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オシロ導入(DS1054Z)

RIGOL社の低価格オシロ、DS1054Zを購入。 趣味で使うには十分すぎる機能がそろっている。 5万円前後だとほかにもいろいろあるけれど、音声帯域の信号や突入電流などのアナログ波形を見ることに使いたかったので、波形の64階調の表示が可能なこの機種にした。 Aliexpressで発注して、1週間ほどで届いた。 梱包を取り除くと、開けたての電子機器のにおいが漂う。筐体は思っていたよりも小さかった。 おなじみのAM変調波形をWaveGeneで作成して入力。 動作中、冷却用のファンの音がそれなりに聞こえる。 20cm距離で環境音+20dBくらい。 風量を多めにしている様子。  あとはDDSを引っ張り出して、正弦波を25MHz程度まで入力してみたりしたが問題はなかった。 プローブのテスト用の方形波出力をみたもの FFT AD5700によるFSK

CAL.430FRの開発(7) ADXL362のテスト

CAL.430FRにはADIの3軸加速度センサ ADXL362を搭載してます。 SPI接続で、動作時でも数μAしか消費しません。 コイン電池にはうってつけです。 割り込み出力が2系統あり、振動トリガ、ジェスチャ検知といったレジスタが用意されています。ふるまい検知によってマイコンを起こし、タスクを実行させるといった使い方で、消費電力の削減ができます。 とりあえず、動作確認のために前回紹介したEnergia IDEを使い、ライブラリを利用してADXL362を動かしました。 画像は1Hzで各軸と温度センサの値を画面に表示させています。 Energiaで書いたプログラムを動作させる場合、特にスリープといった処理は入っていないので、CR2032で動かしてもそれほど保たないはずですが、この記事を書いている現在で2週間ほど動作し続けています。 電池電圧の降下率が上がりはじめたので、そろそろ放電カーブの曲がり角に近づいてきているみたいです。 電池からダイオードを挟んでいるため、0.3Vほど電圧降下している分、最後はやや使い切る手前でMSP430のBORが働くことになります。 CAL.430FRのセンサ情報ですが、ADXL362の3軸加速度、温度の他に、MSP430FR内蔵の温度センサ、分圧された電源電圧が取得できます。 外付け部品無しにコイン電池の電圧もわかるので便利です。 

バッテリレスデジタルウォッチ AL-190W

カシオのバッテリレス腕時計 AL-190Wを買ってみた。 逆輸入モデルで、チープカシオと呼ばれる価格帯の製品。 太陽電池が文字盤の半分を 堂々と 占めている。  今時のソーラー腕時計は、安価なモデルであっても透過性の文字盤の裏に隠すのがあたりまえになっているので、とてもあからさまにソーラーである。 メモリ液晶な腕時計を作るまでは特に興味無かったけれど、 最近これがかっこよく見えてきた。  技術的には、バッテリレス の回路構成にも少し興味がある。 太陽光のみで稼働する様子は、デザイン的にも宇宙機を思わせる。 この時計、バンド固定にはバネ棒が使われていて、一応 18mmに対応している。 ただ、 ウレタンバンドのつけごこちはとてもよい。 高校時代に使い続けていたMQ-24と同じく、つけていることを忘れる。 個人的理由としては、腕が細いのであまり大きな時計が似合わないということもある。  バッテリレスというのは、電池ではなく電気二重層コンデンサが入っているという意味だ。こまめに充電さえすれば電池寿命をほとんど意識せず動き続けるという。カタログ値では、一度のフル充電で2週間動作し続ける。  開封直後で充電前の状態であっても、時計は起動した。 表示するだけなら、キャパシタの残電圧とは関係がないようだ。 充電電圧が低いと、残量警告マークが表示される。 分解をしてみた。細かいバネ構造がスイッチを兼ねていたりするので、無理なテンションをかけないよう慎重に取り出す。中のモジュールは3274というモデルで、ややデザインの違うHDD-S100というモデルと共通。 元に戻す時は、金具とスイッチの位置に注意が必要だった。パッキンの埃も綿棒などで取り除き、可能ならシリコンオイルを塗布する。 本来ならCR2032でもありそうな位置に、コインセル型のスーパーキャパシタが金具で固定されている。シールの型番には、EECE0EL205Nとある。 Nを除いて検索すると、データシートがヒットする。 パナソニック製で、2.5V 2Fのものがそれっぽい。 表のアモルファス太陽電池は5直列と思われるので、2.5Vが開放電圧となるはずだ。 キャパシタの満充電電圧に合わせてある。 ...

TNC-22の修理

骨董品なタスコのTNCを見つけた。 古びた金属筺体のネットワークHubの山にTNCが紛れ込んでいるというパターン。 324円だった。 TNC自体はモデムも含めて、PCで完結するソフトウェア実装のほうが性能は良いため、実用面での必要は無くなってしまっている。  (大学衛星の地上局では、コマンド用にまだ現役だったりするけれど…) TNC-22は、DIPとリード部品のみで構成されているわかりやすい作りで、Z80の周りに74シリーズがたくさん並んでいる。 今ならマイコン一つに収まる回路規模だ。  ためしに12VのACアダプタを使って、スイッチを入れてみると、LEDが一瞬光るだけで、通電が途絶えてしまう。 ネットにアーカイブされていた取説を読みながら、バックアップ電池を交換し、RS-232を結線して、ちょうどその場にあったシグマリオンにつなぐ。  スイッチを押しこみ続けると電源がついたままになり、ブートメッセージが表示されるので、電源スイッチが故障しているらしい。 内部の清掃がてら、ハンダを吸い取って基板からスイッチを取り外し、機構を分解してみた。 内部接点が錆びている。 研磨することで通電を確認できたので、元に戻した。  改めてブートメッセージを読んでみると、ROMのソフトウェアは自分の生まれた年に書かれたもののようだ…。   送信ラインをモニターすると、おなじみのBell 202なピガー音が聞こえる。  受信については、ハンディ受信機を接続して、APRSパケットを入力し、音声レベルを調節しているうちに受信に成功した。  パケット通信をしたことある人達の文章を読むと、やはり1200bpsでは遅いという記述が多くて、アマチュア衛星の運用を思い出すのであった。 低軌道衛星との通信は距離がダイナミックに変化する。 まとまった大容量データをやりとりするのはかなりしんどい作業だった。  意外だが、アマチュア無線のパケット通信とイーサネットはどちらもALOHANETというプロジェクトを祖先に持っている。   

ジャンク HP200LXの修理

 HP200LXをハードオフのジャンク箱(ゴミ箱)から発見。 540円だった。 存在は知っていたけど、見るのはじめて。 コンパクトなので、よく見つかる古い電子辞書と誤認してスルーしそうになった。 単三電池2本で長時間稼働するモノクロ液晶のDosモバイル機だ。一度手に入れてみたかった。 モノクロ機といえど、20年の歳月はハードウェアの劣化として現れる。 液晶は中央が変色し、 樹脂筺体は脆くなり、ネジ固定部が2箇所割れていた。  幸い、電池を入れた所、初期画面らしきものが表示された。液晶が変色して見づらいけど、回路は問題ないようだ。  コミュニティ情報がかなり豊富なので、故障事例と修理例がたくさんある。とりあえずバラして、筺体の割れた箇所をエポキシ樹脂で補修した。 液晶の応急処置 ビネガーシンドロームが発生してしまった液晶は、偏光板と接着面を剥がすしかないようだ。 ドライヤーで温めてから偏光板を剥がす。 剥がした瞬間、酸っぱい匂いが強烈になる。 ゆっくり剥がしてみたが、変質した接着面がガラス上に残ってしまった。  ハンズの偏光シートを置いてみると、接着面とガラス面で色が違う。 モノクロ液晶の接着面には光学材料が含まれているらしく、除去してしまうと元のコントラストを取り戻すことはできないようだ。 見えないよりマシなので、接着剤落としで溶かしつつ、すべての接着剤を取り除いた。  左右の金属フレームの隙間に溶剤が残ってしまうので、気になってフレームを外して掃除した。 ハンズの偏光シート(接着剤無し)をちょうどいい角度で切りとり、上からスマートフォン用アンチグレア保護シートを貼って固定した。 液晶の裏には、ラインドライバのQFPがたくさん並んでいる。なかなかお目にかかれない構成。 このQFPもハンダ不良を起こしやすいようだ。 組み立てなおした直後は、ライン抜けが多発していたので、何度かはめ直したり、ハンダを載せ直してなんとかライン抜けを解消した。 コントラストが低下したため、周りが明るくないとやや見にくい。 イカから逃げる迷路ゲーム(プリセット) なかなか本格的なターミナルとして使えるので、端子用のアダプタを作成中...

CAL.430FRの開発(6) Energia IDEでうごかしてみる

製作中のCAL.430FRですが、MAKE:Japanのブログで取り上げてもらいました。 プログラマブルムーブメントという名称を頂いて、もやもやと作ってたものを一言で表現してもらえました。 ********** ちょっと忙しくて間があいてしまった。 一旦省電力化のための実装から脱線して、汎用マイコンとしての使い勝手を増してみた。 Energia IDEでの開発環境をととのえる  Energia IDEは、ArduinoAPIも1.0に対応していて、Arduinoライクにてっとり早く動かすのに向いている。  ただし、EnergiaにはCAL.430FRで載せたMSP430FR5949用の定義ファイルは存在しないので、自分で用意する必要があった。  (CCSv6では、Energiaを呼び出して、スケッチを編集する機能もついている)  実際は割と簡単で、FR5969との違いはI/O数だけなので、ボード選択をFRAM LaunchPadとしてビルドしてもアップロードできてしまう。  そのままではAPI上のピン番号定義がFR5969用のままなので、pins_energia.hを改変し、CAL.430FR用のボード定義を新しく作成した。 ということで、Energiaで試せるようになった。 ついでにピンマップを作成。  Energiaで編集したSharpMemoryLCD ライブラリのサンプルを動作させてみた。 これは単なるタイマ周期なので、RTCを使いこなさないといけない…。 ドライバを理解するには、Arduinoスタイルだととっつきにくい。 とりあえず、SPIバスにつないだ加速度センサを動作確認する予定。

CAL.430FRの開発(5) 組み上げ

基板が揃ったので、組み立てを完了。 ベース基板が到着。 CAL430FRは1mm厚の基板だったけど、こちらは構造部材としての強度確保のために一般的な1.6mm厚で発注したもの。  DF12コネクタにから引き出した端子を2mmピッチのコネクタに変換している。Arduinoのシールド的に、基板を積んで機能拡張を繰り返すとどんどん背が高くなるシステムだ。  この基板では部品面にはコネクタ以外の部品は無いけれど、CR2032のホルダが干渉する部分以外の場所には、高さ2~3mm程度の部品を実装する余地がある。 今回コネクタは4mmの高さのものを選択したので、高さ方向の余裕は少なめになっている。 G10ストラップを装着。問題はなさそうだ バネ棒を取り付けてみる バネ棒を取り付けるため、基板加工してみた。ストラップホールの長穴をカットして、出っ張りに1mm刃を取り付けたピンバイスで横穴あけを行う。 穴はセンターポンチで位置決めした。  刃を斜めにしか当てられないので、両側とも1ミリほど掘り下げた程度だけど、結構しっかりと取り付けることができた。これで20mm幅のバンドにも対応できる。 (まだ持ってないけれど) 2タイプ  中央の長穴は、コイン電池の押出し用に設けてみたもの。 よほど短期間にバッテリを消耗するプログラムを書かなければ、いらないかも。 MSP430は、多彩な電力モード、クロック源があり、まだDriverLibのマニュアル片手にサンプルプログラムを修正して触り始めたところだが、まずはサンプルにあった、グラフィックライブラリによる画面描画後、すべてのクロックを停止するLPM4に移行させた。デバッグ中、EnergyTraceにて、FreeRunさせた計測では、停止中はおよそ60μAほど流れている。 1Hzで何かを表示すると、120日以上は電池が保つようだ。 次はLPM3.5、RTCのレジスタ設定、カレンダー割り込みによる間欠駆動を試そう… 外装については、また後日考えることにする…。 

LED腕時計(108円)

ダイソーでLED腕時計が売っていた。腕時計というには大きめだけど面白そう。   タッチといいつつ、スイッチを押すと4秒だけ時刻が表示される仕組み。 お約束の分解。 やや不穏な手触りのシリコンバンドは本体構造も兼ねていて、中には丸い基板が収まっていた。スマートウォッチっぽいデザインは後から決まったかのような…。 基板面までは普通の見た目だった。 よく見るとコイン電池に絶縁用シートとバネ金属が貼り付けられている。どちらかと言うと基板側にあるべきかも…。 LED側については、最初チップが見えなくて焦ったのだが、よく見ると空中配線らしきものがある。 手持ちのGX200のマクロで撮影後、拡大したものがこれ。 ワイヤボンディングがみえる。 全部剥き出しの状態だ。 裏のICのように、シリコンダイを基板に載せてワイヤボンディングしたあと、黒いエポキシで封入するのはコストダウンされた基板ではおなじみだけれど、一切保護しないというのははじめて見た。おそるべきコストダウン手法 光らせてみると、ちゃんと機能していることがわかる。 ただ、写真の時点で右上の一つが破損してしまっていた。 ちょっとでも触ったらアウト。 触っただけで壊れるから、これを元通り枠にはめて組み直すのにも細心の注意が要る。 潰れたLEDは、 1005サイズの赤色チップLEDがたまたまあったので、実装してみた。 一応1005のパターンも存在している。  気になって調べると、ほかの激安LED腕時計の中身と部品の構成が似ていた。 http://dangerousprototypes.com/forum/viewtopic.php?f=2&t=5541 低コストなワイヤボンディング設備だと、ダイの実装は人が行い、ワイヤボンディング自体は画像認識を備えた機械実装で行われているらしい。 LEDのダイは小さすぎるので、全部機械実装している気もするけど… 量産は奥が深い。

CAL.430FRの開発(4) メイン基板の到着

FushionPCBに発注したメインの基板が到着したので、MSP430FR周りだけ実装して動作確認をした。 最小の5x5cm枠なので、10枚(12枚入り)作ってもらって送料込みで13ドルほど。 36mm角の実物は小さいなぁ…  目視確認してみると、7mill、ドリル0.3、ビア0.6というデザインルールでギリギリな感じ。貫通穴の誤差は基板によってばらつきがある。もうちょっと余裕をもたせたほうが良いかも。 実装を始める。まだ発注してない部品は未実装。 反省点としては、マイコン周辺の1005抵抗とコンデンサを密集させすぎたので、やや置きにくかったこと。 たいていはちゃんとフラックスを塗って、ピンセットで少しずつつつけばセルフアライメント(手動)されるので問題はないけれど…。 QFNもフラックスと予備ハンダ、吸い取り線があれば大丈夫。 一応動作確認は完了。 コネクタと下駄基板が揃うまではUEW線でLaunchPadのデバッガと接続する。 仮組み  システム的にはPNLC方式とTFT方式のメモリ液晶どちらも対応しているが、PNLCのほうはやや寸法が大きいので、基板のネジ穴を掘って、ネジの頭を埋め込ませる必要がありそう。 腕時計ブレイクアウト基板の厚紙モックで大きさ確認 M2の0番ネジ、4mmスペーサによる仮組み。 G10ストラップは相変わらず装着するだけで様になる。

CAL.430FRの開発(3) 構造検討

基板を構造部材として使う。 ・風防、化粧板 (アクリル) ・CAL.430FR (PCB t= 1.0mm) ・ケース (ABS 3Dプリント? 4mm) ・Watch Breakout (PCB t=1.6mm) 電気的にはCAL.430FRで完結しているため、拡張基板が腕時計としての構造を担っている。 ケースは最初基板すべてを包む構造を検討していたけど、間にサンドイッチしてしまうことにした。 防水性などはあまり考えない方向で…。