日々の開発の途中、息抜きで多肉植物のための自動照明植木鉢を作っている。単体で卓上栽培できる全自動化が目標だ。 動機 多肉植物は、季節によって必要な日照量がかなり変化する。 また日本の多湿な気候ではかなりデリケートなものが多い。日照が少なければ徒長してしまうし、水の量を間違えても腐ってしまう。 水はスケジュールに従い、むしろ水やりしすぎないようにすればいいけれど、日照管理は窓辺など場所が限られてしまう。 そもそも観賞したいのに、窓辺に遠ざけるのも悲しい。 単純にLED灯で栽培する例はいろいろあって、多肉専用のおしゃれなLED照明(USB 5V給電)なども売っている。フレキシブルなLED灯を改造し、栽培灯の自作もしたけれど、手動で点灯管理する必要があり、一鉢しか育てられないため、株個体が増えてきた場合にその都度5V電源が必要になってしまう。 電源の問題はレイアウトの自由度に直結する。 システムのスケール問題を解決するには、初めから対応した設計が必要だ。 まずは、一株程度を植えられる容器を3Dプリンタで出力。個々のパーツをジュラコンスペーサで積み上げる方式。 コントローラは試作したAdafruit ItsyBitsy専用拡張基板を流用。単体で栽培時の環境モニタやリソース管理のために必要な拡張に対応している。 もともとデイジーチェーン方式のバス式接続規格の研究用にこしらえたので、この基板も多数の同規格の基板を連結することができる。システムとしては一つの通信バスでシーケンスを可視化し、異常なボードは電気的に切り離し、プログラムバスで一か所の接続点から全基板を書き換えできる。 ItsyBitsyボードにはもともとNeopixel駆動専用のポートが用意されていて、DMAで点灯制御ができる。 ただし、今回は複雑なパターンを点滅させるわけではない。色温度調節、輝度調整、点灯、消灯制御がメインだ。 スイッチも要らず、コントローラ一つでポットの数だけ照明をデイジーチェーンすることができる。スケーラブルなポットとして必要な要素だ。 サンプルを実行した結果ゲーミングPCのように虹色に輝く多肉植物というサイケデリックなものが出現してしまった。直ちに単なる照明としてのコードに替える。 16
kent`s prototyping memorandum