2010/09/28

mbedを入手

mbed 新感覚のマイコン基板。 MOM01で記念に入手。

以下簡単なまとめ
・IDEはウェブブラウザ上。コンパイラはサーバー側にある。
・コンパイルされたファイルがダウンロードされる。
・USBメモリデバイスとして認識されたmbedにドラッグ&ドロップ リセットで即実行。
・IDEはコミュニティサイトでもあり、公開されたライブラリ群を使えたり、公開したりできる。

というところ。 ネット環境さえあれば、する作業はアカウント作成とログインだけで、PC環境を全く汚さずに開発が可能というとてもクラウドなマイコン。 初期導入の手間はArduinoよりも少ない。
NXP1768は ARM Cortex-M3 最大72MHz動作と、なかなか豪華な石。
裏面はUSB関連の石とフラッシュメモリ等があった。
はじめは、最近出た秋月のLPCXpresso 1768の評価キット
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-04117/
にしようと思っていたけど、こっちを買ってみた。
XpressoだとExlipseベースの専用IDEが付いてくるそうだ。

周辺機能は申し分ない。 特にLANに関しては、パルストランス内蔵コネクタさえあればすぐつなげられるという。 USB、CAN、SPI、I2C、複数のシリアル等々、I/Oも十分な数が揃っている。

 ネットブックと相性が良いと感じた。 あとはどこでも常時接続さえできれば、ネットカフェでも開発できるのだなー。 コンパイラを有料にするのではなく、ネット接続前提にするあたりは、結構合理的なビジネスモデルだと思う。

 会場でArduinoUnoを見たけど、USBシリアル変換部をAVRにしてUNIX向けのドライバを不要にした以外は特に変化なし。 カッコ良いので欲しかったけど我慢。
 

2010/09/25

金星艦隊


 艦隊モデルがそろったので、集大成として絵にしてみた。 こんどこそおえかき。 モデルを並べるだけなら資料集ですよね。 
いつのまにしんえんェ・・・ (半年前です)
 モデリングを始めた頃、(本物と)このモデルを詳細に作る機会があったので、だいぶ技術力が上がった。
公式の絵に使ってもらってます。



 Photoshop使って、金ピカに輝くMLIの表現もできた。 IKAROSの帆も歪みツールでゴニョゴニョ
レンダリング機能が影描写くらいしか無いので、Photoshopでマテリアルを演出するという二度手間だけど、結構楽しい。

 如何にしてそれらしい見た目を短時間で仕上げるか。 

 凝り性になりきれないのは、多分完成を急ぐため。納期だらけの世界の職業病かな・・・
ということで絵としては3時間ほどの作業。 モデルの制作が出来の8割を占めると言っても過言ではない。 モデル制作もどこまで分解能を上げるかは、モチベーションと時間によるけれど・・・。 

 あと3ヶ月もすると、全鑑が金星に追いつくわけです。
旗艦あかつきは片道切符。 副艦IKAROSと斥候艇しんえんは金星_地球間内回りをぐーるぐる回り続けるという謎のパスを持っていて・・・
 続報が楽しみです。

 <おまけ: 大きさ比べ>

 縮尺を合わせるとこんな感じ。 IKAROSくんの帆はまたの機会に。


しんえんのペーパークラフトもあるよ!

2010/09/24

宇宙機おえかき :金星気象探査機編

宇宙機おえかきもどこがおえかきなのか(以下略 という感じになってきた今日この頃

今回は金聖嘆先※1金星探査機「あかつき」(Planet-C)を描いてみた。


公式とは微妙に向きが違うんです。 

<おえかきモデリング>


箱だからと油断していたら製作に半日かかるという有様。
今回は見取り図を下地にしたのでけっこう正確。こまかい装備の形状は写真を参考にした。
HII-A F17機の主衛星なのに、話題をIKAROSに奪われてあまり盛り上がらない。
とはいえ、金星に到着するまでの辛抱。 主役は遅れてやって来るもの。











フェアリング内ではこのようにパネルを折りたたんだ状態。 


太陽光が地球に比べ倍明るい金星軌道で運用されるので、太陽パネルがご覧のように小さい。
また、はやぶさと比べて放熱部が沢山ある。 
メインのカメラの熱雑音を取り除くため、液体ヘリウムを使った冷却装置があるなど、
まさに"惑星気象探査機"

メインアンテナがフラットになったけれど、はやぶさと比べると全体がスマートなのでバランスが取れていてカッコいいと思う。

これで金星艦隊の旗艦もそろった・・・。 となればやることはひとつ。



※1 Google日本語で「きんせいたんさき」で変換してみると・・・

2010/09/23

宇宙機おえかき 光子帆船編

 Google SketchUpでモデリングしつづけた結果、他のモデリングソフトになかなか慣れないという弊害が出始めた今日この頃。

今回は実在光子帆船 IKAROSくん。



<モデリング>
 IKAROSの本体写真の資料がなかなか無いので、本体と帆の大きさ比だけ合わせて、その他は写真から目コピで制作してみた。 縮尺等、細部はデフォルメされてたり、太陽電池アレイの合間のアンテナ配置などはフィクションです。 PAF側(本体下部)にもLGAがあったりするんだなー 

帆。 公式の図解と、IKAROSのDCAMが撮ってきた写真を合わせてそれっぽくする。
GSUだと反射光沢は出せない・・・


 通信不可帯から抜け出しつつあるイカロス君。 はじめ、まだ太陽の向こう側でもないのに、通信不可帯ってどんな危険地帯なのかと思ったら、「地球角90deg付近」という説明があった。 IKAROSの通信用アンテナは頭部と尾部に2つあるけれど、 帆の方向は帆自体が干渉するから、横方向への通信は効率が落ちるのだろう。 

 これで金星艦隊の2/3までモデリング完了。 あとは旗艦だけだなー 
   
 



2010/09/20

リレー式モータードライバ


糸巻き戦車型ローバーに使ってるモータードライバは、ものすごくローテク。
先に説明すると、機械式リレーで電池とモーターをつないだ回路のON/OFFをしている。 
たったそれだけ。 

試作機の回路
これがそのモジュール。黒い部品がリレー。 秋月で見つけた80円の5V動作品。

2つのコネクタはモーター、電池ボックスにつながる。 つまりモーターは専用の電池ボックスから直接駆動される。 ミニ四駆のスイッチをリレーに置き換えたような感じ。
リレーのピンアサイン(簡易)

リレーの駆動はマイコンの回路から行う。 リレーの電磁石を駆動するために2SC1815と逆流防止ダイオードを使っているくらいで、あとは電流制限抵抗だけのシンプルな回路。 工夫も何も単純そのもの・・・
利点としては、
  • マイコンのプログラムが恐ろしく単純で済む (LEDチカチカレベル)
  • マイコンとモーターの使用電池を分けることで回路が完全に絶縁され、ノイズの影響を受けにくい (アイソレーション) 
  • 低電圧でも電池のパワーを十分に引き出せること

となる。 とくにPWM駆動を目的としてモータードライバICを使った場合、モーターの定格+αを与えてやらないとまともに回ってすらくれないことがある。 IC内部で電圧降下が発生していて、最大値でもトルクが落ちてしまっているようだ。 PWMで速度制御しようとしても、低速ではトルク低下がひどくて理想的な制御が難しい。
糸巻き戦車型ローバーではそういったことをあまり考えてないので、シンプルで済む方を選んだ。結果、試作機は単三電池2本でも元気に走りまわっている。
 Arduino MEGAではPWMができる足以外で制御しようとしたら動作がおかしくなったので、PWMが出力できる足でやるといいみたい。 単純に使ってたポートの出力制限に引っかかっただけかなもしれないけれど。

<次世代バージョン>

次世代
メリットがあればデメリットもあるもの。
 まずはPWMができない。 リレーのスイッチングには限界がある。しかしスーパーキャパシタと組み合わせて、低速スイッチングでもなめらかな動きができないかなー、 と想像してみる。

試作機で作ったドライバはリレーがひとつだけなので、前進しか出来ない。
これだと壁にぶつかった場合詰むので、次世代機ではちゃんと後進に対応した。 リレーを2つ載せて、機械式ハーフブリッジ回路に進化。これで晴れてドライバを名乗れるというもの(?) 

モーターがひとつだけなのであまり気にならないが、もし2輪タイプなら、リレーが結構場所をとってしまいそうだな、と。 このユニットが2つ必要になる。 

その点、ドライバICならデメリットはあってもお手軽に作れてPWMもできる。市販品はお手軽。
FETでドライバを自作している人に聞くと、ちょっと制御を間違えるとすぐ爆発するらしい。 おそろしや。  


肝心の次世代フレームはほぼ完成。 艤装は制御回路と配線を残すのみとなった・・・。
試作機と比べたらだいぶカッコいい。 CADと脳内イメージどおりにパーツが組み合わされて、かたちとして見えてくる頃が、作ってて楽しいピークですね。
アーム部

2010/09/17

アタッシュケースPC

自作PCケース派なら誰もが一度は考えるアタッシュケース内蔵のPC。
ネタとしてはとても魅力的だが、まさか活用する場面が来そうだとは思いもしなかった。
出先で計測機器の制御PCが必要で、ノートだと厳しい場面というのは、存在する。
(CPUやメモリーではなく、HDDの記録速度、バスの転送速度という意味で) 



ということで、交換して余っているMini-ITXのマザーボードを拝借する。
パーツはメインマシンから拝借することで節約。
アタッシュケースはアルミ製で安いもの。1年ほど使用。

穴をあけ、スペーサーをネジ止めして噛ませる。

OS等を入れるHDDは2.5インチにして、システムディスクとする。
計測用途に応じて3.5インチを外付けする。 こうすればHDDをそのまま提出することも可能だ。

電源はACアダプタ電源を使うので問題はない。 ここまで約10分。
結果としてバラック状態にしか見えない。

もうちょっとこだわって、以前拾ったアナログVGAモニタ基板を付けてみる。


VNCで済ませようかと思ったけれど、2千円のジャンクVGAモニタをバラして取付けてみた。
謎のPCの施工だいたいおわり。 

その2

2010/09/08

フレームの再設計

 糸巻き戦車型ローバー内部、試作機のフレーム。 タミヤのフレームのサンドイッチ構造になっていて、継ぎ接ぎした跡がそこら中にある。設計図もなく作ったので仕方がない。 走行試験では予想通りの動きをしてくれた。
次は改めて設計し直し、合理的なシャーシを作ることにした。 2号機の制作に移る。

 GoogleSketchUpを3次元CAD替わりにして、車体を設計する。 2時間ほどでそれらしいものができた。 この時遠出をしていて、図はネットブックで作った。 モデリングが複雑でなければ、マウスがあれば快適に作業できる。
材料は買ってあって、それを参考に作図。 

シャーシは直径80ミリのアルミとアクリルの円盤を並べて、基板用のジュラコンスペーサーでつなげる方式となる。 全部ネジ留めできる上に、簡単な構造になった。 

モーターを設置

前回の間に合わせシャーシからするとだいぶ効率化が達成できた。 あとは各種機器の配置と、組み上げ

つづく・・・ 

2010/09/04

衛星電波を受信してみた ~自作アンテナ編~


 ひょんな事で広帯域受信機を手にいれたので、小型衛星の電波を聞くためにアンテナを自作してみた。

 つくるのは有名な"500円アンテナ"
 衛星受信でよく使われる帯域の八木アンテナの作り方が紹介されている。

 同じく製作記事があるCQham 8月号の別冊も参考にした。

なお、このアンテナは430MHz帯だけなので、130MHz帯はまた別のアンテナを作る必要がある。

大きさは縦60センチx横34センチ。 結構大きい。
430MHz帯の 6エレの八木アンテナ

 受信機はALINCOのDJ-X11 ハンディータイプのワイドバンドレシーバー。
 もうちょっと安いのでよければ、ICOMのIC-R6もいいとか。 秋葉原の無線機屋で入手。

 本当に衛星を聞くなら、もっとちゃんとした固定機とかを選ぶべきなので・・・。

 このDJ-X11は簡易ながらI/Q信号を取り出してウォーターフォール画面で電波を受信できるので、すばらしいソフトウェアラジオ(KG-SDR)と組み合わせると、モールス符号とドップラーシフトを視覚的に観察することができる。

ドップラーシフトの激しい衛星運用にはとても便利。 設置してしまえばあとはPC上で操作が完結するので、運用した気分になれる。


 分解、組み立て
 完成品のままでは移動しづらいため、 写真のように分解できる。

 一番長い素子も収納できるように、塩ビ管の分割比率を考慮した。 塩ビ管のキャップをはめて密封する。 キャップは完成時、アンテナの前後にはめて使う。
 素子を取り付けたところ。 T字パイプで連結する。
 ここにいつかローテーターをつけるんだ…
最終的な形 

  輻射器拡大。 エレメントの固定は、感光済み基板の切れ端を使用。

 ケーブルとコネクタが無駄に高かった。原典で500円ポッキリなのは素子と棒だけなので、ちょっと期待しすぎた。 それでも2千円もかかってないと思う。

 だいぶ怪しいけれども、このように物干し竿に吊り下げることも可能。

CubeSatや、世界のアマチュア衛星のビーコンを聞くのは意外と楽しい。 ただ、記念すべきファーストライトは、やっぱり違法無線。 東京方面でやたらと賑やか。 ご丁寧に現在地を放送中の局があったので、アンテナの指向性テストしてみたり。 

 その後AO-51のビーコンが弱々しく聞こえてきた。
 小型衛星組も一通り聞くことができた。 ・・・ポポポポーポー・・・ポーポポポー・・・ 
ドップラーシフトで音程が変わっていく。変わるたびにダイヤルで信号を追尾する。

 Orbitronなどのソフトウェアを頼りに衛星を追跡するけれど、ドップラーシフトが大きくて、受信機の周波数を追従させるだけでも結構大変だった。

なぜか低軌道衛星の運用を体験する前にとある探査機のビーコンを聞くという貴重な体験を経ているので、逆に新鮮だった。地球を飛び出して二度と戻ってこない探査機は、地球との相対速度がドップラーシフトとなる。 1日単位ではドップラーシフトはほぼ一定で、周波数は数日単位で観察しないと変化しない。それよりも送信機の温度環境や衛星の姿勢が周波数や、受信電力値の変動となって現れる。

 せっかくIQ出力が利用できる受信機なので、アンテナのゲインを上げてデータ受信をやってみたい。


もっと簡単なもの 500円アンテナの改良