2015/05/10

TNC-22の修理


骨董品なタスコのTNCを見つけた。
古びた金属筺体のネットワークHubの山にTNCが紛れ込んでいるというパターン。 324円だった。

TNC自体はモデムも含めて、PCで完結するソフトウェア実装のほうが性能は良いため、実用面での必要は無くなってしまっている。  (大学衛星の地上局では、コマンド用にまだ現役だったりするけれど…)

TNC-22は、DIPとリード部品のみで構成されているわかりやすい作りで、Z80の周りに74シリーズがたくさん並んでいる。 今ならマイコン一つに収まる回路規模だ。

 ためしに12VのACアダプタを使って、スイッチを入れてみると、LEDが一瞬光るだけで、通電が途絶えてしまう。

ネットにアーカイブされていた取説を読みながら、バックアップ電池を交換し、RS-232を結線して、ちょうどその場にあったシグマリオンにつなぐ。 

スイッチを押しこみ続けると電源がついたままになり、ブートメッセージが表示されるので、電源スイッチが故障しているらしい。

内部の清掃がてら、ハンダを吸い取って基板からスイッチを取り外し、機構を分解してみた。 内部接点が錆びている。 研磨することで通電を確認できたので、元に戻した。 

改めてブートメッセージを読んでみると、ROMのソフトウェアは自分の生まれた年に書かれたもののようだ…。 
 送信ラインをモニターすると、おなじみのBell 202なピガー音が聞こえる。
 受信については、ハンディ受信機を接続して、APRSパケットを入力し、音声レベルを調節しているうちに受信に成功した。

 パケット通信をしたことある人達の文章を読むと、やはり1200bpsでは遅いという記述が多くて、アマチュア衛星の運用を思い出すのであった。 低軌道衛星との通信は距離がダイナミックに変化する。
まとまった大容量データをやりとりするのはかなりしんどい作業だった。

 意外だが、アマチュア無線のパケット通信とイーサネットはどちらもALOHANETというプロジェクトを祖先に持っている。
  

ジャンク HP200LXの修理


 HP200LXをハードオフのジャンク箱(ゴミ箱)から発見。 540円だった。 存在は知っていたけど、見るのはじめて。 コンパクトなので、よく見つかる古い電子辞書と誤認してスルーしそうになった。

単三電池2本で長時間稼働するモノクロ液晶のDosモバイル機だ。一度手に入れてみたかった。


モノクロ機といえど、20年の歳月はハードウェアの劣化として現れる。 液晶は中央が変色し、 樹脂筺体は脆くなり、ネジ固定部が2箇所割れていた。
 幸い、電池を入れた所、初期画面らしきものが表示された。液晶が変色して見づらいけど、回路は問題ないようだ。
 コミュニティ情報がかなり豊富なので、故障事例と修理例がたくさんある。とりあえずバラして、筺体の割れた箇所をエポキシ樹脂で補修した。

液晶の応急処置

ビネガーシンドロームが発生してしまった液晶は、偏光板と接着面を剥がすしかないようだ。
ドライヤーで温めてから偏光板を剥がす。 剥がした瞬間、酸っぱい匂いが強烈になる。

ゆっくり剥がしてみたが、変質した接着面がガラス上に残ってしまった。


 ハンズの偏光シートを置いてみると、接着面とガラス面で色が違う。 モノクロ液晶の接着面には光学材料が含まれているらしく、除去してしまうと元のコントラストを取り戻すことはできないようだ。

見えないよりマシなので、接着剤落としで溶かしつつ、すべての接着剤を取り除いた。


 左右の金属フレームの隙間に溶剤が残ってしまうので、気になってフレームを外して掃除した。
ハンズの偏光シート(接着剤無し)をちょうどいい角度で切りとり、上からスマートフォン用アンチグレア保護シートを貼って固定した。
液晶の裏には、ラインドライバのQFPがたくさん並んでいる。なかなかお目にかかれない構成。 このQFPもハンダ不良を起こしやすいようだ。 組み立てなおした直後は、ライン抜けが多発していたので、何度かはめ直したり、ハンダを載せ直してなんとかライン抜けを解消した。


コントラストが低下したため、周りが明るくないとやや見にくい。

イカから逃げる迷路ゲーム(プリセット)

なかなか本格的なターミナルとして使えるので、端子用のアダプタを作成中。
 拡張用のPCカードについても、SD/CFアダプタを持っているのでなんとかなるだろう。 電池の心配があまりいらないモバイル機っていいなぁ。

PCカード型SDカードアダプタを使い、64MBのSDカードを認識させてみた。 2GBのmicroSDカードもOKだった。 このへんの周辺機器は、WindowsCE機をレストアして遊んでいた時に揃えたもの。

2015/05/03

CAL.430FRの開発(6) Energia IDEでうごかしてみる

製作中のCAL.430FRですが、MAKE:Japanのブログで取り上げてもらいました。
プログラマブルムーブメントという名称を頂いて、もやもやと作ってたものを一言で表現してもらえました。

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ちょっと忙しくて間があいてしまった。
一旦省電力化のための実装から脱線して、汎用マイコンとしての使い勝手を増してみた。


Energia IDEでの開発環境をととのえる

 Energia IDEは、ArduinoAPIも1.0に対応していて、Arduinoライクにてっとり早く動かすのに向いている。
 ただし、EnergiaにはCAL.430FRで載せたMSP430FR5949用の定義ファイルは存在しないので、自分で用意する必要があった。

 (CCSv6では、Energiaを呼び出して、スケッチを編集する機能もついている)

 実際は割と簡単で、FR5969との違いはI/O数だけなので、ボード選択をFRAM LaunchPadとしてビルドしてもアップロードできてしまう。

 そのままではAPI上のピン番号定義がFR5969用のままなので、pins_energia.hを改変し、CAL.430FR用のボード定義を新しく作成した。


ということで、Energiaで試せるようになった。

ついでにピンマップを作成。 




Energiaで編集したSharpMemoryLCD ライブラリのサンプルを動作させてみた。
これは単なるタイマ周期なので、RTCを使いこなさないといけない…。 ドライバを理解するには、Arduinoスタイルだととっつきにくい。

とりあえず、SPIバスにつないだ加速度センサを動作確認する予定。