GPSアンテナを作ってみた。
1575MHzの波長は約19cmなので、半波長で9.5cmとなる。 GHz帯とはいえ、結構長いものだなぁ。
セラミック等の誘電体がなければ、平面アンテナで真面目に半波長アンテナを作ろうとすると手のひらサイズの面積が必要になってしまう。
普通のダイポールだと指向性があるので、交差させてクロスダイポールにする。
屋外地上局のアマチュア衛星用アンテナの設計をそのまま縮小したもの。
水平パターンはややいびつ |
長さの同じ素子同士を並べて配置する。
(全長が半波長より長い素子と短い素子が交差した状態)
片方をアンテナ信号線、もう片方をGNDにつなげば完成。
実際5分くらいでつくったけれど、果たしてどうだろうか。
今回は、道具箱に眠っていた表面実装タイプのMT3339系モジュールに取り付けた。
アンテナはもともと3x1.2mm程度のとても小さいチップアンテナで、 LNAが入っているけど感度が悪かったのでお蔵入りしていた代物。 最近の携帯機器はみなアンテナに厳しい。
さて・・・
クロスダイポール版モジュールをPCでモニタしたウインドウ(左)と、QZ-Rader画面
東側に建物遮蔽があるので、そちら側の衛星はSNが悪い。 とりあえず補足できた衛星数はシミュレーションされたものとほぼおなじだった。
アンテナの角度をいろいろ振って、逆さまにしてもロストすることはなかった。 セラミックのパッチアンテナレベルにはなったかな・・・。
簡単にできてそれなりに測位するけれど、携帯性は皆無になった。
あと、近接周波数の干渉を受けやすいかもしれない。
GPSアンテナのDIY例としては、QFHアンテナもある。 ラジオゾンデなどで使われている例がある。
いつもお世話になっているQFHアンテナ計算シートのサイト
https://www.jcoppens.com/ant/qfh/fotos_gps.en.php
ヘリカルアンテナは加工精度の難易度が上がるので、今回はクロスダイポールにした。
GNSSとなると、複数の周波数のために調整されているセラミックパッチアンテナが有利だと思う。
セラミックパッチアンテナは大きいものだと重くなりやすい。 設置面積を気にしない用途や、軽量化、UAV系で翼に埋め込むといった用途につかえるかもしれない。