ひょんな事で広帯域受信機を手にいれたので、小型衛星の電波を聞くためにアンテナを自作してみた。
つくるのは有名な"500円アンテナ"
衛星受信でよく使われる帯域の八木アンテナの作り方が紹介されている。
同じく製作記事があるCQham 8月号の別冊も参考にした。
なお、このアンテナは430MHz帯だけなので、130MHz帯はまた別のアンテナを作る必要がある。
大きさは縦60センチx横34センチ。 結構大きい。
430MHz帯の 6エレの八木アンテナ
もうちょっと安いのでよければ、ICOMのIC-R6もいいとか。 秋葉原の無線機屋で入手。
本当に衛星を聞くなら、もっとちゃんとした固定機とかを選ぶべきなので・・・。
このDJ-X11は簡易ながらI/Q信号を取り出してウォーターフォール画面で電波を受信できるので、すばらしいソフトウェアラジオ(KG-SDR)と組み合わせると、モールス符号とドップラーシフトを視覚的に観察することができる。
ドップラーシフトの激しい衛星運用にはとても便利。 設置してしまえばあとはPC上で操作が完結するので、運用した気分になれる。
分解、組み立て
完成品のままでは移動しづらいため、 写真のように分解できる。
一番長い素子も収納できるように、塩ビ管の分割比率を考慮した。 塩ビ管のキャップをはめて密封する。 キャップは完成時、アンテナの前後にはめて使う。
素子を取り付けたところ。 T字パイプで連結する。
ここにいつかローテーターをつけるんだ…
最終的な形
輻射器拡大。 エレメントの固定は、感光済み基板の切れ端を使用。
ケーブルとコネクタが無駄に高かった。原典で500円ポッキリなのは素子と棒だけなので、ちょっと期待しすぎた。 それでも2千円もかかってないと思う。
だいぶ怪しいけれども、このように物干し竿に吊り下げることも可能。
CubeSatや、世界のアマチュア衛星のビーコンを聞くのは意外と楽しい。 ただ、記念すべきファーストライトは、やっぱり違法無線。 東京方面でやたらと賑やか。 ご丁寧に現在地を放送中の局があったので、アンテナの指向性テストしてみたり。
その後AO-51のビーコンが弱々しく聞こえてきた。
小型衛星組も一通り聞くことができた。 ・・・ポポポポーポー・・・ポーポポポー・・・
ドップラーシフトで音程が変わっていく。変わるたびにダイヤルで信号を追尾する。
Orbitronなどのソフトウェアを頼りに衛星を追跡するけれど、ドップラーシフトが大きくて、受信機の周波数を追従させるだけでも結構大変だった。
なぜか低軌道衛星の運用を体験する前にとある探査機のビーコンを聞くという貴重な体験を経ているので、逆に新鮮だった。地球を飛び出して二度と戻ってこない探査機は、地球との相対速度がドップラーシフトとなる。 1日単位ではドップラーシフトはほぼ一定で、周波数は数日単位で観察しないと変化しない。それよりも送信機の温度環境や衛星の姿勢が周波数や、受信電力値の変動となって現れる。
せっかくIQ出力が利用できる受信機なので、アンテナのゲインを上げてデータ受信をやってみたい。
→新記事 受信に関する全般的まとめ
もっと簡単なもの 500円アンテナの改良