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Nexus5X(と寄り道)

いまさらだが、Androidアプリの作成をしてみたくなって、開発機としてNexus5Xを調達した。
 端末のセンサ値をテレメトリみたいに長時間ロギングしてみたいとおもったが、手元にはセンサを積んだ新しめの機種がなく…。

 Nexus5xには製造不良が原因とされるbootloopといった有名な不具合があり、保証切れの個体がオークションで放流されているため、最初は取り寄せてあそんでみることにした。 結局、安定しなかったので 開発機は新品を購入して運用中。

 起動不良を抱えた個体を分解してみた。
分解についてはiFixitに詳細なレポートがある。分解はプラスチックの爪を外すだけなので容易く、基板は数か所のねじを外すだけでアクセスできる。 裏蓋などの分離する筐体にケーブルは伸びておらず、フレキシブルアンテナや指紋センサ、オーディオジャックは基板に配置された金属端子の接触のみで接続されている。基板につながるフレキ端子はLCD、バッテリ、二つのカメラモジュールのみだ。
今どきの端末はかなり設計の合理化が進んでいて、バラしやすい。

 背面カメラはIMX377で、1200万画素、1/2.3型CMOS。 手持ちのTG-4と比較すると、オートホワイトバランスがちょっと頼りないけれど、画素サイズとレンズのおかげか、細部ははかなりシャープに映る。 5Xだと手振れ補正が無く、シャッターボタンを押してから動きの少ない瞬間を狙ってキャプチャしているっぽいので、光量がある場面ではかなり強い。
全球撮影やパノラマモードみたいな撮影についてはAndroidのほうが気に入っている。

 話を基板に戻すと、SoCを覆う金属シールドもツメになっていて、簡単に開く。
放熱シートを介して、DRAMがPoP実装されたCPUが出てくる。 素子を放射温度計でモニタしながら、ヒートガンであぶってはんだクラックの対処をしてみると、たしかにある程度起動しつづけるようになった。
 ただ、2日目に急速充電をテストした際に発熱が増え、bootloopが再発。 常用は難しそうだと見限ることにした。 あとから買った新品と比べると、負荷をかけたときの発熱が多いのも気になった。 バッテリ端子を外して絶縁し、保管中。


 SoCの裏側に、スマートフォン全体の電力管理パッケージが実装されている。
統合チップのデータシートのブロック図を読むと、
・バッテリ管理
・各種電源用DCDC回路
・ハウスキーピング(各部温度、電流電圧モニタリング)
・LEDドライバ
・振動モータードライバ
・待機系

といったものがワンチップになっている。 コンデンサいっぱい。 あとところどころにエミフィルがある。
 仕事で作っている基板の機能図とかぶっていて、個人的にこの部分の仕様を追うのが楽しかった。ここまで統合はされてないものの、太陽電池を電源に、バッテリで動く無線局ということで結果的に同じシステムブロック図が出来上がるのだった…。

 センサまわり。気圧センサと地磁気センサ?が見える。 LEDライト/フラッシュの隣には、レーザーフォーカス用のToFレンジファインダがある。 時期的に以前、単体で動作実験していたものと同じ型番だろうか。

はじめてのUSB-Cな端末で、接続についてはいろいろと参考になった…。机の上にPCにつながったUSB系コネクタが勢ぞろいしていて面倒になりつつある。
試しに4つ全部違うコネクタの端末をつないでみた。
AppleのLightning, USB-typeC(Nexus5X), microUSB(Xperia Ray), mini-B(HTC-03A)


MVNOのデータSIMのサイズ変更(micro→nano)するために、再契約までしばらくはiPhoneをルーターにして、省エネなBluetoothテザリングをすることにした。 この機種はバッテリの容量が少ないため、Wifiオフが結構効いてくる。

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Arduino Nano Everyを試す

 秋月で売っていたAtmega8と、感光基板でエッチングしたArduino互換ボードを製作してみて、次に本家ボードも買って…  と気が付いたら10年が経過していた。  ハードウェア的な観点では、今は32bitMCUの低価格化、高性能化、低消費電力化が著しい。動作周波数も100MHz超えが当たり前で、30mA程度しか消費しない。  動作電圧範囲が広く、単純な8ビットMCUが不要になることはまだないだろうけど、クラシックなAVRマイコンは値上がりしており、価格競争力は無くなりつつある。 そしてコモディティ化により、公式ボードでは不可能な値付けの安価な互換ボードがたいていの需要を満たすようになってしまった。     Arduino Nano Every https://store.arduino.cc/usa/nano-every https://www.arduino.cc/en/Guide/NANOEvery  そんな中、Arduino本家がリリースした新しいNanoボードの一つ。  他のボード2種はATSAMD21(Cortex-M0+)と無線モジュールを搭載したArduino zero(生産終了済み)ベースのIoT向けボードだが、 Nano EveryはWifi Rev2と同じくAtmega4809を採用していて、安価で5V単電源な8ビットAVRボードだ。  Atmega4809はATmegaと名がついているが、アーキテクチャはXMEGAベースとなり、クラシックAVRとの間にレジスタレベルの互換性は無い。   https://blog.kemushicomputer.com/2018/08/megaavr0.html  もちろん、ArduinoとしてはArduinoAPIのみで記述されたスケッチやライブラリは普通に動作するし、Nano Every用のボードオプションとして、I/Oレジスタ操作についてはAPIでエミュレーションするコンパイルオプション(328Pモード)がある。 公式のMegaAVR0ボードはどれもブートローダーを使わず、オンボードデバッガで直接書き込みを行っている。  ボードを観察してみると、プログラマ・USBCDCとしてATSAMD21が搭載されている(中央の四角いQFNパッケージ)MCU的にはnEDBG

【サボテン】太陽電池の結線

 久しぶりにサボテン計画。 忙しかったり投薬治療直前でだるかったりして、かなり放置していた。 さぼてんも不機嫌そうだ。 せっかくなので、園芸用の水受けに移す。  関節痛で寝込んでる間に、エイプリルフール終わってましたね^^・・・。  太陽電池の展開機構を想像したが、まずは太陽電池の結線を済ませよう。  配線を綺麗にまとめたくていろいろ探していたら、千石電商でぴったりなものを見つけた。 LEDリング基板 というらしい http://www.led-paradise.com/product/629?  本来はチップLEDをリング状にまとめる代物。 イレギュラーな使い道だ。   今度は小径のを買って、GX200のリングライトに仕立て上げよう。   嬉しいことにフレーム径にジャストフィット。 配線を綺麗にまとめられた。   太陽電池の接続部。逆流防止用にショットキーダイオードを入れている。 かなりスッキリ。 蛍光灯下 500ルクスでの実験。 EDLCは10Fを使用。  ちゃんと充電が行われている。 といっても、とてもとてもゆっくりとだけれど・・・。

ATmega4809(megaAVR0)を試す

megaAVR 0という新しいAVRシリーズを試してみた。  小さいパッケージなのに、UARTが4本もあるのが気になったのがきっかけ。 登場すると噂の Arduino Uno Wifi rev2  にも採用されるらしい。  簡単にデータシートを眺めてみると、アーキテクチャはXmegaシリーズを簡素化し、動作電圧範囲を広げたもののようだ。  CPUの命令セットはAVRxtと新しくなっているが、Xmegaで拡張された一部の命令(DESやUSBで使われる命令)が削除されていて、基本的に今までのATmegaとほぼ同じだ。  コンパイラからは、先に登場した新しいtinyAVR0, tinyAVR1シリーズと共にAVR8Xと呼ばれて区別されている。  CPU周りを見てみると、割り込みレベルなど、今までのクラシックなATmegaで足りないなと思っていたものがかなり強化されていた。 ArduinoAPIを再実装するとしたら便利そうなペリフェラルもだいたい揃っている。 データシート P6  DMAは無いけれど、周辺機能にイベント駆動用の割り込みネットワークが張り巡らされているのがわかる。  できるだけCPUを介在させない使い方がいろいろ提案されているので、アプリケーションノートやマニュアルを読み込むことになる。 ピックアップした特徴 ・データメモリ空間(64kB)に統合されたFlashROMとEEPROM ・RAM 6kB ROM 最大48kB (メモリ空間制限のため) ・デバッグ専用の端子 UPDIを搭載 ・優先度付きの割り込み(NMIと2レベル) ・ピン単位の割り込み(かなり複雑になった) ・リセットコントローラ(ソフトウェアリセット用レジスタが実装され、リセット原因が何だったかもリセット後に読み出せるようになった) ・豊富な16ビットタイマ(4809では5基) ・16ビット リアルタイムカウンタ(RTC) ・豊富な非同期シリアル/同期シリアル(USART 4ch、SPI 1ch,TWI 1ch) ・内蔵クロックは最高20MHz(PLL)と32kHzの2種類。外部クロックは発振器と時計用水晶のみ ・ADCは10bit 16ch ・内蔵VREF電圧が5種類と多い(0.55V,1.1V,1.5V.2.5V.4.3V

GPSアンテナをつくる

GPSアンテナを作ってみた。 1575MHzの波長は約19cmなので、半波長で9.5cmとなる。 GHz帯とはいえ、結構長いものだなぁ。 セラミック等の誘電体がなければ、平面アンテナで真面目に半波長アンテナを作ろうとすると手のひらサイズの面積が必要になってしまう。 普通のダイポールだと指向性があるので、交差させてクロスダイポールにする。 屋外地上局のアマチュア衛星用アンテナの設計をそのまま縮小したもの。 水平パターンはややいびつ 92.2mmの真鍮の針金(Φ=0.5mmくらい)を2本用意して、42.3mmで90°に曲げる。 長さの同じ素子同士を並べて配置する。 (全長が半波長より長い素子と短い素子が交差した状態) 片方をアンテナ信号線、もう片方をGNDにつなげば完成。 実際5分くらいでつくったけれど、果たしてどうだろうか。 今回は、道具箱に眠っていた表面実装タイプのMT3339系モジュールに取り付けた。 アンテナはもともと3x1.2mm程度のとても小さいチップアンテナで、 LNAが入っているけど感度が悪かったのでお蔵入りしていた代物。 最近の携帯機器はみなアンテナに厳しい。 さて・・・ クロスダイポール版モジュールをPCでモニタしたウインドウ(左)と、QZ-Rader画面 東側に建物遮蔽があるので、そちら側の衛星はSNが悪い。 とりあえず補足できた衛星数はシミュレーションされたものとほぼおなじだった。 アンテナの角度をいろいろ振って、逆さまにしてもロストすることはなかった。 セラミックのパッチアンテナレベルにはなったかな・・・。 簡単にできてそれなりに測位するけれど、携帯性は皆無になった。 あと、近接周波数の干渉を受けやすいかもしれない。 GPSアンテナのDIY例としては、QFHアンテナもある。 ラジオゾンデなどで使われている例がある。 いつもお世話になっているQFHアンテナ計算シートのサイト https://www.jcoppens.com/ant/qfh/fotos_gps.en.php ヘリカルアンテナは加工精度の難易度が上がるので、今回はクロスダイポールにした。 GNSSとなると、複数の周波数のために調整されているセラミックパッチアンテナが有利だと思う。 セラミックパッチア