糸巻き戦車型ローバーに使ってるモータードライバは、ものすごくローテク。
先に説明すると、機械式リレーで電池とモーターをつないだ回路のON/OFFをしている。
たったそれだけ。
試作機の回路 |
これがそのモジュール。黒い部品がリレー。 秋月で見つけた80円の5V動作品。
2つのコネクタはモーター、電池ボックスにつながる。 つまりモーターは専用の電池ボックスから直接駆動される。 ミニ四駆のスイッチをリレーに置き換えたような感じ。
リレーのピンアサイン(簡易) |
リレーの駆動はマイコンの回路から行う。 リレーの電磁石を駆動するために2SC1815と逆流防止ダイオードを使っているくらいで、あとは電流制限抵抗だけのシンプルな回路。 工夫も何も単純そのもの・・・
利点としては、
- マイコンのプログラムが恐ろしく単純で済む (LEDチカチカレベル)
- マイコンとモーターの使用電池を分けることで回路が完全に絶縁され、ノイズの影響を受けにくい (アイソレーション)
- 低電圧でも電池のパワーを十分に引き出せること
となる。 とくにPWM駆動を目的としてモータードライバICを使った場合、モーターの定格+αを与えてやらないとまともに回ってすらくれないことがある。 IC内部で電圧降下が発生していて、最大値でもトルクが落ちてしまっているようだ。 PWMで速度制御しようとしても、低速ではトルク低下がひどくて理想的な制御が難しい。
糸巻き戦車型ローバーではそういったことをあまり考えてないので、シンプルで済む方を選んだ。結果、試作機は単三電池2本でも元気に走りまわっている。
Arduino MEGAではPWMができる足以外で制御しようとしたら動作がおかしくなったので、PWMが出力できる足でやるといいみたい。 単純に使ってたポートの出力制限に引っかかっただけかなもしれないけれど。
<次世代バージョン>
次世代 |
メリットがあればデメリットもあるもの。
まずはPWMができない。 リレーのスイッチングには限界がある。しかしスーパーキャパシタと組み合わせて、低速スイッチングでもなめらかな動きができないかなー、 と想像してみる。
試作機で作ったドライバはリレーがひとつだけなので、前進しか出来ない。
これだと壁にぶつかった場合詰むので、次世代機ではちゃんと後進に対応した。 リレーを2つ載せて、機械式ハーフブリッジ回路に進化。これで晴れてドライバを名乗れるというもの(?)
モーターがひとつだけなのであまり気にならないが、もし2輪タイプなら、リレーが結構場所をとってしまいそうだな、と。 このユニットが2つ必要になる。
その点、ドライバICならデメリットはあってもお手軽に作れてPWMもできる。市販品はお手軽。
FETでドライバを自作している人に聞くと、ちょっと制御を間違えるとすぐ爆発するらしい。 おそろしや。
肝心の次世代フレームはほぼ完成。 艤装は制御回路と配線を残すのみとなった・・・。
試作機と比べたらだいぶカッコいい。 CADと脳内イメージどおりにパーツが組み合わされて、かたちとして見えてくる頃が、作ってて楽しいピークですね。
アーム部 |