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ACアダプタ電源の故障とATX電源の汎用電源への改造

故障した12V(120W)のACアダプタ

地震の影響もあり、受験で上京していた兄妹(試験は中止になりましたが・・・)と一緒に新潟の実家へ戻ってきました。
こちらはこちらで中越地方の震度6弱の影響を受けていて、棚の書類が全部落ちていました。中越地震を思い出す光景です・・・。 おまけに3月中旬とは思えない雪が続いています。雪かきをしつつ、片付けをしつつ。

さて、ついでに輸送してきたデスクトップの自作機を確認したところ、12V10AのACアダプタが壊れて電源が入りません。
LEDもつかず、ケーブルの断線も無いため、原因は回路のようです。
・・・困りますね。
一応データはバックアップしてあるので大丈夫ですが、出鼻をくじかれました。
家にあったPen4のデスクトップから電源を拝借して、バラックで起動したところ、とりあえずシステム自体は生きていました。 ほっと一息。FMブレイク※1

過去の遺産を発掘していたところ、Pentium4時代のATX電源が出てきました。 残念ながら改造の跡があり、CPU用の12Vコネクタが無いためそのままでは使えない。(裏でハンダ付けしてもいいのだけれど・・・)
12V 16A = 192W?

よく考えれば、PCの電源の役目は各種電圧を作り出すこと。 +12Vも16Aはあるということで、ACアダプタよりは容量があると見てよさそうです。

だったらACアダプタの代わりとして使おう。 というのが今回のテーマ。 PCの電源を汎用電源化してみました。

手元にたいした部品が無いため、ATX電源にある部品だけを使います。
ATX電源単体で起動するために、PS_ON端子をGNDに落とすスイッチが必要です。
これは電源ケーブルの辺についている電圧切り換えスイッチ(110~220V)で行います。
(電圧切り替え配線は基板上でハンダ付けして固定。110V)
あとはPC用の余計な配線を取り外して、ACアダプタのコネクタを12V出力につないで固定します。


 スイッチを入れると12Vを供給してくれます。 

こいつをデスクトップにつないだところ、ちゃんと起動しました。 ただし運が悪いと15分程度で原因不明のシャットダウンが入り、連続稼動には至りません。 たぶん古いのでCore2時代の電力管理による負荷変動に対して追従できてない感じがします。ブランド的にお察し下さい。
まあ、とりあえず本体が無事ならそれでよし、と。
(未完)
(追記)GT220を外したらだいぶ長時間稼動するもののやっぱり落ちるorz
ちゃんとしたコネクタを各電圧ごとに装備して、実験用電源として使えば結構役に立ちそうです。
眠っているPC電源があれば検討してもいいのではないでしょうか。
(高電圧が絡むので配線間違いや感電には気をつけて)

衛星、ロボットでは必要な電力が発電出来ないと機能に関わるため、電源が一番偉い機器です。
必要のない機器はシャットダウンし、省電力を心がける。それが機能の持続に必要だから。

そうとは分かっていても、生活する範囲ではそこまで切実な電力管理を意識せずこれました。
計画停電が行われる今日この頃、安定はそれを維持し続ける努力の上に成り立っているということを痛感します。


※1 おっと、このフレーズで地域がバレますね・・・

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