2015/01/30

Shuttle DS47

友人から譲り受けたShuttleのファンレスマシン DS47を整備して、2ヶ月ほど使用している。 もともと自宅鯖用に導入したとのことだが…。

 http://www.shuttle-japan.jp/barebone/slim/ds47

 仕様を見てるとデジタルサイネージ向けの組み込みPCだけあって、GbE2基、シリアルポート2基 とI/Fが豊富で、外部電源スイッチ用のピンヘッダが背面についてたりする。
SSDが搭載済みなのでモーターはひとつもない。原理的には無音なマシン。

 個人的には、24時間稼働する制御用PCとしての使い方がちょうど良い気がしたが、制御するような機器がまだ無かった。

BIOS更新

譲り受けた時点で、BIOSのリビジョンは初期状態で、Windows8以外のOSとの相性問題がすごいことになっていた。Ubuntuは特定のウインドウが完全に表示できないし、最初にBIOS更新のために作成したFreeDosのUSBブートROMはレガシーモードでも起動せず。 Intel NUCが出始めた頃にも同じような話があったのを思い出す。

こんな時に役立つBIOS更新ツールが、Windows8.1評価版という、4GBもあるISOファイルだ。(咳払い)

こちらもUEFIモードではなく、レガシーモードではじめてインストールに成功。
無事、マイクロコードの更新を含んだ最新のBIOSを書き込むことができた。その後は挙動が安定した。

UnixBench 結果

Intel(R) Celeron(R) CPU 847 @ 1.10GHz
System Benchmarks Index Score (1CPU)                             582.2
System Benchmarks Index Score (2CPU)                            1092.9

参考
Intel(R) Celeron(R) CPU G540 @ 2.50GHz
System Benchmarks Index Score (1CPU)                            1215.2
System Benchmarks Index Score (2CPU)                            2325.6


 CPUはCeleron847を搭載している。中身はSandyBridgeのダウンクロック版なので、最初から省電力向けに作られたAtomベースのCeleronと比べると、TDPとコアあたりの性能が高くなっている。

 同じアーキテクチャで、自分のデスクトップ機で使用中のCeleron G540と比較すると、周波数あたりのスコアはほぼ同じになる。

ブラウザみたいなものを起動する時はCPUの力不足を感じる。やや全体的にレスポンスがもたつく傾向があり、重いソフトを並列して動かすのは厳しい。ソフトウェアラジオのみを走らせる程度なら問題はなかった。

Linuxで動かすと、外部のディスプレイ以外にもう一つ、XGAサイズの画面が認識されていて、画面挙動にやや謎な点が残る。 LVDS出力が有効化されているのかな…。

 エアフローに注意しつつ、常時稼働させてみたい。

( 余談として、最近のVPSサービスは下位サービスでも2000以上のスコアを出すらしい )

2015/01/10

VL6180Xを試す

数センチ程度をレンジにもつ近接(proximity)センサは、赤外線LEDを備えた光センサなものが多い。 スマートフォンの受話動作の検知や、バックライト補正のために環境光(AmbientLight)の測定を行ったりしている。

STのVL6180Xもカテゴリは近接&環境光センサだが、近接センサはTOF方式という、対象に照射した光の戻ってくる時間を測定するというすごいやつ。原理的に対象の反射率によらず誤差の少ない測定ができる。 それでいて全機能が米粒大のLGAパッケージに収まっている。


サイト http://www.st.com/web/catalog/mmc/FM132/SC626/PF260441?icmp=pf260441_pron_p3609p_sep2014&sc=proximitysensor

発表されて1年くらい経っていたけど 最近Mouserで購入できるようになっていた。

仕様

  • 電源電圧(定格)  2.6~3.0V (試作では2.8Vで試した。 ただ、最高電圧は3.6Vまで)
  • 測定時平均電流 1~2mA  ピーク電流は~20mA 
  • インターフェース I2C
  • 測定距離          ~約100mm (測定結果は8bitで格納)
  • 環境光(ALS)     10万ルクス以上 (測定結果は16bit  20倍までのゲイン設定がある)
  • ジェスチャ検知など
  • 検出器はSPAD(単一光子アバランシェダイオード)で、データシートによれば、温度キャリブレーションを自動で行っている。 

一回の測定には数ミリ秒程度かかる。(対象の反射率などで測定時間が変化する)

IRレーザーエミッタが光る様子。 クラス1のレーザー機器でもある
測定結果のレジスタは1バイトだけなので、そのままmm換算で読み出す。

保証されている距離は 10cm程度だが、環境光の影響が少なければ、20cm程度まで測定できた。

 手ハンダの際にカプトンテープでパッケージ上面を保護していたが、剥がすのを忘れて動作させても、正確な値で測定できていた。 カバーグラスについてはそれほど心配しなくて良いみたい。

陽光下など、極端なSNRの環境でどれくらい測定できるかは、ユーザーの設定による。測定精度とのトレードオフで、環境光に対する耐性を上げることが可能とある。(レジスタ設定) ただし、強い光が入るとレンジエラーとなることが多かった。 屋外ロボットに応用できるかどうかは、これから試したい。