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Arduino CLIの導入

Arduinoのコマンドライン環境 arduino-cli を触ってみる。

屋外設置のRaspberry pi3A+に導入し、接続した独自ボードに書き込みができる環境を構築してみた。 結論から言うと、一度コンフィグが済んでしまえば、コンパイル、アップロードはとても快適。 

手順を調べた時の環境 (2020年4月)
実行環境 :  Raspberrypi 3A+ , Raspberry pi 3B, RaspberryPi4B(4GB)
OSはRaspbian Burster(v7)で共通

バイナリ: arduino-cli_0.10.0_Linux-ARMv7.tar.gz
SSHターミナル:MovaXterm (Windows10)
ボード: Arduino Uno,  Arduino互換機 (Sanguinoベース)

最初の工程は大まかに4つ (2020年5月現在)

1 最新バイナリを任意のディレクトリに設置。バイナリはPathを通しておく
        RaspianだとLinux ARM 32bitでよいはず(そのうち64bitバージョンになりそう)

2 初期設定
       作業フォルダの設置
        Configファイルの初期化(ホームディレクトリに.arduino15が生成される)
                 $arduino-cli config init    
3 ボード関連のインストール 
       ボードインデックスの初期化
            $arduino-cli core update-index
        (確認)インストール可能なボード定義一覧のリスト表示
                 $arduino-cli core search
        ボード定義のインストール (リスト表示したIDを指定)例えば、
                $arduino-cli core install arduino:avr
        (確認)インストール済みボード定義の表示
                $arduino-cli core list
4 コンパイル、アップロードのテスト
        スケッチの作成
             $arduino-cli sketch new  test
                (ホームディレクトリにtestという名のディレクトリと、同名の.inoファイルが生成される)
        コンパイル(Ardiono UNO向け)
                コンパイルはボード名とディレクトリ名を指定するだけ
                成功するとアップロード用のバイナリがスケッチディレクトリに生成される
            $arduino-cli compile -b Arduino:avr:uno test
        アップロードのテスト (ボードをttyUSB0に繋いでいるとする)
                $arduino-cli upload -p /dev/ttyUSB0 -b arduino:avr:uno test
         
        (コンパイルできたら)何もしないスケッチなので、blink等をtest.inoに記述してみる
          ライブラリは、従来通りにスケッチが保存されるディレクトリにlibrariesフォルダを作成し、その中に置くだけでよい。                                
    
(任意) サードパーティのボード定義の追加、環境設定
        .arduino15内のarduino-cli.ymlの編集
              スケッチ設置場所の指定(デフォルトはホームディレクトリに生成されるArduinoフォルダ)
            (任意)additional urlsへ ボード定義の追加
             その後のインストール作業などは手順3以降の手続きを踏襲
     
  最初はコンパイルやアップロードのボード指定、ポート指定などがとっつきにくいが、随所でヘルプ(-h)を確認しながら慣れるしかない。コンパイルとアップロード回りはたくさんのオプションが存在する。
 
 ターゲットが固定であるなら、board attachでスケッチとボード、ポートを紐付けておくと楽。

     ボード定義には、名前のほかに、オプションで動作周波数やマイコン型番をリスト選択できるものがある。boardコマンドで確認してみよう。
    あらかじめarduino:avrをインストール済みであれば、MegaやPro miniがそれにあたる。
インストール済みのボード一覧を表示
            $arduino-cli board listall (インストールではなくリストオール)
ボードの詳細を確認(Arduino pro miniの場合)
            $ arduino-cli board details arduino:avr:pro
            Board name:     Arduino Pro or Pro Mini
            Required tools: arduino:avr-gcc                   7.3.0-atmel3.6.1-arduino5
                            arduino:avrdude                   6.3.0-arduino17
                            arduino:arduinoOTA                1.3.0
            Option:         Processor                         cpu
                            ATmega328P (5V, 16 MHz)         ✔ cpu=16MHzatmega328
                            ATmega328P (3.3V, 8 MHz)          cpu=8MHzatmega328
                            ATmega168 (5V, 16 MHz)            cpu=16MHzatmega168
                            ATmega168 (3.3V, 8 MHz)           cpu=8MHzatmega168
オプションとして、動作周波数の設定とマイコン型番の組み合わせが確認できる。
コンパイルやアップロード時に指定するときは以下のようにcpu=を追記する。
            $arduino-cli compile -b arduino:avr:pro:cpu=8MHzatmega328  test

その後、Ubuntu20.04をインストールしたRaspberry pi4でも64ビットバイナリで同じように構築できた。    
CUIの良いところは、非力な環境でも使えること。Pi zeroやPocketBeagleでも実行できるので、SSH接続で書き換えられる超ミニマムな開発環境となった。Arduinoレベルでも開発環境の整備って大変なので、VMイメージやddしたSDカードイメージとして管理できるのは楽。

PocketBeagleを組み込んだボード 
性能はPi Zeroとだいたい同じだがCortex-A8。アーキテクチャがオープンなのと、I/O用サブコアが混載されているので弄り甲斐がある

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