内之浦 肝付町への出張の間に撮りためた風景写真を幾つか。 ここでは、地元から飛び立っていったロケットや宇宙機たちの似姿が、日常風景に溶け込んでいた。
街のすぐ近くにある叶岳は、麓から展望台まで555段の階段が整備されている。
高所に引き寄せられる習性があるため、オフの日に登ってみることにした。
日頃の運動不足が祟り、だいぶ心臓にダメージを負いつつ展望台まで登りきると、よい眺めが待っていた。 小さな湾を一望できる。
(展望台のこの雰囲気は、一人だとちょっと眩しすぎる・・・)
国民宿舎の裏手、立派な松の防風林を抜けると、簡単に海岸に出られる。 冬ということもあり、散策していた間はほとんど人を見なかった。 寄せては返す波頭の立てるリズムに精神を同調させながら、海岸の終わりまで行って戻って40分ほど。
人工光も少ないので、月の無い夜は暗い星までよく見えた。 雪国で育ったので、冬の星空を眺めているのに、手足が凍りつきそうな寒さではないことが新鮮だった。
波打ち際でちょうど極大になった流星群を観察してみると、輻射点から淡い流星が放射状に飛び出し、絶えず降り注いでいるのが見えた。
薄曇りの夜だと、雲が鹿屋市から漏れる灯に照らされているのがわかる。
砂浜といえばフィールドテストということで、休みの時間には持ち込んだ独立電源モジュールを何度かテストしていた。 砂の上に置いて、海岸に流れ着いたセンサといった物語を思い描きながら、この地で手を離れ、白煙を空に描きながら軌道上へ旅立っていった納品物のことを考えたりしていた。