2018/01/15

計測器を繋ぐ

 ここ数年、設計した基板の通電検査、動作電流デバッグ、アナログ部の検査のため、いろいろなベンチトップ計測器を導入してきた。

  必要に応じて実績解除していくのは楽しい。
 振り返ると、8年前の計測環境といえば、秋月のP-10とクリスタルイヤホンだけだったなぁ。
 (UART信号の有無を音で確認していたあの頃)

ラックの構成


計測器


Agilent(Keysight) 34401A  6桁半マルチメータ

 最初のベンチトップ レンタル落ち品を計測器ランドで入手

Agilent E3642A  プログラマブル50Wシングル電源

 オークションにたくさん出ていたので、1万円台で入手。
 ファンの風切音がうるさいが性能は問題なし。 負荷変動の急峻な回路でもちゃんと追従してくれている。

ADVANTEST R6142   直流電圧電流発生器

 オークションで入手。 アナログ回路のリファレンスとして利用。
 届いてしばらく出力をモニターしてみると、初日はかなり値がドリフトしていたが、そのまま2日ほど通電していたところ、変動が収束し、カタログスペックを満たすようになった。  長期間未使用だったのが原因だろうけれど、 コンデンサ周りか、リレーの端子に酸化膜でも形成されていたか・・・

制御機器


Shuttle DS47  (Windows10)
貰い物のデジタルサイネージ用ファンレス機。 物理的なポートが豊富。 メインのデスクトップからリモート接続している。 アジレントの筐体の横に差し込んである。

途中までは一部の機器だけRS-232で接続していたが、最終的にUSB GP-IBアダプタと、15cmのGPIBケーブル2本を購入し、3台同時に接続。 
CPUはSandy世代で非力なため、純正の計測統合環境だと動作が重い。
ということでPyVISAも導入。


R6142だけはIDの設定に手こずったけれど、何度か変更しているうちに、コマンドを受け付けるようになった。 
これでPythonスクリプトを書けば、GPIB経由で各機器を制御できる。 
とりあえず、電源装置で出力をチカチカするスクリプトからはじめた。 

2017/12/02

PIC32MZ基板


 趣味用にPIC32MZ 144ピンパッケージの試作基板を起こした。 最近は秋月でも石単体で取り扱いがある。

 最安値のPCB製造サービスをつかうため、5x5cm 2層基板で作成。
送料含めて8ドルくらいで届く。

 残念ながら回路図上で、10箇所のうちの4箇所、VCCとVSSを逆配線してしまった。 逆接箇所は足元のパターンにカプトンを張って絶縁し、外周配置のパスコンを起点に0.1mmのUEWで交差接続してリワークしている。

 回路図シンボルの端子配置を実体と同じ配置にするときは、VDDとVSSの取り違えに注意しないといけない。  こうしてチェックリストが更新され、趣味基板上のミスも減っていく(はず)


仕様

・実装クロック 24MHz(OSC)、32.768kHz(OSC)
・6ch UART(うち1chはRS422ドライバに接続)
・内部SPI (microSD, SPI-FRAM)
・内部I2C (MPU-9250)
・外部I2C,SPIポート(独立)
・USB-host
・CAN(ドライバIC)
・UART1ch、USB用の電源制御(バススイッチx2)
・16ビットパラレル入力(SH 20p)
・ADC8ch以上、GPIO(SH 20p)、PWM 6ch
・Vref: 2048mV
・LED x2

 大半のバスはPPS上の割当なので、MPLAB Harmony上で予め設定している。
2層でGNDプレーンをあるていど確保するため、パッケージのポート配置に逆らわず、最短でコネクタに逃がす。 SHやGHなどをそれなりにカシメられるクリンプ工具(PAD-11)を導入してあるので、ハーネス自体は作り放題。
セカンダリオシレータの低速クロックまでXTじゃなくてOSCにしたのは、現行リビジョンのエラッタ回避のため。 それほど大きさも変わらなくて消費電流もμAレベルなので、容量の調整の手間を考えるとこれで良いかもしれない。

発熱の観察



 パッケージの発熱を熱画像で見てみる。発熱でダイパッド(ダイを載せるプレート)の構造が見えている。放熱経路は、ダイパッド-樹脂パッケージ-基板となる。
  200MHzのクロックだと、今の時期で人肌程度なので、ほんのり温かい程度。

 高クロックで常用するなら、4層基板を使い、ダイパッドが露出したQFNタイプを実装するほうが熱抵抗が低く、放熱の面で有利になる。

資料:データシート上の熱特性。

(忙しいと積む基板が増える・・・)

2017/11/24

FLIR ONE proを試す

 熱源が恋しいこの季節、 FLIR ONE pro (iOS版)を入手したので、安価なサーマルカメラの使い勝手を試してみた。 


 ここ1年ほどゴツいケースに目覚めて、CATが販売しているiPhoneケースを使っている。
 さすが、FLIRを内蔵したスマートフォンをだしているだけあって、あつらえたようにピッタリ。

 第三世代のFLIR ONEはコネクタの高さをネジで調節できるため、この分厚いケースにも直に取り付けることができた。 ケース厚はおよそ4mmほど許容できるようだ。

Proはノーマル版と比べて値段が張るけど、-60℃から150℃、0℃から400℃の2つの測定レンジが選択できる。 動作はやや遅延が大きく、頻繁にキャリブレーションが走る。 内蔵電池の容量は少ないので、こまめな充電が必要そうだ。

PIC32MZの試作基板。 2層基板なので熱分布がけっこう偏っている
 解像度のおかげか、マイコンのパッケージの発熱をみると、ダイを載せるプレートと、対角に伸びるフレームが放熱ポイントとしてうっすら映るのがわかる。

パンフォーカスなのであまり期待していなかったけど、基板の熱分布をみるというのも楽しい。 

アイドル中のRaspi3

 はんだごてが光る

犬も光る 

ソーラーパネルも光・・・ 光っちゃってる

真面目な業務領域としては、ソーラーパネルのメンテナンスによく使われている。 上は一部に影が落ちたセルが発熱している様子をとらえたもの。 ホットスポットとよばれる。
 発電されたエネルギーが熱になっているわけで、セル1列分の電力が無駄になっているし、加熱が劣化を早め、最悪火災につながることもある。
冬は太陽が低く影が落ちやすいので、日照量の減少だけでなく、近辺の柱などの影が発電能力に与える影響も大きい。


Proではただの熱画像のみを表示することもできる。 取り込んだ元画像はVGAまでアップコンバートされていた。 Proの出力画像は複数のデータが同梱されているので、以前のバージョンの出力ファイルから、個別にデータを取り出す例を見つけることができる。


 快晴の冬の空で顕著だが、上空は水蒸気が少ないので、熱放射が宇宙へ逃げていき、温度は測定限界以下となる。  
 放射冷却をバックグラウンドに、構造物を撮るとその対比がきれいだ。