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3月, 2011の投稿を表示しています

フラクタル構造の汎用作業ロボット

SF的には最強?とされるロボットは人の形をしていない。自己相似な枝構造を持つ奇妙な形をしている。 Bush RobotとよばれるフラクタルなヤツをCGで再現しようとしたが、GoogleSkecthUPではこれ以上枝を増やすとクラッシュしそうだったので諦めた。枝が指数的に増えていくのでごまかさないととてつもなく負荷がかかる。 この知性を持った茂みが万能なのは、人の形をかたどるよりも、マニュピレータの塊としたほうがはるかに色々な状況に対応できるだろう、という理由から。 ストロスのSF的には原子レベルまで枝分かれしたマニュピレータを備えていて元素変換を行い、周囲の物質から自己複製を行ったりする。あまりに細かい構造なのでパッと見ではモヤモヤした球体に見える。とのこと。 …あまり近づきたくないヤツだ。 生物でこういう構造を取るものは少ないが、無駄に腕が多い生物はたいてい海に住んでいる。 タコ、イカ、ウミシダ、などなど。やはり陸では重力が淘汰圧となるのだろう。 このロボットもネックとしては腕の多さ。 多脚ロボットなんて目じゃない量のアクチュエーターと制御機構、バッテリが要るだろう。 もっと腕の量を減らさないと、現代の技術では実現するメリットは無いだろうな。   こういう系のロボットが出てくるSFとしては、ロバート・L・フォワードの「ロシュワールド」や、チャールズ・ストロスの作品がお薦め。 参考 http://www.livescience.com/457-freaky-fractal-fingers-fingers-fingers.html http://www.frc.ri.cmu.edu/~hpm/project.archive/robot.papers/1999/NASA.report.99/9901.NASA.S3.html

雪上の走行とタイヤ

雪原。  気温と時間、日照でその路面状態は刻々と変わってゆく。 春先の暖かい日照と放射冷却の連続が雪を固め、気温の低い朝方のみ雪の上を普通に歩いて渡ることができる。地元では「しみわたり」と呼ばれるめったにないコンディション。 実はコイツ、この時しか雪上を走れません。  テストいろいろ   低温動作 .... -10℃の吹雪でも問題なく動作。 しかし雪に足をとられてあまり進まない。 新しいタイヤ 製作当初から付けていたサンペルカのタイヤが消耗してきたので、新しいものを切り出した。 重量配分などを考慮し、・左右非対称 ・中央に溝を付けないものも混在させる、 などを試した物。 雪原に轍を残しながら進む。GPS座標を送信しながら放浪しているところ。 雪には足跡が残るものだが、明らかに野生動物ではないヤツ どちらかというと海洋生物の生痕化石みたい。  気温が上がって、雪がぐしゃぐしゃになると、だんだん動きにくくなってくる。 腕が埋まるため段々方向転換が難しくなり、そして人間の足跡みたいな大した事のない場所にはまっても、逆に掘り進んでしまって脱出が出来ない。 これは構造的な問題が大きい。 柔らかい雪、ザラメ雪はさらさら流れるため、キャタピラみたいに底面積を増やさないと埋まってしまう。 単車輪なので、回転しないようにスタビライザ(尻尾)を押し付けて進んでいるが、これもソリのようにしないと雪に引っかかり行動を妨げる。そして踏み固めるには自重が少なすぎる。  車輪はやはり色々と整った条件じゃないと役にたたないけど。地べたを這いずり回る手段としてはかなり効率が良い。 脚も面白そうだが、サーボモーターは結構電気を食う、関節の数だけコストがかかる という問題があるのでおいそれと手が出ない…。 おまけ 前足による激しい攻撃を受けたもののもちろん無傷。見た目によらず怖がりなのです。雪をものともしない脚力。制御。やっぱり生物には敵わないなあ。 

自作QFHアンテナでNOAAのAPT受信 その2

設備一覧(犬は除く) 137MHz用、自作QFHアンテナを試す天気に恵まれたので、さっそくAPT受信してみることに。 3月後半なのにいまだに雪が降っていて、今年の春は遅くなりそう。 昼頃にかけて、NOAA18,19号が相次いで仰角60度以上で通過することをOrbitronで確認したので、庭先の雪原にアンテナ(と呼ぶにはおこがましい針金工作)を立てて、DJ-X11とノートPCを設置。 ソフトにはKG-APTを使用。 (犬はジャーマンシェパードですが別な犬種でも可) アンテナの基本構造は 先に作った436MHz用 のものと一緒だが、さすがに大きさからして塩ビ管などを活用すべきだったと思う。簡素さを優先したためバランも無し、素子と同軸の間はクリップをつなぐ といった事をしているので、果たしてちゃんと取れるのだろうか。 パス(南→北)の聞こえ方は、11度を超えたら急に受かりはじめ、杉林と建物がある北側では30度くらいからノイズが混じり出す。 秋月の800円モビールアンテナとは比べものにならない受信感度で、仰角10度以上の全方位に感度がある感じ。 (この仰角はアンテナの形状を変えることで調節できるという)  画像 日本もくっきり映っているのがわかる。 (クリックすると実寸) ちゃんと映るものだなあ・・・。 びっくり。 以上、お手軽QFHアンテナの実験でした。 これも物干し竿から吊り下げられるように工夫しようかな・・・

QFHアンテナで小型衛星を追ってみる

ハンディな広帯域受信機DJ-X11でモビールアンテナを家の屋根にくっつけてみたところ、田舎の山に近いところなので聞こえてくるものといえば地元のラジオと短波、それにACARSのパケット音くらい。 そこで、ためしにAPT受信を試みた。 これはNOAA衛星からの気象ファックスで、高度800kmから137MHz付近で放送されている画像を受信することで、比較的簡単に雲画像を得ることができるサービス。 DJ-X11ではKG-APTという便利なソフトを使うと自動受信が可能。 おお・・・左に日本列島の太平洋側が見える! なかなか楽しい。 しかしこれだけの画像が受信できたのはこの日だけで、あとは信号が小さくノイズだらけのパスばかりだった。小さいモノポールアンテナでは向いてないのは最初から分かってたが・・・。 QFHアンテナ 空を駆け巡る衛星から電波を安定して得る方法はいろいろ存在する、指向性の強い八木アンテナで追尾するものから、全方位に感度を持つアンテナで固定運用、まで。 NOAAのAPT受信ではQFHアンテナを使うのがメジャーらしい。 QFHは無指向かつ、偏波の変動に強い方式。 ならばこいつを作ってみようということで、とりあえず針金を一巻き揃えた。 430M帯用アンテナの試作 アンテナ工作自体は、こちらの サイト の情報を参考にして、この サイト で寸法を計算。 組立用の寸法でみると137MHz用はとても大きく、縦で70センチ近くなる。 ということで436.5MHzに合わせた小型衛星用アンテナをまず作ってみた。 こちらは縦が30センチ。 小さいので作りやすい。 QFHアンテナでは長めの素子、短めの素子を組み合わせてひねり、2重らせんを作る。(捻る方向は注意) 泡立て器1号 屋外に放置する予定が無いので、2mmの被覆針金(鉄製)で製作した。大きさ的に支えがなくてもアンテナ素子だけで構造として自立することができた。  素子の上下の固定にはペットボトルのフタを使った。底部にもう一つ貼りつけて、いざとなればペットボトルを土台にできるようにする。 あまり深い意図は無い。 素子同士の接続は圧着端子で行った。  前回超軽量八木アンテナで使っていた鰐口クリップ使用の接続コネクタ。 これを使い

ACアダプタ電源の故障とATX電源の汎用電源への改造

故障した12V(120W)のACアダプタ 地震の影響もあり、受験で上京していた兄妹(試験は中止になりましたが・・・)と一緒に新潟の実家へ戻ってきました。 こちらはこちらで中越地方の震度6弱の影響を受けていて、棚の書類が全部落ちていました。中越地震を思い出す光景です・・・。 おまけに3月中旬とは思えない雪が続いています。雪かきをしつつ、片付けをしつつ。 さて、ついでに輸送してきたデスクトップの 自作機 を確認したところ、12V10AのACアダプタが壊れて電源が入りません。 LEDもつかず、ケーブルの断線も無いため、原因は回路のようです。 ・・・困りますね。 一応データはバックアップしてあるので大丈夫ですが、出鼻をくじかれました。 家にあったPen4のデスクトップから電源を拝借して、バラックで起動したところ、とりあえずシステム自体は生きていました。 ほっと一息。 FMブレイク※1 過去の遺産を発掘していたところ、Pentium4時代のATX電源が出てきました。 残念ながら改造の跡があり、CPU用の12Vコネクタが無いためそのままでは使えない。(裏でハンダ付けしてもいいのだけれど・・・) 12V 16A = 192W? よく考えれば、PCの電源の役目は各種電圧を作り出すこと。 +12Vも16Aはあるということで、ACアダプタよりは容量があると見てよさそうです。 だったらACアダプタの代わりとして使おう。 というのが今回のテーマ。 PCの電源を汎用電源化してみました。 手元にたいした部品が無いため、ATX電源にある部品だけを使います。 ATX電源単体で起動するために、PS_ON端子をGNDに落とすスイッチが必要です。 これは電源ケーブルの辺についている電圧切り換えスイッチ(110~220V)で行います。 (電圧切り替え配線は基板上でハンダ付けして固定。110V) あとはPC用の余計な配線を取り外して、ACアダプタのコネクタを12V出力につないで固定します。  スイッチを入れると12Vを供給してくれます。  こいつをデスクトップにつないだところ、ちゃんと起動しました。 ただし運が悪いと15分程度で原因不明のシャットダウンが入り、連続稼動には至りません。 たぶん古いので Core2時代の電力管理による負荷変動に対して追従できてな

500円アンテナの改良

500円アンテナをまた製作。今度は簡素化、軽量化と低コストを心がけてみた。 素子は輻射器も含めて全部アルミで、保持にはバルサ角棒を使う。 ※ケーブルはオプションです。 用意した物 アルミ棒Φ3mm 1m 3本 バルサ角材 今回は15mm角 鰐口クリップ 端子( SMAコネクタJ ) 両端SMAケーブル 端子とケーブルは秋月で揃えた。ケーブル分を考えても1400円には収まる。 700円アンテナってことで・・・ 製作は原典に準拠。 http://www.jamsat.or.jp/features/cheapyagi/index.html 棒の長さが許せばもっと長い11エレとかに挑戦しやすい。 輻射器を銅からアルミに変え、鰐口クリップを噛ませる方式に変更したことで作りも単純に。  銅線のハンダ付けがいらないので便利だし丈夫で良い方法だ。 どこかで参考になる記述を見たので試した物。 アンテナ自体は素子と棒だけならたったの 60g !!!! 以前製作したものは オール銅 で無駄に重かったのだ…。 さて気になるのはこれで受信性能はどうなるのか、という点。 いつものようにアマチュア衛星のCWビーコンを傍受してみたところ、問題なくビーコンが聞こえてきた。 素子を縦か横に回すと偏波の効果も確認できた。 振り回してみて意外と偏波が効くのだな・・とわかった。 ということで初回の製作から大幅な簡素化が達成できた。 実際は軽くなればなんでも良かったのだが、思い切って輻射器周りまでシンプルにしても問題ないことが分かって収穫。教育目的だとハードルが高い部分(ハンダ付け、コネクタ周り)を回避する良い方法かもしれない。 軽くして何がしたいのか…はまた後ほど。  関連投稿 衛星の電波を受信してみる まとめ   http://kemushicomputer.blogspot.com/2010/12/blog-post_18.html 衛星電波を受信してみた ~自作アンテナ編~ http://kemushicomputer.blogspot.com/2010/09/blog-post.html

Next-Gen-Rover

タイトル絵の通りの二輪ローバーが形になってきたのでその試作機の様子を紹介。 トリッキーな1輪とは別の真っ当な2輪タイプを製作。 基本構造はほとんど一緒。 1輪が2輪になっただけ。  シャーシは現在穴あけ中。タイヤとモーターだけ出来たので、いつものようにタミヤのユニバーサルシャーシに固定して走らせてみた。 中身。 普通のモータードライバのトルク低下のおかげで、逆に車輪の同期をとらなくてもサンペルカが並列するという現象につながった模様。 車体制御系 arduino,XBee(Pro) TA7267を使ったシンプルな基板。  以前糸巻き戦車型ローバーの試作機で使ったArduino、XBee基板の流用。 半分解体されて眠っていたものに、TA7267BPを搭載したもの。コードも2輪に書き換えた。 遠隔操作して車体ごとの制御のコツをつかむにはもってこい。試作機自体の製作には2時間かからなかった。 だいぶ前に作ってほったらかしの木製ローバー車体。 なんで使わないかというと、車輪回転の始まりで方向がくるくる変わるため。 おまけ 高グリップ踏破車輪の隙間にはこんな使い道が… 回転する車輪と車体に接点を設けて、実際に充電してみたいところ。 この大きさのPowerFilmを4枚しか持ってないのであくまでイメージです。 直射日光の想定でざっと計算すると短絡電流で6V150~180mAは取れそうだ。 照り返しを期待すれば真下の1列以外は発電に寄与するはず。 この姿はまさしく…あいつ…