2010/09/20

リレー式モータードライバ


糸巻き戦車型ローバーに使ってるモータードライバは、ものすごくローテク。
先に説明すると、機械式リレーで電池とモーターをつないだ回路のON/OFFをしている。 
たったそれだけ。 

試作機の回路
これがそのモジュール。黒い部品がリレー。 秋月で見つけた80円の5V動作品。

2つのコネクタはモーター、電池ボックスにつながる。 つまりモーターは専用の電池ボックスから直接駆動される。 ミニ四駆のスイッチをリレーに置き換えたような感じ。
リレーのピンアサイン(簡易)

リレーの駆動はマイコンの回路から行う。 リレーの電磁石を駆動するために2SC1815と逆流防止ダイオードを使っているくらいで、あとは電流制限抵抗だけのシンプルな回路。 工夫も何も単純そのもの・・・
利点としては、
  • マイコンのプログラムが恐ろしく単純で済む (LEDチカチカレベル)
  • マイコンとモーターの使用電池を分けることで回路が完全に絶縁され、ノイズの影響を受けにくい (アイソレーション) 
  • 低電圧でも電池のパワーを十分に引き出せること

となる。 とくにPWM駆動を目的としてモータードライバICを使った場合、モーターの定格+αを与えてやらないとまともに回ってすらくれないことがある。 IC内部で電圧降下が発生していて、最大値でもトルクが落ちてしまっているようだ。 PWMで速度制御しようとしても、低速ではトルク低下がひどくて理想的な制御が難しい。
糸巻き戦車型ローバーではそういったことをあまり考えてないので、シンプルで済む方を選んだ。結果、試作機は単三電池2本でも元気に走りまわっている。
 Arduino MEGAではPWMができる足以外で制御しようとしたら動作がおかしくなったので、PWMが出力できる足でやるといいみたい。 単純に使ってたポートの出力制限に引っかかっただけかなもしれないけれど。

<次世代バージョン>

次世代
メリットがあればデメリットもあるもの。
 まずはPWMができない。 リレーのスイッチングには限界がある。しかしスーパーキャパシタと組み合わせて、低速スイッチングでもなめらかな動きができないかなー、 と想像してみる。

試作機で作ったドライバはリレーがひとつだけなので、前進しか出来ない。
これだと壁にぶつかった場合詰むので、次世代機ではちゃんと後進に対応した。 リレーを2つ載せて、機械式ハーフブリッジ回路に進化。これで晴れてドライバを名乗れるというもの(?) 

モーターがひとつだけなのであまり気にならないが、もし2輪タイプなら、リレーが結構場所をとってしまいそうだな、と。 このユニットが2つ必要になる。 

その点、ドライバICならデメリットはあってもお手軽に作れてPWMもできる。市販品はお手軽。
FETでドライバを自作している人に聞くと、ちょっと制御を間違えるとすぐ爆発するらしい。 おそろしや。  


肝心の次世代フレームはほぼ完成。 艤装は制御回路と配線を残すのみとなった・・・。
試作機と比べたらだいぶカッコいい。 CADと脳内イメージどおりにパーツが組み合わされて、かたちとして見えてくる頃が、作ってて楽しいピークですね。
アーム部