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GPSでロボットのお散歩

河川敷公園でSpinnerではじめてGPS誘導をしてみた。
頼ってる情報はまだGPSだけだが、はじめての外部操作無しの走行となる。といっても誘導ソフトウェアは借り物をカスタマイズしたので、いずれは自分で書かないと…。

試験走行1回目の結果
進路変更操作の履歴。

OpenLog(SDロガー)に制御点しか記録していなかったため、走行進路操作された時点のみのプロットしか残らなかった。そのため軌跡がカクカクしている。(次はNMEAセンテンスも記録しよう…)
XBee経由でGPSの生データもテレメトリしていたのだが、途中でやってきた熱心なおじさん相手にアウトリーチしていたところ、Spinnerが圏外に出てしまってログが途切れてしまった。 話してる最中にゴールポイントにたどり着いて停止するSpinner。とりあえずプレゼンは成功に終わった。

ソフトウェアの調整がまだなので、航跡が何故かカクカクしてしまった。 カーブで曲がり過ぎているようだ。
スタートは意図的に別の方角へ向けていたが、途中で曲がり過ぎてしまい、進路が外側に張り出している様子が解る。 今は単純にGPS座標から計算しているため、自分の進む方向を知るために少し走る必要がある。もともと時速5キロ以上のマシンで使われているアルゴリズムなので、時速1キロでは差分の精度が出なかったようだ。 取得回数を調整したり、方位センサを組み合わせれば、進路の決定精度は上がる。

我に帰ってまわりを見渡すと、犬を遊ばせる人たちや散歩する家族が平和な夕暮れを謳歌している。 車輪型ロボットを遊ばせる飼い主が混じっている以外は何もおかしくはない。

・・・ノートPC片手に歩き回るのはどうしても浮いてしまうので避けたい。(でも便利)
改良点としては、脱ノート化ということで、ゴール地点に置いてボタン一つで座標を記録、スタートしたらそこへ辿りつくというシンプルなUIにしたい。 あるいは、座標まで行ってカメラで写真をとって帰ってくる、とか。 DIYdroneの地上版である。 
 
ところどころ荒れた芝生だったけど走行にはほとんど影響なし

そしてきれいな夕暮れであった・・・

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Arduino Nano Everyを試す

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CANトランシーバーを使わずにCAN通信をする

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