壊の流れで、こうしたハイテク玩具がどんどん普及している。 かつてこういうモノを作...

電子工作コンテスト

先日、 電子工作コンテスト2010 のイベント、 電子工作祭り2010 がありました。  日曜にお台場まで糸巻き戦車型ロボットを伴って行ってきました。  ノミネートされてはいたものの、どれもハイレベルな力作ぞろいなので、はじめから諦めモードでしたが、結果的に企業賞の一つ スイッチサイエンス賞を頂き、びっくりしました。 スイッチサイエンス様には日頃からSparkfun製品を輸入してもらったりしてお世話になっています。今後ともよろしくお願いします。  糸巻き戦車は置いといて(床に)、授賞式で思ったのは、人を(心も)動かせる作品ってコンセプトのバランスが取れているな、ということです。   それにしても受賞者がハイレベルというのもあって、MAKEにも増してカオスなイベントでした… こいつ(糸巻き)もはやくインタラクティブな動作ができるように勉強しないと… 副賞でいろんなセンサーの詰め合わせキットをもらったので、これらをつなげるところから始めてみようと思います。 以上簡単な報告でした。   ※ちなみにKemushiComputerという企業は(まだ)存在しません。零細一人サークルです。

あかつき、その他

衛星おえかきシリーズ番外編。 いよいよ大詰め。 500Nスラスタを使った軌道変換による金星軌道への投入間近。 6千万キロ彼方はどんな景色なのだろう。 あかつきの姿勢は公式ページによれば、放熱面とセンサーが集中する面が太陽に向かないよう設計されているので、おそらくこんな感じではなかろうかと予想。(CG動画でも同じ姿勢だったような) リアル志向ですが所詮、見た目の再現なので、本物とは微妙に細部の造形が違います。 艦隊絵ではパネルの向きが微妙に下むいてたりとか。 IKAROSの膜面の配置とか。分かる人はわかると思われる微妙な点。  参考にされるとモロばれという。 話は変わって…   人工衛星って私の中では擬人化というよりも家なんです。 設計時の進行はまんま建築と同じだな、と。 振動試験を耐震と置き換えて、熱設計を高気密高断熱住宅と置き換えれば・・・ほら(なぜか得意げ) そこにセンサーとか、航法関連の装備、計算機を設置する。 配線の電気工事もある。  最近は住宅のほうが太陽発電とかスマートセンサー、高効率給湯などを導入しはじめているので、住宅の衛星化が進んでいるのではないかと一人妄想してみたり。 住宅に擬人化要素が導入されるかどうかは次世代に期待しておくとして、(最近の文化遺伝学的インフレからすると、すでにちらほらあるような気もしますが) あかつきの活躍には期待ですね。 以上落書きでした。 ※どちらかというと私は機械の擬生物化のほうに興味がある人間なので、小惑星帯を気ままに航行する次世代太陽帆探査機の子孫のほうがロマンがありますね 追記。 今回の軌道投入は不発に終わってしまったようですね・・・。 かっこいい探査機なだけにショックです。 惑星間深宇宙の難しさは別のプロジェクトで思い知らされているだけに、言葉がでません。 気の遠くなる年月です…。  

BoogieBoardとの戯れ

話題に乗り遅れることはや数カ月。 iPad旋風が吹き荒れて数カ月。 某電子部品街にもePadとかなんとかタブレットみたいなのが増殖してゆく中、最も安価で、唯一未来性を感じたデバイス、 それが 黒いせんせい ことBoogieBoard。 いまさら入手したので使ってみた。 新型ディスプレイに目がないのと、おえかきデバイスとしては出色のお手軽さなので、さっそくレポってみる。 ※はじめてません。 もうすぐ冬だぞ 使用感については先駆者たちのブログのほうが充実しているので、技術的側面を探ってみよう。 そもそもこいつはなにが凄いの? と言われそうなのでググッてもらうと、液晶なのです。感圧式コレステリック液晶。電子式リフレッシュ。 押した場所(筆跡)が白く変化し、スイッチ一つで白紙に戻せるだけという。この上なく単純なデバイス。  米kent displays社 の液晶技術で作られた電子ペーパーディスプレイの一種なのです。 表示素子としての画素は無く、このディスプレイが出来るのは感圧して変化した状態のリフレッシュだけ。 裏で処理等は一切無いアナログな書き心地が約束されます。 バッテリの心配もほとんどしなくて良いし。 電力を使うのは画面書き換え時だけで、どうもパルス電流かなにかを入力している模様。 あと、これを複写機にかけると真っ暗になるという記述が多かったが、多分リフレッシュ回路が収められた出っ張りのせいで、画面がコピー機のガラスに密着してないためではないかと勘ぐっている。  裏にディスプレイの商標があった 止め、ハネ、筆圧等も再現 普段タブレットを使うのと同じ、あるいは描写エリアと表示エリアの同一、タイムラグゼロというアナログならではの書き心地と安心感がある。 スタイラスは付属のものがある。しかし先端が削れる感じがあまり気に食わなかったので、ワコムのペンタブレットのスタイラスを使ってみたら結構いい感じだった。 落書き PCのお供に! これはPC周辺の簡易メモ取りに使えるんじゃなかろうか、とおもって実際に使用中。どうでもいい簡易計算とか、定数のメモ場所、おえかきなどに便利。 ペーパーレス化が進みますね。  こういうのを人への説明に活用したいとおもうと、単に見せびらかしたいだけと思われがちだけど、最近の見せびらかしさんはみなiPad...

JPL_HORIZONとあかつきの軌道

前回JPL_HORIZONにあかつきの要素は載ってないなんて書いたあとで、ちゃんとPlanet-Cとして載っていることに気づいた次第です。 ・・・。 思い込みって怖いですね。 前回の分に書き足すと長くなるので、ここは改めて図を更新します。 赤い線であかつきの地球からの距離を足してみたところ。 ほぼ心眼通りでほっとしました。 見かけの接近は10月半ばあたりまで続くようですね。 その後は緑の線、金星の距離と重なります。12月には到着ということでしょう。 なるほどな・・・ゆるく接近なのでドップラーシフトが周波数+になってもおかしくない・・・と。(ボソッ) ちなみに Horizonの設定 は下のようにセット。 Ephemeris Type [ change ] :  OBSERVER Target Body [ change ] :  Planet-C (Akatsuki=VCO)  [-5] Observer Location [ change ] :  Tokyo-Mitaka  [388] ( 139°32'31.6''E, 35°40'20.1''N, 60.4 m ) Time Span [ change ] :  Start= 2010-05-22 , Stop= 2010-12-01 , Step= 1   d Table Settings [ change ] :  QUANTITIES= 1-40 Display/Output [ change ] :  download/save  (plain text file) 一番上の設定では、軌道要素か、ベクトル情報、観測者からの視点から選びます。 ここでは地球上からの見かけの距離とか角度を知りたいので、観測者。 観測地点は三鷹です。近所というのもありますが^^ タイムスパンで出力したい期間とその間隔(秒、時間、日など)を設定。 このとき、あかつきの打ち上げ前の日時まで含めてしまうとエラーになるので注意。 TableSettingsで出力したい情報を設定します(とりあえず全部、使ったのはLTだけ)、 最後にテキストで出力させます。 軌道要素をCeles...

mbedを入手

mbed 新感覚のマイコン基板。 MOM01で記念に入手。 以下簡単なまとめ ・IDEはウェブブラウザ上。コンパイラはサーバー側にある。   http://mbed.org/ ・コンパイルされたファイルがダウンロードされる。 ・USBメモリデバイスとして認識されたmbedにドラッグ&ドロップ リセットで即実行。 ・IDEはコミュニティサイトでもあり、公開されたライブラリ群を使えたり、公開したりできる。 というところ。 ネット環境さえあれば、する作業はアカウント作成とログインだけで、PC環境を全く汚さずに開発が可能というとてもクラウドなマイコン。 初期導入の手間はArduinoよりも少ない。 NXP1768は ARM Cortex-M3 最大72MHz動作と、なかなか豪華な石。 裏面はUSB関連の石とフラッシュメモリ等があった。 はじめは、最近出た秋月のLPCXpresso 1768の評価キット http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-04117/ にしようと思っていたけど、こっちを買ってみた。 XpressoだとExlipseベースの専用IDEが付いてくるそうだ。 周辺機能は申し分ない。 特にLANに関しては、パルストランス内蔵コネクタさえあればすぐつなげられるという。 USB、CAN、SPI、I2C、複数のシリアル等々、I/Oも十分な数が揃っている。  ネットブックと相性が良いと感じた。 あとはどこでも常時接続さえできれば、ネットカフェでも開発できるのだなー。 コンパイラを有料にするのではなく、ネット接続前提にするあたりは、結構合理的なビジネスモデルだと思う。  会場でArduinoUnoを見たけど、USBシリアル変換部をAVRにしてUNIX向けのドライバを不要にした以外は特に変化なし。 カッコ良いので欲しかったけど我慢。