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太陽電池とキャパシタふたたび

計画凍結状態だった観測ノードの回路実験ふたたび。 まだ治具作っただけですが。 120FのEDLC(電気二重層キャパシタ)と1Wの太陽電池(2V 500mA)を日向に放置してみたときの写真。 10分くらいで満充電状態。今回は太陽電池の最適動作点とEDLCの耐圧が近いので、逆流防止ダイオード以外は挟んでいない。  このままニッケル水素充電池の単セルを充電するようにするとちょうどよさそうな気がする。ちょっと発電しすぎなので、セル面積を減らすか、負荷の消費を増やさないと問題になってくる。   FETはEDLC、電池の充電回路の切り離しと、太陽電池のダミーロード(LED?)等の負荷切り変えにつけるとよさそうだ。ここはマイコンの介入は無しにする。 今回の試験用治具の構成。  FemtoCubeの回路をスロットインしている。 DCDCコンバータで3.3Vを生成して駆動している。 気圧、気温、キャパシタの電圧をモニタできる。 Xbeeを除くと、センサ駆動時以外はスリープしていて、0.1mA程度しか消費しないので、今回の電源回路はだいぶ過剰だ。 JPEGカメラとかも駆動できるだろう。 おまけ。 ダイセンのモーターをキャパシタで回したところ。定格3~6Vなので、2V以下だとゆっくり。 ただし30分くらいは平気で回っている。 ロスの少ない低電圧モーターなら、もっと回りそう。 部品  1W太陽電池(OptoSupply製)  http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-05205/ 120Fスーパーキャパシタ    http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-05279/

DSO QUADのサードパーティ製アプリ

オープンソースなオシロ、DSO Quadを 去年の8月に入手した 。 出た当初はバグも多かったけど、最近はファームウェアアップデートを繰り返したからか、だいぶ改善したとおもう。 なんだかんだで趣味の作業には使っている。 最近SeedStudioのWikiを回って見つけたのだが、DSO Quad用に書かれたサードパーティのファームウェアがでてきたらしい。 DSO Nanoでは使い勝手を改良したファームウェアというのがあるとは聞いていたけど、Quadではどうだろうか。 そのあたりが書かれた記事 DSO  Quad For Dummies http://neophob.com/2012/03/dso-quad-for-dummies/ そもそも起動時に押すボタンによって4種類までのアプリケーションが切り替えられるらしい。1種類はオシロとしてのアプリで、残り3つが空き状態なのだろう。 一番左端のボタンはUSB経由のブートローダーだが、横の3つはオリジナルのアプリの起動に使われる。 この記事にはMacでアップデートを行うとFlash領域が埋まってヤバイとあるので、窓かLinuxを使うほうがいいみたい。 ためしに何も入れてない状態で切り替えてみると、●ボタンにはなにか入っている・・・。GUIが違う以外は見たところオリジナルと同じファームのようだが… ほかの■と▲2つは何も入っていなかった。(起動ロゴのままブザー音が永遠になり続ける) せっかくなので上の記事で紹介されていた周波数特性計測とロジアナを入れてみた。 本来のオシロスコープのファームウェアもサードパーティ版があるが、それは本体のスロット1(オリジナルのファーム)を書き換える。 以下2つはオリジナルファームとは違うスロットに格納される。ブートローダーにそのまま放り込んで大丈夫らしい。(どのスロットを使うかはアプリ次第みたいだが) Essential scrap 周波数特性  http://essentialscrap.com/dsoquad/freq.html   slot4 4chロジアナ  http://essentialscrap.com/dsoquad/logic.html  slot3 (あの謎のプリセットアプリはロジアナに...

商用衛星と組み込み通信モジュールとCubeSat

 商用無線でデータを得る経路例として、カバーエリアの広い順に並べると ・人工衛星 ・携帯電話のネットワーク(3G,PHS) ・無線LAN ・近接無線(Zigbee/BLE) となる。  3Gまでは結構一般的になりつつあるけれど、人工衛星に自分で作ったロボットやセンサモジュールをつなぐ手段はあるのだろうか。  組み込み機器で衛星サービスを利用するにはいくつかの選択肢があるので、代表的なものをまとめてみた。ただしホビイスト向けとは言えなさそう…。   通信衛星のコンステレーション 多数の人工衛星を配置することをコンステレーションと呼ぶ。 (コンステレーション=星座) 地球は球体なので、任意の地上の1点から少なくとも1機が上空に見えているために必要な衛星の数は、軌道高度によって変わる。 わかりやすいのは、地上から見かけ上いつも同じ場所に見える静止軌道だ。極域を除いて、理論上は3機の衛星だけで地球をカバーすることができる。 実際の静止軌道は、各国の通信、放送、気象観測といった大型衛星がたくさん並んでいる。 可視範囲が広いことの利点は気象観測や国際通信に生かされている。  国ごとの放送や通信では、いつも同じ位置に見えるという空間的な利点を活かし、電波資源管理の観点から、複数の指向性アンテナを搭載し、特定地域のみに電波を絞ることで、サービスエリアを限定している。  やや低くなって、高度数万kmの中軌道になると、おなじみのGPS衛星のコンステレーションが覆っている。 GPSは高度2万kmの同期軌道を等間隔に周回しており、30機前後の衛星で運用されている。 測位精度を維持するには、最低でも4つの衛星が地上から見えている必要があるためだ。   GPSは衛星数が増えれば精度が上がるので、静止軌道にもSBASという信号を送信している衛星が存在する。 ただ、高緯度地域では静止衛星の仰角が下がり、障害物に隠されてしまう。 日本では準天頂衛星をコンステレーションし、GPS信号を補強する計画が進められている。 さらに軌道を下げるにつれて、衛星から見渡せる範囲は狭まる。そのため、低軌道で地球を覆うには数百機以上必要になるというのは感覚的にもわかる。  低軌道衛星...

LSM303の動作確認

手前のコンパスはビクセンの製品 LSM303はデジタル出力3軸磁気/3軸加速度センサ。 I2Cバス接続となる。 (コンパスを実現するにはMCUでの計算が必要) ブレイクアウトボードがSparkfunから出ている。センサ自体が2電源(1.8V、3.3V)必要だったりするので買ったほうが簡単だろうか。レベルシフタも付いているので5V系マイコンでも使えそう。 http://www.sparkfun.com/products/10703   気象センサとしては必要ないセンサではある。 しかし設置時に方位と傾きが人の手で設定されるとは限らないとしたらどうだろう。 空中散布を考えるならば必要な機能だ。 FemtoCubeはもともと衛星のハードウェアを市販部品で置き換えたらどうなるかという実験台なので、既にワイヤレスでセンサ値を取得する評価環境として完成しつつある。I2Cにぶら下げるセンサの追加は想定していたので、実装もそれほど手がかからなかった。 …場所だけは手こずった。 結局XBee基板に吊り下げることにした。 電子系基板の密集率がすごいことになっている。 真ん中の赤い基板がLEM303 奥の気圧センサと並ぶ形で これで現在、この5cm角の基板が取得する情報は… ・光の強さ(ルクス) ・焦点範囲の色(RGB) ・温度 ・気圧 ・バッテリ電圧、太陽電池電圧 ・3軸磁気 ・3軸加速度 となった。 衛星の機能模擬としてはだいぶ充実した。 最近は9自由度センサ(加速度、ジャイロ、磁気)を備えたワンチップなセンサICが出始めているので、こうした機能を組み込むものがありふれてきた。 例えば、ArduIMU v3  http://www.sparkfun.com/products/11055  これなどはCANSATやローバーに必要なIMU機能を提供してくれるし、基板もとても小さい。 キャリブレーション、方位算出 LSM303については、データシートに色々なレジスタ設定が書いてある。結構設定作業がありそうだ。 傾き補正コンパスの数式や計算方法については、STmicroのアプリケーションノートに丁寧な説明があるので、それを参考にするといいかも。 見つけたサンプルコードを試してみた。(ardui...

FemtoCube 照度センサ実装

遮光した気圧センサ、白いキャップをつけたのが照度センサ 今回は屋外計測の第一歩として、いろいろ対策してみた。FemtoCubeではデモという面もあるので、実用機の設計では場所を優先したセンサ配置を心がけたい。 センサの屋外対策 SCP1000 ・遮光(光で値がずれる問題の回避)  これはアルミ箔で代用している。空気穴を忘れずに。 本当は ガスケット があるらしい。 SCP1000自体は最近秋月以外では売っておらず、ハンダ付けしにくいので、基板設計するときはBMP085を採用したい。 照度センサ ・部品交換と実装 照度センサは当初使おうとしたものが高感度だったため、数千ルクスで飽和してしまった。 今回はフォトトランジスタNJL7502Lを代わりに搭載した。 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-02325/   今度はLEDライトの直下数万ルクスでも値が飽和しなくなった。減光させるためにLED光拡散キャップを取り付けている。 その後直射日光下で校正係数をかけてルクス値になるか試してみた。手持ちの照度計はデジタルマルチメーターMS8209の照度計機能を使っている。 回路 回路図 フォトトランジスタの電流を電圧変換している。 AVRのA/Dコンバーターを1.1Vリファレンス電圧で読み取るため、最大電圧を1Vに制限するための 分圧抵抗を後ろにつけた。 測定結果 縦がルクス、横は時間。お昼に2時間ほど外へ出してみた。 正午過ぎると太陽が当たらなくなる北側なので、途中から2~1万ルクスとなり、日陰の明るさの目安とだいたい合致する。 途中大きく減光しているのは、雲がかかっていたためだ。 10ビットA/Dのため、分解能は200ルクス程度となる。減光フィルターもつけたため、低照度の1000ルクス以下はあまり参考にならない。 OPアンプ回路にして、レンジ切り替えを実装すれば改善できそう。 快晴の青空で12万ルクスと出た。換算が怪しいので、もっとちゃんとした校正をしてみないといけない。 とにかく必要なレンジは手に入れたのでよしとする。  こちらは温度。 直射日光でアクリルケース内が温室状...

エアカウンターS

 エステーから発売されている簡易放射線計。 目的もあって導入。 中身はPINフォトダイオード方式のようだ。 空間線量を測定することに特化している。はじめの2分で予測値を、その後は計測値を更新し続けるようだ。   去年、ポータブルに改造した借り物のSparkfun製ガイガーカウンタは高電圧回路が設計ミスだったり、多湿な日本では故障しまくるなどであまり良い指標にならなかった。 秋月でPINフォトが発売されてからはそちらの半導体式を2つほど試作したが、ノイズの除去が難しく実用には程遠かった。   線源を買うほど入れ込んでいなかったのもあるが… 今回市販で低コストな検出器ということで簡単に使ってみた。    半導体式の弱点として、電磁波や衝撃ノイズで誤検出するというものがある。(ガイガー管も粗雑な扱いができるわけではないが) ためしにノイズをまき散らしているACアダプタに近づけると誤検知して検出限界を突破した。 携帯も動作によって誤検知の原因になる。 持って歩いていても衝撃で数値が上がってしまうので、静かに持ったり置いて測るのが正しいやり方だ。 身の回りの線量はほとんど検出限界以下で、水たまりや側溝などでちょっと上昇する程度だった。 公園での数値を測ってみたが、公表されている線量とだいたい同じといえた。 そもそも検出限界付近だと捉えられるガンマ線が少ないので、短時間の測定だとかなり表示線量には幅がでてしまう。  一般的な使い方としては、無駄に線量の高いところが無いかだけを確認することに特化しているといえる。 とある 土地の線量がそれほど無いことを証明するための簡易検査用途とかとか。ちょっとしたリスク回避材料として使うことになりそう。     運動公園の干からびた調整池を見に行って、よく見たら土を入れ替えた形跡が見えたりして、もしかすると対策されてるんだなあということに気づいたりした。 

IKEAのLEDライト

IKEAの店内空間はCGに入り込んだような不思議な雰囲気がある。  家具から小物に目を移すと、電子工作視点でみてもおもしろいものがたくさんある。 ケースになりそうな容器もいろいろだ。 単純な形や、素材の色をそのまま出した製品が多いので、創造性に訴えかけてくるものがある。 照明用LEDを使った電池式ライトがいくつかあるが、その中でも太陽電池式だったり手回し発電だったりするものを選んでみた。 デスクライト ソーラーデスクライト まずはデスクライトから。 土台に太陽電池とバッテリが内蔵されていて、このユニット部を日向においておけば夜は3時間ほど明かりを取れる。 結構実用的だ。 多結晶を11直しているのでおよそ6V位出ていた 太陽電池と電池パック部は取り外せる。充電時はモジュールだけ外に出せる 中の充電回路は太陽電池と逆流防止ダイオード一つ、ニッケル水素電池3セルという呆気無いものだった。 リチウム電池よりは完全放電に神経を尖らせなくてよいので、電池を使い切ったらまた充電に回すという割り切った運用を想定している。読書灯としてもかなり実用的だといえる。  次はフォルムからして怪しいムードライト? これも太陽電池がついている。 太陽電池&バッテリ部はカートリッジのように分離可能。  ライト部はフルカラーLEDで、電源スイッチを押すたびに白色モードとイルミネーションモードの2種類が切り替わる。 ニッケル水素は1セルなので、昇圧してるらしい。 これはそんなに明るくはない。 謎のフォルム 最後に手回し発電ライト。 これもしっかりした作り。フォルムが気に入った。 おそらく電気二重層キャパシタとモーターを組み合わせている。LEDは3つ搭載されているようだ。 30回まわすと2分半程度明るく点灯する。 手回しLEDライト 非常時って感じ 3つに共通するのは、設計に防滴加工があること、作りがしっかりしてること、そして安いこと。 IKEAの脅威の製品としては便利な多機能置き時計があるのだが、これも500円以下で売られているし、全体的に大量生産のスケールメリットを活かしまくっている感じ。 充電してみた。(デスクライトのモジュールが取り外せると気づく前の写真) COTS ?   デスクラ...

ライフログ

FemtoCubeを移動時に鞄に放り込み、移動時間の間ずっと記録してみたものを、GoogleDocsのグラフ作成機能でトレンドとして表示してみた。 上から、バッテリ、カラーセンサのRGB値(12bit)、SCP1000の温度と気圧の順となっている。3秒間隔でだいたい1時間半程度のスパンを持つ。 シリアルSDロガーの消費電力分が加わっているので、本来の運用ではもっと緩やかに電圧降下するだろう。今のままでも一日は持ちこたえそう。 カラーセンサは今回WayPointの記録用に使った。ピークは乗り込んだ駅と降りた駅で鞄から取り出して明かりに当てた様子を表す。 温度はだいたい鞄の中の温度となる。 最後は外に出し、部屋に置いたのでだんだん低下していく。  気圧は高度を表す。途中地下を経由するので、その高度変化が高くなる方へ現れている。 これに加速度とか加えると楽しそうだ。そしてディテールを増やしすぎて生活が駄々漏れに・・・  記録をこうしたグラフにするだけでなく、一日のログから消灯時間が勝手に決まるスマート住宅とか(やや迷惑だが)、蓄積したデータから何か現実や行動者自身にフィードバックがかかるものも面白いだろう。生活リズムから健康診断するとかそういう用途は、今あるスマートフォンとかでも十分できそうではある。ライフターゲティング広告ビジネスとかとか。人がアフィリエイトを稼ぐために運動し外出する時代はもう来ていたのだ・・・(完) ********** オムロンのPC連携できる歩数計 上を書いた後で、新古品として見つけた歩数計。 最近の歩数計は加速度センサで歩行リズムの周期だけを取り出してカウントするらしい。 オムロンの製品はRFIDによる非接触データ通信に対応していて、一日ごとのデータを会員制サイトにアップロードできる。同じ仕組み(WirelessLink)に対応した体重計と血圧計もあるようだ。 ライフログに重点を置いたヘルスケア製品はどんどん増えていくだろう。 通信端末もNFCやBT4LE規格などによってより柔軟な機器連携をするようになりつつあるので、体重計や血圧計の管理画面がスマートフォンアプリ、という形態は容易に想像できる。 ライフログの悪用の危険性についてはどうなのだろう。 歩数も体重も心拍も、日付以外にGPS...

FemtoCubeの外装とA/D周り

12月と比べると見た目はあまり変わってないけど、中身のほうがだいぶ完成したFemtoCubeプロトタイプ機。この機体は最初から宇宙志向では無いので(考え方は流用したが)、気圧センサや地上仕様の照度センサなどを実装して、ワイヤレス気象センサとしての作り込みをすすめている。 過去作のローバーなどは、ひとつのマシンの制作にはそれほど時間をかけて来なかったけれど、それに比べると今回は回路的にだいぶ充実した構成になった。 プロトタイピング病を回避するために、ATmega328Pでできること(I/Oピン)という制限を課し、外形を制限してたけど、結構うまくいったと思う。 50mm角のキューブケースに収めるという制約は健在。 観測センサが一段落ついたので、タイムスタンプ用RTCと照度計、回路電圧などの計測chを実装した。RTCは秋月のものを基板の端っこに立てて取り付けている。 ブロック図 電源周りなどがまだ未完成だけれど、だいぶ完成形に近づいてきた。 A/D周り 照度、回路電圧、太陽電池発電電圧はAVRのA/Dを使う。内蔵Ref1.1Vに設定したので、測定電圧は抵抗分圧で電圧変換した。手持ちの1MΩ台の1608抵抗などを動員する。 電源電圧については、現在はバッテリから直に取り出しているため非安定化バスとなっている。電子系はDCDCも搭載していない状態だが、4.2V~3.0V程度でなら回路の動作範囲なので、回路電圧(=バッテリ電圧)を監視しておき、照度センサなどの電圧依存なセンサのために補正値を提供するという対応でよさそうだと判断した。(4.2V側が若干高めなので、3VくらいのLDOを挟んでもいいかもしれない・・・) 照度はS9706の電源端子と共用だが、明るさによっては電流がポートの許容範囲を超えそうで怖い。 とりあえずセンサ電源OFFでクロックダウン中の消費電流は実装前とあまり変わらずに済んでいる。 奥に立ってるのがRTC カオス配線 電源系と電子系あわせて 電源についてはバッテリを大容量Li-ion生セル(880mA)にした。そうなるともともと小容量バッテリ向けのLTC4071では負荷がキツくなったため、FETなどのディスクリート部品で充放電回路を実装することにする。 生セルなどは扱いを...

物語駆動開発

※脈略のない話です。 組立中の本物の人工衛星を見る機会に恵まれていたこともあり、時々、「陸にあるときの衛星ってなんて呼べばいいんだろう」というロクでもない思考を始めることがあった。  人工衛星という単語自体は、まず天文学的な定義がある。惑星をまわる物体を衛星といい、中でも人が打ち上げたものが該当する。 速度的には第一宇宙速度に達したものとなる。(速度を得るのはロケットの仕事だけれど)  冒頭のどうでもいい疑問については、宇宙機(SpaceCraft)という上位の言葉が用意されている。手のひらサイズのキューブサットから、大型衛星、惑星探査機まで含まれる。人工衛星の制作現場では、単に「衛星」と略されるため、はじめは混乱する。地上でいえば、携帯電話とその携帯基地局くらい規模の違うシステムが含まれている。  衛星って一般的にどう理解されているのか。その思いはMAKE会場で展示に興味を持ってくれた人の衛星観を見聞きしてきた中でだんだん育っていった。 普段衛星技術そのものを考えたことのない人が衛星について抱くイメージを知るチャンスってなかなか無い。 大学衛星も時折ニュースにはなるが、それほど数は多くないので、まったく知らない人が多いだろう。  軌道には決して投入されない模擬衛星実験や高層気球でも衛星と混同するような説明の文章をたまに見かける。(これは英語でも見かける)、広報媒体で採用される言葉には公報用語的な飛躍が見え隠れすることも多いので、さらに混乱を招いているかもしれない。  話を交わした中で、特徴的な誤解には以下のようなものがあった。 ・ロケットが打ちあがった姿でそのまま回っている ・地上から昇っていく ・静止衛星の一種 衛星の立場から見て、上の誤解の中でやや懸念したのが、「地上から昇っていく」という認識だった。 実際には第一宇宙速度を稼ぐロケットがあってはじめて、衛星は軌道を巡ることができる。 ウェブではしばしば高高度気球がバルーンサットと紹介され、そこに載せた搭載カメラのHD映像が大手ブログサイトなどでも取り上げられて結構有名になった。 メディアの書き方をみると、気球と衛星を混同している人は結構いるらしい。 ということで、低軌道衛星というものはどうもスルーされている気がする。(その事実...