CMOSカメラのOV7670を使って、RAW画像を取得し、PCで現像してみた。
その頃作ってた改造おもちゃデジカメ
ところでOV7670のRAW画像を見るには…
やっとのことで本題に入ると、フリーの画像編集ソフト IrfanviewのRAWデコードプラグインを使って任意の解像度のRAW画像を表示する方法。
準備として、Irfanviewのサイトから、本体と、プラグインの詰め合わせをダウンロードしインストールしておく。
それから、ターミナルのログの拡張子を.rawに変更しておく。
Raw画像の復元に必要な情報は縦横のピクセル数と、データ中のRGBのカラーフィルタの並び順。 とりあえず、横のピクセル数が合っていれば画像としては見えるようになる。
快晴下での撮影サンプル。細かいものを写すと、けっこう偽色が発生しているのがわかる。このへんは現像のパラメータをいじることができれば多少は改善するかもしれない。 Irfanviewでは現像パラメータの調整項目は無いので現像は下記参照。
ここで冒頭で触れたおもちゃデジカメが再登場する。STV0680を搭載したカメラから出力されたRAW画像については、過去にSILKYPIXがサンプルプログラムを出していて、結構綺麗に現像できた。
GoogleのPicasa3は、なぜかSTV0680系のカメラで撮影されたRaw画像を正常に表示できる。
Twainドライバが提供されていた名残りで、プロファイルを格納しているのだろうか?
ST製のCMOSセンサがOV7670と違う点は、センサの出力が644x484ピクセル(32万画素)であるということ。OV7670よりやや広い。
ということで、OV7670の読み出し時に32万画素になるよう、縦横に4バイトのダミーピクセルを付加して読み出しを行った。 その結果、ターミナルのログデータを.raw拡張子に変えた時点で、Picasa3のビューワでは画像として閲覧できるようになった。
(最初色がおかしかったのはデータ先頭に無駄なターミナルの送信文字が混入していたためで、ログしない設定にしたあとでは問題なく表示できた)
RGBが正しく表示されるのは、読みだした画像が鏡像反転している(デフォルト)時で、レジスタで反転してしまうとカラーフィルタの順序が変わってしまい、Irfanviewでのみ正しい色をデコードできる。
Picasa3で正しく表示できたら、RAW現像ソフトを使ってみよう。UFRawというフリーソフトを使って、ある程度は露出やガンマ、彩度などを劣化なしで調整できる。
こちらでもカメラ名はSTV0680として認識された。
調整はできるけど、破綻しない範囲はそんなに広くない。
今は懐かしいSYLKYPIXのSTV0680用評価ソフトをXPのネットブックで立ち上げ、ファイルを出力してみる。
ちょっと赤っぽく調整してしまったが、発色が強調されている。
ここに使った写真は、開発中の基板のもので、何故か階調が飛び飛びになって縞々が発生している。 別に基板を起こしたボードでは縞々は出なかった。
OV7670ではフォーマットと出力解像度が複数選べるが、スケーリングによるサイズ設定はフォーマット毎に癖がある。RGB565だと、QQCIF(88x72)サイズまで安定して出力できた。 YUVはQQCIFが安定せず、RAWは実質VGAだけとおもったほうがよさそうだ。
電源の3.3V化改造を行ったArduino MEGA(1280)にビデオFIFO付きOV7670モジュールをとりつけて画像取得の実験をしている。 製造時期により、若干設計が違う製品がAliexpressでは入り乱れている。 トラ技のOV7670特集より以前に買っていたので、リビジョンが一つ古く、回路図が変更されていることに気づかず結構時間を取られた。 (古いモジュールはFIFOのWRSTが引き出されていて、VSYNCと繋がっていない)
画像データ自体はビデオFIFO(AL422B)によって、カメラ側のクロックを気にせず好きなタイミングで読み出し可能だ。なので、あとはどういった解像度やフォーマットを選ぶかとなる。目的によって様々なサイズやフォーマットを使い分けることになるが、今回はVGAサイズの静止画を撮ることだけを考えてみたい。
ということで、CMOSセンサの出力フォーマットの生の値である、BayerRAWで撮ってみた。
このFIFOつきカメラモジュールでVGA解像度を取得するなら、これが一番簡単だ。
このFIFOつきカメラモジュールでVGA解像度を取得するなら、これが一番簡単だ。
OV7670の主な画像出力形式は次に示すものとなる。
・YUV : 16bit/pixcek(4:2:2) ビデオ機器の色空間
・RGB : 16bit/pixcel(565) ビットマップ
・RAW : 8bit/pixcel センサの画素の生出力。
YUVとRGBはOV7670の内蔵DSPがエンコードした色空間フォーマットで、本来1画素1色しか表現できない一般的な撮像素子で、隣接する画素から色情報を補完したもの。
対してRAWは、画素毎のアナログ処理を経た生データ。 受け取った側では、画素上のベイヤーパターン(カラーフィルタの配列)と、縦横解像度の情報を元に色情報を補完(現像)する必要がある。
単純にデータサイズで見れば、RAWで出力するとデータ量は1バイト/Pixcelで済むため半分になり、384kBのFIFO付きモジュールでVGAサイズ1枚の画像を取得することができる。
(YUV、RGBでもウインドウ機能を使って、FIFOの容量に収まるウインドウサイズ設定での取得は可能)
対してRAWは、画素毎のアナログ処理を経た生データ。 受け取った側では、画素上のベイヤーパターン(カラーフィルタの配列)と、縦横解像度の情報を元に色情報を補完(現像)する必要がある。
(YUV、RGBでもウインドウ機能を使って、FIFOの容量に収まるウインドウサイズ設定での取得は可能)
デジタル一眼レフで出力できるRAW画像は、1画素あたり16bit以上と階調が増えるため、よりダイナミックレンジの広い画像が撮影できる。
実は高級なデジタルカメラでなくても、RAWフォーマットを採用していたカメラは過去に存在した。 カメラ付きケータイが出始めた頃、まだ高価なデジタルカメラの隙間商品として、30万画素、ディスプレイ無し、SDRAMに26枚撮影、というようなスペックのデジカメが流行っていた。そのころはまだおもちゃデジカメと呼ばれていたものだ。
その頃作ってた改造おもちゃデジカメ
このおもちゃデジカメの機種を幾つかコレクションしている。(冒頭の機種はChe-ez!SPYZ)
SDRAMの容量は8MBしかないが、VGAサイズで26枚撮影できる。 RAM容量の節約のため、RAWのまま保存し、PCの読み出し時に専用ソフトで現像する方式だった。
まだフォーマットを良く知らなかった高校の頃は、一枚約300kBしかないデータからどうやって900kBものビットマップ画像が生成されるんだろうかと不思議に思っていた。
SDRAMの容量は8MBしかないが、VGAサイズで26枚撮影できる。 RAM容量の節約のため、RAWのまま保存し、PCの読み出し時に専用ソフトで現像する方式だった。
まだフォーマットを良く知らなかった高校の頃は、一枚約300kBしかないデータからどうやって900kBものビットマップ画像が生成されるんだろうかと不思議に思っていた。
ところでOV7670のRAW画像を見るには…
やっとのことで本題に入ると、フリーの画像編集ソフト IrfanviewのRAWデコードプラグインを使って任意の解像度のRAW画像を表示する方法。
準備として、Irfanviewのサイトから、本体と、プラグインの詰め合わせをダウンロードしインストールしておく。
それから、ターミナルのログの拡張子を.rawに変更しておく。
Raw画像の復元に必要な情報は縦横のピクセル数と、データ中のRGBのカラーフィルタの並び順。 とりあえず、横のピクセル数が合っていれば画像としては見えるようになる。
うまくプラグインがインストールできていれば、RawファイルをIrfanviewで開いた時に以下のウインドウが出現する。
設定項目
・画像の横幅、縦幅: 640x480
・ピクセルの階調: 8bit Pixcel
・個々のピクセルとフィルタの対応: Bayer Pattern usedの項目で、 GR, RG, BG,GBから選ぶ
うまく設定できると、まともな画像がデコードできる。 以下作例。 VGAサイズでの取得。
色がおかしい時は、Bayer Patturnを変えてみると良い。取得設定によっては、ピクセルがズレて正しい配列になっていないことがある。
ちなみに、このプラグインでは2byte/PixcelのRGB画像もデコードして表示できる。 16BPPの項目で、目的のRGBフォーマットを選ぶだけだ。
色がおかしい時は、Bayer Patturnを変えてみると良い。取得設定によっては、ピクセルがズレて正しい配列になっていないことがある。
ちなみに、このプラグインでは2byte/PixcelのRGB画像もデコードして表示できる。 16BPPの項目で、目的のRGBフォーマットを選ぶだけだ。
ピンぼけ気味 |
レジスタ設定も関係してくるが、室内光で数メートル以内の対象を撮影すると思ったより綺麗に写る。 おもちゃデジカメでも同じ傾向があった。 30万画素のカメラはレンズも相まってたいてい近眼である。
快晴下の公園の木々。偽色が発生している。 |
ここで冒頭で触れたおもちゃデジカメが再登場する。STV0680を搭載したカメラから出力されたRAW画像については、過去にSILKYPIXがサンプルプログラムを出していて、結構綺麗に現像できた。
OV7670の画像をPicasa3で表示したり、フリーソフトでRAW現像してみる
GoogleのPicasa3は、なぜかSTV0680系のカメラで撮影されたRaw画像を正常に表示できる。
Twainドライバが提供されていた名残りで、プロファイルを格納しているのだろうか?
ST製のCMOSセンサがOV7670と違う点は、センサの出力が644x484ピクセル(32万画素)であるということ。OV7670よりやや広い。
ということで、OV7670の読み出し時に32万画素になるよう、縦横に4バイトのダミーピクセルを付加して読み出しを行った。 その結果、ターミナルのログデータを.raw拡張子に変えた時点で、Picasa3のビューワでは画像として閲覧できるようになった。
(最初色がおかしかったのはデータ先頭に無駄なターミナルの送信文字が混入していたためで、ログしない設定にしたあとでは問題なく表示できた)
RGBが正しく表示されるのは、読みだした画像が鏡像反転している(デフォルト)時で、レジスタで反転してしまうとカラーフィルタの順序が変わってしまい、Irfanviewでのみ正しい色をデコードできる。
Picasa3で正しく表示できたら、RAW現像ソフトを使ってみよう。UFRawというフリーソフトを使って、ある程度は露出やガンマ、彩度などを劣化なしで調整できる。
こちらでもカメラ名はSTV0680として認識された。
調整はできるけど、破綻しない範囲はそんなに広くない。
今は懐かしいSYLKYPIXのSTV0680用評価ソフトをXPのネットブックで立ち上げ、ファイルを出力してみる。
ちょっと赤っぽく調整してしまったが、発色が強調されている。
ここに使った写真は、開発中の基板のもので、何故か階調が飛び飛びになって縞々が発生している。 別に基板を起こしたボードでは縞々は出なかった。
OV7670ではフォーマットと出力解像度が複数選べるが、スケーリングによるサイズ設定はフォーマット毎に癖がある。RGB565だと、QQCIF(88x72)サイズまで安定して出力できた。 YUVはQQCIFが安定せず、RAWは実質VGAだけとおもったほうがよさそうだ。