2018/12/20

CAL.4809の開発(2) ケース試作

CAL.4809のためのケースを設計してみた記録。 

21世紀のかまど。 マインクラフト感がある。

思考する速度で試作したい



 3Dプリンタを導入した。
個人的に初めて3Dプリンタ造形物のデータを作って、出力してもらったのが2012年頃だったので、すでに6年もの歳月が経っている・・・。 自己所有する機運が高まるのにだいぶかかった。 どうもハイプ・サイクル的な波が落ち着いた頃に導入する傾向がある。

 いろいろ検討してみた結果、今年出た新型、Flashforge Adventurer3に決めた。 完成品で箱なので、机の下に設置しても大丈夫なのが決め手。
 動作音は静かなインクジェットプリンタと炊飯中の炊飯器のファン音を足して二で割った感じ。 静音を謳うだけあってほとんど気にならない。
 Z軸キャリブレーションだけで快調に動いている。

 高速試作環境のために導入したわけなので、Fusion360に慣れる目的でCAL.4809の外装を試作してみた。 3Dモデリングも久しぶりだが、割と覚えていた。


 基板部分のデータはKiCadからエクスポートしたSTEPファイルを取り込んだ。 その外側にケースを作成する。
外装は基板外形を1mm拡張して、壁の厚みを0.8mmとした。
 前後はNATOベルトを通すための隙間を設けている。
 側面はボタン、IrDAポートのための加工を行った。 ボタン部は素材の弾性を使う。
ケース自体は装着を考え、下部の時計用ベース基板に固定するための爪を側面に設ける。

 上のCAD図は既に5回くらいのバージョンアップの後のもので、最初はボタン部などの造形をせず、外形だけでプリントして検証し、徐々に細部の造形に移っていった。 単純な造形なら30分ほどで出力できる。 彫り込みというか刈り込みというか、とにかく手元にプリンタが無いと試行錯誤ができない。

途中から出力方向をひっくり返した。 ほぼサポート材
モデリングの過程で出力して確認するサイクルを経て、最終的に一番精密なモードで1時間半かけて出力した。
ラフトを剥がすのに便利な 時計のコジアケ。 買ったけど時計を全然こじ開けてない。
 この造形だと糸引きがすごかった。 サポート材は簡単にはずれてくれるけれど、なにせ細かいのでうっかりちぎりかねない。 カッターなどで慎重に剥がしていく。


基板との間に0.2mm間隙を設けていたおかげか、ピッタリはまってくれた。 ボタンも押せる。 FDM式でも薄い部品は配置や形状を工夫すれば大丈夫そうだ。

下部の基板は前後のベルト部の出っ張りと、左右側面から張り出したケースの爪できっちり固定できている。
 この小さなサイズでは、細かいフィレット等を形成してしまうと潰れたり変形してしまったので、単純なくり抜きや多角形のままでよさそう。 壁とボタンの造形の隙間は、0.4mm空けても潰れがちになるので、スリット部の面取りなどを試してみる必要があるかも・・・。

 ケースをつけても、コイン電池は簡単に取り出すことができる。

 表の文字盤面が手付かずで残っているが、メモリ液晶を保護する仕組みとしても風防は必要になる。最後にネジ止めで固定する蓋構造を検討中。

 DIYでありがちな肥大化しすぎた筐体を防ぐ  という、無意識に設定していた目標は達成できた。  個人的には基板を覆ってしまうと外装のデザインの勝負となるのでちょっと寂しい。

2018/12/19

CAL.4809の開発(1)

 2018年の新作。ATmega4809を使った試作ということで、CAL.430FR(2015年)の後継機を製造した。
  CAL.430FR https://blog.kemushicomputer.com/2015/03/cal430fr1.html

 今回はケースの作成にも挑戦してみたので、3Dプリンタでの製造は別の記事にまとめる。

 430FRはKiCadの練習で作ったけれど、それ以来3年間で設計、製造、実装した基板は結構な数になった。
 今年は大きなプロジェクトも一段落したので、自分の趣味プロジェクトも原点回帰してみることにした。
3年半前の基板(左)と今回の基板(右)

シルクに印字したQRコード。思ったよりコントラスト不足で認識率が良くない 黒基板とかだとアリかも
 36mm角の基板サイズ、コネクタ位置等はCAL.430FRと同じだが、マイコンはATmega4809にして、新たに赤外線トランシーバーを載せた。IrDAにした理由はUSARTにモデム機能があったからというだけだけれど、一応通信機能を持った基板となった。これで規格の波に数周遅れのスマートウォッチが作れる。
 サイドボタンは1つ削減して3つになっている。

12月に入り、夏以降 ほとんど音沙汰のなかったArduino Uno Wifi rev2がとつぜん販売開始となっていた。
日本では無線LANモジュールの認証作業の完了待ちらしいけど、そのうち入手できるだろう。 ボード外観を見た感じではレベルシフタが一つ増えていて、WifiモジュールとのIFまわりに仕様変更が見て取れる。

  リリースされたばかりのArduino Uno Wifi rev2向けのボード定義も配信が始まり、ボードマネージャ経由でインストールすることができた。

 ボード定義で面白いのは、ATmega4809としての定義と別に、端子レベルでATmega328Pをエミュレートするコンパイルオプションがあること。Wifiモジュールなどとの通信制御を遮蔽しつつ、UNOと同じピン定義でプログラミング可能なようだ。

  デバイス定義を参考にして、自作ボード用の定義ファイルを作成してArduino互換として動かす環境を試験的に作ってみている。 4809は内蔵オシレータが20MHz品と16MHz品があり、今までは20MHz品の流通が主だったので、クロック周りは20MHzとその分周比にあわせて定義を追加する必要があった。 電源が3Vのコイン電池なので、ボード定義でクロックは5MHzとし、1.8Vまで動作できるようにする。 BORなどはヒューズビットにあたるので、書き込みの際はプログラマで予めセットしておく。

今のArduinoIDEでの書き込みはコンパイル済みバイナリをスケッチフォルダに出力できるので、出力されたバイナリをATmelStudio7のツールで呼び出し、PICKIT4を使って書き込んでいる。



 IO回りやUART,SPIなどは普通に動かせていて、CAL.430FR用に作ったスケッチのIO番号だけ振り替えてそのままメモリ液晶を動かすことができてしまった。

 SPIの加速度センサとの通信がうまくいってないけど、とりあえず表示まで確認した。
4809自体は既存のAVRよりも低コストで使い勝手が良いので、Xplainedシリーズのようなデバッガ付きで最小限の評価ボードとして出てくれると良いなぁ。

2018/10/24

道具の更新




 HAKKOのIHはんだごて、FX-100を導入して2ヶ月ほど経った。
FX-951から乗り換えなので、両者の差異を書き出してみた。



小手台はコテ検出等の配線も無くなり、コンパクトで置き場を選ばなくなった。
(本体は結構大きく重くなった)
 立ち上がりは早く、コテはさらに細くなって持ちやすい。
 コテから持ち上げたときや小手先の温度変化に対して、かなり機敏に温度制御してくれる。 スリープ、シャットダウン、復帰も軽快。

 だんだんとRF特有のスルーホールだらけ多層基板などを手がはじめているので、無限に吸われる熱との戦いになる。  小手先としては、主にC型の大きいタイプを使うが、足の出ていない小さいQFNやUEW作業では小さい小手先に交換している。

 FX-951を全く使わないかというと、もっと熱容量の大きい小手先に付け替えて、表面実装以外のはんだ付けに使っている。


 今まで仕上がりは目視とビクセンのマルチモノキュラー4x12にルーペスタンドをつけて確認していたけど、夏にHOZANのL-50を中古で手に入れた。
一昔前の構成のため、付属していた照明は蛍光灯式ですでに寿命を迎えていた。 あとから安いLEDリングライトを取り付けた。

追記

倍率0.5倍のコンバージョンレンズを入手。

焦点距離を2倍にすることで、系全体の倍率が半分になる。 作業時の姿勢が改善した。
 倍率5倍相当で視野が直径36mmに広がり、QFP100が余裕でつけられるようになった。 10倍だとちょっと狭くて、大きめのパッケージが付けにくかった。

 特殊領域の設計試作はあまり数が出ないのと、数が出る場合は専門業者の領域になるので、リフロー量産の方面には手を出していなかったけど、そろそろ整備していきたい。