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12月, 2010の投稿を表示しています

みちびき(QZSS)対応のGPSチップはすでに普及している?

日本のGPS補強衛星「みちびき」が移動体で3センチという高精度測位を実現したというニュースが出てしばらくたった。 ロボット的な応用分野としては気になるみちびきへ対応したGPS受信機の出現と、高精度測位が一般に普及する日はいつ来るのだろう。 (追記 一般的な利用では誤差1.5m程度とのこと。ただし、天頂付近という高仰角にGPS衛星がひとつ増えるということは、都市部で測位精度が向上するということなのでメリットは多い)  実はすでに「対応したGPS受信機」を搭載した製品は出荷されている。 たとえばドコモの展開する「Galaxy S」、「Galaxy Tab」は、Bloadcom社がQZSSへの対応を表明したGPS受信LSI「BCM4751」を搭載していた。( 分解記事 ) といっても、みちびきを受信できたという記事やレポートはまだあまり見当たらない。  GPS衛星は搭載された高精度な原子時計を基準として、地上に自らの軌道情報と時刻を放送している電波灯台だ。 モバイル端末が搭載するGPS受信機は、受信して得られたGPS衛星群の時刻と軌道情報を元に、受信した端末の座標を計算し、緯度、経度、高度を出力する。計算に使える衛星の数が多いほど、精度が上がっていく。  現在のGPS受信機は小型化が進み、GPS信号の増幅、復調、計算までワンチップでこなすようになった。モジュールやICも様々な会社が生産している。 GPS衛星は一つ一つが識別コードを持ち、受信機はそれを解読する。  従来のGPSモジュールでは、みちびきに割り当てられた新しい識別コードを取得する設定が無いため、そのままでは情報を使うことが出来ない。  同様に独自GPS(欧州のガリレオ、露のGLONASSなど)も、利用するにはそれぞれのデータ形式や、周波数に対応したアンテナ、ハードウェアが必要となる。 端末も、GPSモジュールの生成した計算済みのデータ(NMEAフォーマットなど)を受け取るだけなので、端末側が頑張っても、GPSモジュールが対応しないと受け取ることができない。 モジュール自体の設定やファームウェアを書き換える必要があるが、これは普通GPSモジュールが出荷される前に書き込まれるものなので、専用GPS端末でないと、既に出荷された機器で対応することは無いだろう。  さて、

GoogleSketchUPとMMD

MMDで自作宇宙機モデルその他を動かしたい! という欲望は、GoogleSketchUPを使い出した頃からあったのだが、なかなかとりかかれずにいた。  MMEのエフェクトを見て、打ち上げロケット煙が簡単に実現しまうことに衝撃を受けた。 これはやってみるしかない!  ということで、きっかけはいつも単純。 以下、簡単な試みの忘備録。 MMDでもGoogleSketchUPを使ったアクセサリと背景を見かけるけど、メインのPMDモデルとして動かすことへの言及は少なめ。 どうも二種類の文法があって、Google3Dギャラリーからのインポートを指す場合が多いようだ。  (そういえばモデルデータはそこでも公開できるんだった) 作業フローとしては、 GoogleSketchUP(以下、GSU)のMMDExporterプラグイン→PMDエディタ→MMD となる。 記事の時点で使用したのは、 GoogleSketchUP8(無印) MikuMikuDance_v724  PMDEditor_0063 MMD accessory Exporter となっている。 今までつくっていたモデルを試しにMMDへ輸出してみる。物は試しと、色々エクスポートした。頂点数が65536を超えなければ大丈夫らしい。 仮に越えても、分割出力ができる。 しかしモデルは軽いほうが望ましい。 以下、エクスポート前の注意点。  GSUで気の向くままにモデリングしていると、物体ごとに名前を付けてなかったり、些細な構造までグループだらけだったり、冗長な面を残したままだったりするので、製作段階からローポリを心がけたい。 GSUを使い始めた最初期に作った超大作(笑)は、後から軽量化にひどく時間が掛かった。 もうひとつ、面の表裏設定が入り乱れていると、エクスポートしたあとにテクスチャがおかしな振る舞いをすることがある。面の設定は揃えておくと良い。(GSUではテクスチャ無しの物体表面は、表面なら白/裏面なら灰色で表現されている) エクスポートすると、見知らぬテクスチャと色がたくさん梱包されている場合がある。マテリアル画面の「モデルに使った色」を見ると、一度モデルに適用したことのある色、マテリアルがすべて出てくる。(上塗りでは消えてくれないらしい)。 これもできるだけ削

小型ローバーの実用例

世界の小型ローバー 原子力エンジンを検索していたらアメリカの企業が作った小型偵察ローバーの記事(中国語)に行き着いた。そんなこともあるよね。 というわけで、世界の小型ローバーロボット技術探訪。研究分野以外ではどんな使われ方をしているのか、というものを二つピックアップしてみた。 「死角に放り投げるだけ」偵察用の小型ローバー 軍事領域での開発にかけてはアメリカの右に出るものは居ない。 米ReconRobot社のローバーは小さなダンベル位のサイズで、中央に尾をもつT字型の典型的な筐体をしている。 http://www.reconrobotics.com/index.cfm 約540gの筐体に広角カメラ、2個の丈夫な車輪を備えている。操縦はジョイスティック一個で、無線でローバーのカメラの映像をモニターしながら操縦できる。 オプションを見るかぎり、主な供給先は軍や警察だ。現場で運用されることが考えられている。シンプルで頑丈、低コスト。  その用途はまさに「車輪付き偵察カメラ」だ。デモムービーが分かりやすい。 印象的なのは、目的の場所に無造作に放り投げて動作する所だろう。 ・制圧作戦で建物内の敵の把握 ・犯人の逃げ込んだ先の特定 ・籠城の様子の偵察 ・人命救助 これまでは人命リスクで情報を得られず、闇雲な行動に出ざるを得なかった領域に普及していくのだろう。しかし戦場や修羅場でいざ投げ込まれた側にしてみれば、パニックに陥りそうな気もしてちょっと気になる。 「ハイテク玩具」カメラつき遠隔操作ローバー$130 http://www.spygear.net/spy-gear/item.php?key=64 革新的なおもちゃに関してもアメリカの右に(ry  チルトカメラとキャタピラを備えた遠隔操作ラジコン。コントローラーには画面が付いており、モニターしながら操作可能。 CPUはARMで、SDカードに画像を残す事もできる。 さらにソフトウェアを追加可能。 ここまで書いておいて、130ドルで買えるおもちゃである。 おそらく組み込み系Linuxで稼働するのだろう。かつてならこの内容で10万円はしていたはず。 小型軽量の模型飛行機の価格破壊の流れで、こうしたハイテク玩具がどんどん普及している。 かつてこういうモノを作りたくて

衛星の電波を受信してみる まとめ 

気象衛星からの画像、BS放送、GPSといった軌道の巨人たちのサービスが浸透し、それがあまりにも当たり前なので、逆に衛星というものはほとんど意識されずに暮らしていける現在。 地上のRFネットワークが発達して、電波のやりとりが人々の日常から非可視化されつつある世の中で、ここはひとつ星たちのささやきを聞いてみよう。   JAMSATの500円アンテナを使った環境でどこまで出来るかが主題です。 500円アンテナ  http://www.jamsat.or.jp/features/cheapyagi/index.html <無線機> CubeSatやアマチュア衛星の電波を受信するためには、アマチュア無線の設備が必要になってくる。 無線機がネックだが、免許が無くても扱える広帯域受信機が市販されている。アマチュア衛星はだいたい135MHzから430MHz帯でさえずっているので、この帯域が聞こえるものなら大丈夫。 ここまで興味を持っていたら間違いなく免許を取る気配。筆者も勉強中です。 お手軽で人気な機種だとIC-R6といったものからたくさんある。 ただし低価格の受信機、あるいはトランシーバーではCWを受信できない機種が多い。その場合、聞けるのはFM衛星に絞られてくる。 CWが聞ける機種だと、大学衛星、とくにCubeSatのビーコンが聞こえるので結構楽しい。 FM運用と違って、衛星が可視範囲にいれば受信が期待できる。 私はDJ-X11を使用している。若干高いがPCに接続してSDRソフトを使うとCWとSSBを受信できる。 初めての運用で使った無線機がPC上でSDRを使う高級受信機だったので、同じことが簡易ながらできてしまうのは便利でうれしい。 <アンテナ> 通称"500円アンテナ"を自作。  アンテナの記事はこちら 。 これを野外か、自宅の屋根に設置できると理想的だが、現実にはアパートなので、物干し竿に金具を使って固定した。 受信する間だけ外に出す。 ・・・漂うネタの空気。 屋根以上の高さを稼げず、受信する方角が限られてしまうのがややネック。 アマチュア衛星向けの本では、八木アンテナを固定する場合、 ・仰角を固定するなら20~30度 ・方位角はローテーターをつける、

電子工作コンテスト

先日、 電子工作コンテスト2010 のイベント、 電子工作祭り2010 がありました。  日曜にお台場まで糸巻き戦車型ロボットを伴って行ってきました。  ノミネートされてはいたものの、どれもハイレベルな力作ぞろいなので、はじめから諦めモードでしたが、結果的に企業賞の一つ スイッチサイエンス賞を頂き、びっくりしました。 スイッチサイエンス様には日頃からSparkfun製品を輸入してもらったりしてお世話になっています。今後ともよろしくお願いします。  糸巻き戦車は置いといて(床に)、授賞式で思ったのは、人を(心も)動かせる作品ってコンセプトのバランスが取れているな、ということです。   それにしても受賞者がハイレベルというのもあって、MAKEにも増してカオスなイベントでした… こいつ(糸巻き)もはやくインタラクティブな動作ができるように勉強しないと… 副賞でいろんなセンサーの詰め合わせキットをもらったので、これらをつなげるところから始めてみようと思います。 以上簡単な報告でした。   ※ちなみにKemushiComputerという企業は(まだ)存在しません。零細一人サークルです。

あかつき、その他

衛星おえかきシリーズ番外編。 いよいよ大詰め。 500Nスラスタを使った軌道変換による金星軌道への投入間近。 6千万キロ彼方はどんな景色なのだろう。 あかつきの姿勢は公式ページによれば、放熱面とセンサーが集中する面が太陽に向かないよう設計されているので、おそらくこんな感じではなかろうかと予想。(CG動画でも同じ姿勢だったような) リアル志向ですが所詮、見た目の再現なので、本物とは微妙に細部の造形が違います。 艦隊絵ではパネルの向きが微妙に下むいてたりとか。 IKAROSの膜面の配置とか。分かる人はわかると思われる微妙な点。  参考にされるとモロばれという。 話は変わって…   人工衛星って私の中では擬人化というよりも家なんです。 設計時の進行はまんま建築と同じだな、と。 振動試験を耐震と置き換えて、熱設計を高気密高断熱住宅と置き換えれば・・・ほら(なぜか得意げ) そこにセンサーとか、航法関連の装備、計算機を設置する。 配線の電気工事もある。  最近は住宅のほうが太陽発電とかスマートセンサー、高効率給湯などを導入しはじめているので、住宅の衛星化が進んでいるのではないかと一人妄想してみたり。 住宅に擬人化要素が導入されるかどうかは次世代に期待しておくとして、(最近の文化遺伝学的インフレからすると、すでにちらほらあるような気もしますが) あかつきの活躍には期待ですね。 以上落書きでした。 ※どちらかというと私は機械の擬生物化のほうに興味がある人間なので、小惑星帯を気ままに航行する次世代太陽帆探査機の子孫のほうがロマンがありますね 追記。 今回の軌道投入は不発に終わってしまったようですね・・・。 かっこいい探査機なだけにショックです。 惑星間深宇宙の難しさは別のプロジェクトで思い知らされているだけに、言葉がでません。 気の遠くなる年月です…。