スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

AIRSPY R2

 2016年も残り僅かな今日この頃。 2年越しのプロジェクトがひと段落したので、AIRSPY R2を入手。  現在、地上局に組み込んでいるRTLSDRの困りごとは、周波数の近い業務用テレメトリの混信がひどく、観測時の切り分けが難しいこと。 解決策はフィルタを入れてしまうことだけれど、広帯域で観測できる(遊べる)利点がなくなるので避けていた。  AIRSPYでは改善されているようで、同じアンテナで帯域をのぞいてみても、混信由来の信号はほとんど見えなかった。  RTL‐SDRを代替するなら、広帯域が必須ではないため、姉妹品のAIRSPY miniでも十分そうだ。 SDR#をインストールすると、AIRSPY用ツールがいくつかついてくる。 スペクトラム監視ツール(Spectrum SPY)で、チューナーIC(R820T2)の全帯域を覗いてみる。 屋外のUHFの衛星観測用アンテナに接続したときのもの。 1.8GHzを掃引するのに2秒ほどかかる。 業務無線や放送、携帯電話などのピークがよく見えている。 こちらは920MHz帯を20MHz幅で見渡してみたもの。 短いパケットがたくさん見えていた。 キャリアセンスや時間制限があるので、すぐには飽和しないと思うけれど、インフラとして今後どうなっていくのか興味深い。

軌道上に狙いを定めて

                                             ・・・・ ・  2014年の夏も終わる頃、 ひと粒 の人工衛星の軌道寿命が尽きようとしていた。  人工衛星が寿命を迎えるパターンは3通りある。人間が運用を停止したとき、機械が設計寿命を迎えたとき、もはや軌道を維持できなくなったときだ 。  大型の気象観測衛星へ相乗りした軌道投入から半年が経過し、当初400kmあった軌道高度は250kmを切っていた。   低軌道は宇宙空間とされているが、同時に高度1,000kmほどまでは熱圏とよばれる大気構造の中でもある。軌道を変えるには推力が必要だが、ここでは希薄な大気との衝突が抗力を発生させ、軌道高度を低下させる作用をもたらす。 低軌道衛星は高度によって数ヶ月〜数百年といったタイムスパンで空力ブレーキを受け続けているのだ。  緻密な螺旋降下が解けるとき、 遂に軌道は消滅する。衛星は濃い大気圏とまともにぶつかることになり、圧縮された空気が溶鉱炉並みの熱をもつ瞬間が訪れ…。  国際宇宙 ステーションや低軌道の大型衛星は推進系を用いて失った軌道高度を維持できるように設計されているが、小さな衛星はロケットが稼いでくれたエネルギーを失い続けるしかなかった。  もうすぐ、地球は1.5kgの質量を取り戻すだろう。  計画に携わった人工衛星の再突入が迫ったとある夕暮れ。  久しぶりに自宅で衛星追尾をすることにした。 がらくた箱から 手づくりの八木アンテナを 掘り返す。  バルサ材を軸として、ホームセンターで買ったアルミと真鍮の棒をエレメントとして並べた簡素なものだ。何度か自作して、一番コストパフォーマンスが高く、作りやすい素材を組み合わせている。   保管していた 間に曲がったエレメントを一つ一つ手でまっすぐに直す。  こんなアンテナでも、 低軌道衛星が相手なら必要十分な性能がある。    知覚を技術で拡張する遊びは...

白金温度センサで簡易温度測定

白金温度センサ(RTD)は温度係数が規格で定められているので、アナログ回路を積む余裕があって、広範囲の温度を測定したいときに向いている。  素子部がシンプルであることを除けば、ワンチップの温度センサICのほうが楽に測定できてお得なのだが、その場合電源のための配線が増えてしまう。 2線式でよいアプリケーションでは、電流駆動のみで単純化できて、NTCサーミスタのような複雑な換算も不要になるというメリットがある。 DigikeyでVishayのチップRTDを見つけて、下駄基板を作った。 データシート上では、-50℃から150℃程度まで、換算表が記載されている。  被測定物に接着することを想定し、5mm角で、1608と3216のパターンをつなげただけのもの。 どちらかに素子をとりつけ、ハーネスを半田づけする。 基板は0.6mm厚で発注し、表裏はVIAとパターンで熱を伝えやすくしておいた。  RTDには定電流ICによる1mAを与えて、出てきた電圧値を非反転アンプで増幅する。 素子の物理的サイズよっては、1mAも与えると自己発熱が高精度測定を邪魔するようなので、高精度測定では500μA以下に絞ると良さそう。 測定回路は自作のPIC32MXボードにつないだ。 ADCは10ビットで、2048mVの基準電圧(REF3320)を参照させる。  簡易構成用に0.1%精度の100Ω抵抗を買っておいた。 試験として、冷却スプレーを吹きかけて応答を観察してみた。 冷却スプレーといっても、自宅にあったのはフマキラーの凍殺ジェット。 代替フロンとジメチルエーテルによる気化冷却方式で、殺虫成分は含まれていない。 回路基板の温度試験用の冷却スプレーとほぼ同じ使い方ができると思う。 入手性が高いのもポイントだ。  普段は冷却スプレーでTCXOなどを イジメたり 試験しているので、実際の温度変化が知りたくなった。 (換気徹底と、火の気には注意!) まず、10cmほど離して素子に吹きかけると、-46℃を記録した。 製品は気温30℃から-85℃下げられるとあるので、近いところまで下げられているようだ。  あまり近すぎたり、吹きかけすぎても冷媒が気化できずあまり温度が下がらない。 ...

PIC32MMGPLを試す

追記 後発のGPMシリーズが発表された。上位互換になっていて、DMA,I2Cなどが追加されている。  https://www.microchip.com/design-centers/32-bit/architecture/pic32mm-family PIC32MM0064GPL028を入手してみた。 32ビットシリーズとしては、アナログが強化され、独立した周辺モジュールが多数実装されていて、低消費電力設計になっている。 ラインナップが省ピン構成のみなのと、低価格なところはとっつきやすくて良さそう。 (エラッタリストも少なめ)  ROM/RAMの容量が控えめだが、CPUコアはmicroAptiv M14k UCコア(FPUなし)を搭載し、命令セットがmicroMIPSになった。 一応メモリ消費は抑えられている模様。 M14kコアなので、製造プロセスはMZと同じなのかな・・・? 足回りはアナログが強化された8ビットシリーズに似ている。 モーター制御向けの波形生成回路、プログラマブルロジックセル(CLC)や、12ビットADCが内蔵された。  その他、FlashがECC対応だったり、個別にUDID(ユニークデバイスID)を持っていたりと、スマート機器や産業向けの機能が盛り込まれている。 個人的に、HLVDというプログラマブルな電圧検出モジュールが気になっている。 18Fシリーズなどから搭載されていた機能で、バッテリの等の非安定化電圧のスレッショルド検知にADCを使わずに済む様子。  早速、SSOP28なものをサンプル購入したので、下駄基板を設計してelecrowに発注した。 プロトタイプ用なので、最小限の電源まわりの実装と、水晶発振子のパターンを実装した。 書き込み出来ないんだぜこれ  基板はきれいに仕上がったけれど、MCLR端子を外に引き出し忘れるという重大な設計ミスが発覚。  仕事疲れでMPが減っているときに趣味設計に走る場合、根本設計のポカミスに注意が必要だ((泣)。 とはいえ小規模試作にしか使わないので、UEWを一本延ばす必要が生じるだけではある・・・。 早速MPLAB Code Configurator(MCC)でピン設定を行い、レジスタをセットしてみた...

大型パラボラアンテナの時代

昔のSFチックな映像作品だと、やたらとパラボラアンテナが並んでいたものだけれど、その近未来感は、大容量の海底ケーブル、地上回線、携帯電話網に置き換わりつつある。 先進国では、アンテナという用語を、画面隅のピクトグラム以外に意識しない世代が育ちつつあり・・・ ****** 府中には浅間山(せんげんやま)がある。 標高は80mほどだが、林の中は整備されていて居心地が良い。自転車散策の途中で立ち寄ってのんびりする場所の一つ。 整備された登山道を登り、新小金井街道が見渡せる場所に立つと、北西の方角も森になっていて、木立の間から、パラボラアンテナが2基そびえ立っているのが見える。  写真は4月に撮影したもの。  もともと在日米軍の通信設備で、調べるといろいろな資料が見つかる。 冷戦当時は全国に同様の中継局が置かれ、専用回線を構成していた。 返還後も解体されずに朽ちるままとなっているようだ。  このパラボラは、対流圏散乱波通信に使われていた。 見通し外通信の一種で、対流圏で僅かに電波が散乱されることを利用する。 電離層を利用する短波帯などと比べ、太陽活動や季節の影響を受けにくい利点がある。 ただし、減衰が大きいため大掛かりなアンテナと送受信設備が必要になった。 見通し外通信といえば、月を利用するものもある。 文献を漁ると、宇宙開発初期の時代には、NASAが世界各地の深宇宙局の時刻同期をとるために、月面反射通信を利用していたという。 もっとも、当時は原子時計がまだ大規模すぎて、各地に配備できなかったという事情があるようだ。  こうした設備も、60年代からは衛星通信などに置き換わっていった。  60年代の通信衛星についてのドキュメンタリーがYoutubeで見られる。 通信衛星といっても、パッシブな風船、エコー衛星と、商業衛星として有名になったテルスターについてのもの。 どちらも初期特有の独特な衛星だ。  宇宙に中継点を置くために試行錯誤していた時代。 アンテナの形態も、技術や周波数、通信対象の変化で時代とともに移り変わっていく。 最近は老朽化した大型アンテナの解体や、更新の時期にあるようなので、いつまでも建っているとは限らない。  今後大型...

VHF用クロスダイポールの試作

1mの真鍮パイプ(Φ=3mm)を2本使って作れるVHF用クロスダイポールアンテナ。 ISSの周波数にあわせて、145.8MHzでMMANA上で最適化をかけたところ、1mのパイプ2本を折り曲げるだけで作成できることがわかった。 材料削減と製作の手間軽減につながる。 真鍮パイプは524mm /476mmとなる位置で直角に曲げる。 万力に片方を固定して、管が潰れないようにゆっくりと曲げた。 配置は同じ長さの辺が一直線に並ぶように配置し、給電点に繋ぐ。 VHFだと、1mを超える大きさになるので、今回は秋月のハーフサイズのC型基板に錫めっき線で固定して、基板用のBNCコネクタをハンダ付けした。 基板はもう一枚使って、化粧板にしてみた。 感度は問題なし。 VHF帯のAPRSビーコンで試しても、拾ってもらえるようになった。 この場所だと付属のホイップアンテナではたまにしか通らない。 何度かテストしたら、受信局に接続して運用をはじめたい。

[KSP]KSP的イオンエンジン探査機

宇宙開発ゲーム Kerbal Space Program(以下KSP)には、イオンエンジンがある。 キセノンタンクと電源があれば、やたら⊿Vを確保できるので、惑星間航行にはおあつらえ向きだ。 問題はTWRが低いのと、割と電力を必要とすること。 とはいっても、単体でMinmusレベルの天体に着陸するには十分なパワーを持っている。  公式のサンプル機体のひとつに、イオンエンジン探査機が含まれている。 RTG2本が電源で、最初の頃はフルスロットルだと直ぐ電力が尽きるので使えなさそう、と思いこんでいたが、単純に電力が足りないなら推力を絞ればいいということに最近ようやく気付いた。  スロットル15%ほどであれば、キセノンが尽きるまで推進し続けることができる。 惑星等の影にはいっても加速を続けることができるので、太陽電池よりも使い勝手が良かった。  いずれにしても、噴射中はゲーム内時間を操作できないので、イオンエンジンを運転しているとかなりの時間が必要になる。 試しにサンプル機体からバッテリを外し、低軌道から連続運転してみた。軌道進行方向へ姿勢制御しつつ噴射し続けた結果、30分で(Kerbalの)第二宇宙速度に到達した。 TWR1超えの液酸エンジンを選べば2分程度で終わる工程だけれど、かなり現実離れした性能をもっている。 キセノンタンクは大型タイプもある。 どうせならフルスロットル可能な電力を確保したい。 簡単に作ると下のようになった。 ステーション向け大型太陽電池アレイを取り付けたもの。 KSPの太陽電池は、設置型と展開式にわけられる。 小型展開式は設置型パネルを6枚並べた面積をもち、設置するだけで太陽を自動追尾してくれる。 大型の展開パネルは上の写真のとおりで、一基だけで有り余るエネルギーを発電してくれる。 便利ではあるが、ロマン成分が足りないので、パネル選択をこだわってみた。 V1.1のイオンエンジン一基はフルスロットルで、6枚パネルx4程度の電力を消費する。 惑星間では太陽と推進軸は垂直に位置する事が多い。 今回はパネル角固定縛りで設計してみた。 惑星間をゆく探査機は、太陽に盾を向ける騎士みたいなイメージを勝手に抱いている。 打ち上げ機 3段式 V1...