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PIC32MZ基板

 趣味用にPIC32MZ 144ピンパッケージの試作基板を起こした。 最近は秋月でも石単体で取り扱いがある。  最安値のPCB製造サービスをつかうため、5x5cm 2層基板で作成。 送料含めて8ドルくらいで届く。  残念ながら回路図上で、10箇所のうちの4箇所、VCCとVSSを逆配線してしまった。 逆接箇所は足元のパターンにカプトンを張って絶縁し、外周配置のパスコンを起点に0.1mmのUEWで交差接続してリワークしている。  回路図シンボルの端子配置を実体と同じ配置にするときは、VDDとVSSの取り違えに注意しないといけない。  こうしてチェックリストが更新され、趣味基板上のミスも減っていく(はず) 仕様 ・実装クロック 24MHz(OSC)、32.768kHz(OSC) ・6ch UART(うち1chはRS422ドライバに接続) ・RS422ドライバ(EN制御可) ・内部SPI (microSD, SPI-FRAM) ・内部I2C (MPU-9250) ・外部I2C,SPIポート(オンボードとは独立したポート) ・USB-host ・CANドライバIC x 1ch ・UART1ch(3.3V)、USB5Vで電源制御(バススイッチx2) ・16ビットパラレル入力(PMP) ・ADC8ch以上、GPIO(SH 20p)、PWM 6ch ・Vref: 2048mV 外付け ・LED x2  大半のバスはPPS上の割当なので、MPLAB Harmony上で予め設定している。 2層でGNDプレーンをあるていど確保するため、パッケージのポート配置に逆らわず、最短でコネクタに逃がす。 SHやGHなどをそれなりにカシメられるクリンプ工具(PAD-11)を導入してあるので、ハーネス自体は作り放題。 セカンダリオシレータ(32.768kHz)の低速クロックまでXTじゃなくてOSCにしたのは、現行リビジョンのエラッタ回避のため。 それほど大きさも変わらなくて消費電流もμAレベルなので、容量の調整の手間を考えるとこれで良いかもしれない。  ピン数の多いパッケージなので、たくさんのバスを引き出す設定にできて楽だった。 ピンが少ないと、PPSの設定で消耗する。  CPUもリッチで、PIC32MXと比較すると、FP

FLIR ONE proを試す

 熱源が恋しいこの季節、 FLIR ONE pro (iOS版)を入手したので、安価なサーマルカメラの使い勝手を試してみた。   ここ1年ほどゴツいケースに目覚めて、CATが販売しているiPhoneケースを使っている。  さすが、FLIRを内蔵したスマートフォンをだしているだけあって、あつらえたようにピッタリ。  第三世代のFLIR ONEはコネクタの高さをネジで調節できるため、この分厚いケースにも直に取り付けることができた。 ケース厚はおよそ4mmほど許容できるようだ。 Proはノーマル版と比べて値段が張るけど、-60℃から150℃、0℃から400℃の2つの測定レンジが選択できる。 動作はやや遅延が大きく、頻繁にキャリブレーションが走る。 内蔵電池の容量は少ないので、こまめな充電が必要そうだ。 PIC32MZの試作基板。 2層基板なので熱分布がけっこう偏っている  解像度のおかげか、マイコンのパッケージの発熱をみると、ダイを載せるプレートと、対角に伸びるフレームが放熱ポイントとしてうっすら映るのがわかる。 パンフォーカスなのであまり期待していなかったけど、基板の熱分布をみるというのも楽しい。  アイドル中のRaspi3  はんだごてが光る 犬も光る  ソーラーパネルも光・・・ 光っちゃってる 真面目な業務領域としては、ソーラーパネルのメンテナンスによく使われている。 上は一部に影が落ちたセルが発熱している様子をとらえたもの。 ホットスポットとよばれる。  発電されたエネルギーが熱になっているわけで、セル1列分の電力が無駄になっているし、加熱が劣化を早め、最悪火災につながることもある。 冬は太陽が低く影が落ちやすいので、日照量の減少だけでなく、近辺の柱などの影が発電能力に与える影響も大きい。 Proではただの熱画像のみを表示することもできる。 取り込んだ元画像はVGAまでアップコンバートされていた。 Proの出力画像は複数のデータが同梱されているので、以前のバージョンの出力ファイルから、個別にデータを取り出す例を見つけることができる。  快晴の冬の空で顕著だが、上空は水蒸気が少ないので、熱放射が宇宙へ逃げていき、温度は測定限界以下

独立電源の実験#3 動作テスト

ガーデンプローブ  秋は深まり、日に日に昼が短くなっていく。 ひまわり8号リアルタイムウェブをサブモニタに映し、自動更新で地球の変化を眺めながら作業している。  静止軌道から眺めていると実感するが、電力収支を維持する上で、地上での太陽光発電は宇宙空間よりも不安定だ。  秋分を過ぎ、もうじき冬至に向かってまた地球の影が傾いていく様子が見えるだろう。 地軸の傾きと気象により地上の日射量は大幅に変動し、 昼と夜のサイクルは12時間前後と長い。  今年は曇ってばかりだった・・・。  地上での平均的な発電量は、地球の公転軌道上の1割ちょっとまで落ちてしまう。  もうちょっと太陽系視点で見てみると、太陽定数が1割ちょっとまで落ちるというのは、火星以遠の小惑星帯の公転軌道まで遠ざかるのと同じだ。  さて、デジタルサボテンこと独立電源システムもある程度インターフェースが生えそろってきた。 近距離のハウスキーピングデータとコマンドの送受信のために、TWE-Liteを内蔵し、GPS、長距離ビーコン用とあわせて、3種類のアンテナが搭載されている。 単3電池駆動タイプも用意  地上で連続して安定稼働させる場合、1日分の充電で数日間稼働できる要求仕様がベースラインになる。 その観点からしたら、このサイズでは高負荷のタスクは昼間だけという中途半端な位置付けになる。  試験機としては、蓄電系が小さくシンプルなほうがやりやすい。  ソフトウェアによる電力管理の試運転で、2日ほど透明な保存容器に入れて密封し、窓の外に放置してみた。 太陽電池は300mW出力のものを1枚だけ取り付けている。 下記のグラフは受信したデータから電圧履歴と動作モード遷移を抜き出したもの。  天候は1日目の昼間は曇り。 夜は雨だった。 二日目の昼は快晴。 建物の北西側に設置しているため、午後までは直射日光が当たらない。  小容量のほうは日照状態で電圧がかなり左右される。 副作用として2つのキャパシタ間の電圧比較だけで太陽光発電中かどうか判断できる。  動作モードは4つ用意した。 大容量キャパシタの充放電系統切り離し、小容量キャパシタ駆動モード。 (完全放電からの復活) 大容量キャパシタ初期充電モード、放電なし(HK送信開始) 大容量キャパシタ駆動開始、省電

miniVNA tinyでアンテナ特性を測定

  いろいろなアンテナを自作していくうえで知りたかったのがVSWRやリターンロスといった特性。校正済みの測定器を使える環境に出入りさせてもらっているけれど、やはり手元で実験しながらエレメント長の調節などをしたい。特にサブGHz以上になってくると調整は測定が前提になってしまう。  USB接続のVNAを探してみたところ、miniVNAシリーズというものがあった。 キャリブレーションキット(オープン、ショート、50Ω)  反射特性と伝達特性計測のほか、信号発生やケーブル損失の測定などもできる。 miniVNA tinyでは3GHzまで計測できるので、自分の利用目的に合致していた。 アッテネータを付けてもらい、代理店から購入。マニュアルも充実しているので、特に迷うことはなかった。 (Aliで見つかるものはコピー品らしい)  自作アンテナ測定(反射特性の計測) 自作の430M帯のターンスタイルの特性を見てみる。 いつも屋上のSDR受信局につけていたものを再整備を兼ねて外した。 MMANAでのシミュレーションをもとに無調整で作ったけれど、それなりに特性が出ていた。 スミスチャートを見ると、円偏波特有のハート型が確認できる(ちょっとズレているけど・・・)。   アンテナ測定は周囲の金属や人体でかなり特性が変化するので、できるだけ何もないところで測定する。  スキャン速度を高速にして、荒い解像度でフリーランさせて手や金属を近づけたりすると、特性が変動する様子が観察できる。 伝達特性の計測 アッテネータの特性を見てみた。10dBと20dBのアッテネータを組み合わせてみてみたが、ちゃんと30dBの通過損失が測定できている。  なんといっても持ち運びやすいので、出先の実験などでアンテナやRFケーブルのチェックに役立ちそうだ。

独立電源の実験#2 

 夏といえば、統合試験と環境試験が立て続けに始まる季節。発生する怪奇現象(不具合)を退治し、スケジュールで肝試しを行っていたら、いつのまにか夏は終わってしまった… その脇で、 前回 手配線した独立電源試作機の実験結果をもとに基板のアートワークを行い、新型OBC基板と電源基板、化粧板をelecrowに発注。 KiCADのボードをVRMLで出力すると、Windows10の3Dビューアで簡単に表示することができる。  5㎝角以下だと最安値になるので、試作にかかるコストはどんどん下がっている。 もう手配線はよっぽどのことがないとやらなくなってきた。 OBC644-10D rev:E OBC基板もバグ修正と端子増設でバージョンアップしている。 ・SPIとFTDI配列を統合し、GPIO2つとシステム電源電圧(3.3V)出力端子を追加。 外部基板のIC(デジタルセンサやレベル変換、バススイッチ)にもシステム電圧が必要だったのと、UARTとSPI用の制御用端子として新たにGPIOを引き出した。 ATmega644のGPIOピンをすべて利用できるようになった。 https://github.com/kentN/OBC644-10D 拡張基板スタック OBC644用の拡張基板だけど、ピンヘッダ継ぎ足し地獄は無駄に階層が増えてしまうので、2層基板を2枚重ね合わせてみた。疑似的に4層基板となる。貼り合わせる面にクロストークが心配な配線は避けよう。    裏面はSPI-ROMが2つ乗るので、そのエリアを避けて基板外形を設定。 OBC644基板は1mm厚、拡張基板は0.6mm厚で発注していて、張り合わせれば1.6mmの標準の厚みとなる。  2つ重ねてピンヘッダにはんだ付けするので、貼り合わせでシビアな工程は特に無い。 今回は試しにu-bloxのMAX-M8Qと、マイコンの書き込み用に基板対電線コネクタ(GH5ピン)を搭載した。 単体でGPSロギングにも使えるだろう。   アンテナはU.FLコネクタを設けて、外部から引き込む形にした。 電源系統&構造体    手配線プロトタイプとほぼ同じ構成の電源系統とした。太陽電池は2系統入力可能。 キャパシタバンクの上流/下流のスイッチは逆流防止機能付きのロードスイッ

UMPCもどきの製作1

修正7度目の検討図 10年ほど前、UMPCが登場した。  iPhone登場前夜、抵抗皮膜タッチスクリーンの時代。ハンドヘルドコンピュータの領域で、ガラケーのように様々なハードウェアが登場しては消えていくカテゴリに、x86アーキテクチャが本格的に降りてきた時期。  ネットを漁り、登場当時Origami PCと呼ばれていたのを思い出す。    http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0603/11/news015.html   この頃登場した静電容量タッチパネルとソフトウェアキーボード、スワイプ動作が、ここ10年でデファクトとなった。  最近はタブレットのコモディティ化が一周して、GPD winのようなキーボードを備えたモバイルPCがちらほら再登場し始めていておもしろそうだ。 RaspberryPiも無線LANやBluetoothを備えていて、とっつきやすくなった。 今、安価に入手できる部品を揃えると、UMPCと同じくらいのスペックの端末が自作できる。 多感な時期をデバイスの小型化とともに過ごしてきたからか、時折発作的におそいかかるビンテージ端末を集めたい衝動を昇華させるべく、自分で1台作ってみることにする。 おおまかな仕様 1,  Elecrowの5インチHDMI液晶(800x480)をベースにハンドヘルド端末を作る。可動部は無しとする。 2,電源はモバイルバッテリ 3,   Raspi3を前提とする 4,   ハードウェアキーボードをつけ、HID接続する 検討しているキーボードでぴったりな既製品が無いので迷走し始めた。いつの間にか片手に収まるミニキーボードが絶滅しかけていて、時代の変化を感じる。 ということで、普通のプッシュスイッチを並べてキーボードを自作してみる。USBマイコンが増えてきたので、HID機器の自作はかなり敷居が低くなった。  画面が5インチ程度の端末しかなかったころは、UMPCもキーボードを備えた物が多かったように思う。  タッチパネルが使いやすく、画面が広いなら、大抵の操作はパネル上で完結できる。ハンドヘルド機の復活であれば、公式の7インチ液晶に無線キーボードをつけるのが正統派だ。Origamiのコンセプトモデルもその系統だったなぁ、と思い出

独立電源の実験

リトープスという多肉植物を昨年から育てている。基本放置なのでよく世話を忘れてしまい、枯死寸前になっていることが度々あった。なんとか徒長(日照が足りず背が伸びる現象)だけは防げている。  話は変わって、OBC644基板用の独立電源を試作してみた。これも基本放置を目指したい。 蓄電はスーパーキャパシタのみの簡素な構成にした。圧倒的にエネルギー密度が低く、リーク電流も多めと、蓄電系として見た場合のデメリットは多い。しかし代わりに過放電による永久故障はなく、温度条件なども緩めだ。  便利なエナジーハーベスト用電源ICを使ってもいいけれど、今回は自由度の高いディスクリート構成にした。 といっても、 ソーラー目覚ましキーホルダー(2012) に毛が生えた程度だ。 容量違いで2種類のキャパシタ系統を組み合わせた。 基本的なモードとして、 (初期充電)完全放電からの復帰 ・コンデンサバンクの充電判断 ・コンデンサバンクの電源系統への接続 ・過充電抑制 がある。マイコン側では2つのコンデンサの電圧を監視している。 電圧のみで残量推定ができるので、エネルギー管理はとても簡単だ。  太陽電池はダイオードORで小容量(0.22F)のEDLCを充電する。光が当たれば、数分後にマイコンが起動する。  大容量EDLCは電圧上昇に時間がかかるので、上流、下流ともデフォルトでは切り離されている。主系統への接続と充放電管理はソフトウェアで行う。 下流側は電圧降下を抑えたいため、あえてダイオードORしていない。 簡素化のためにレギュレータの降圧モードのみなので、マイコンのBOR電圧を下限として、コンデンサバンクから使える電位差分の静電容量は約150クーロンほど。だいたいコイン電池くらいになる。  とりあえず日照がある間は、時折GPSを作動させたり、カメラ撮影するといったミッションをこなせる規模になる(はず) 蓄電が小規模なので、小さい穴の空いたバケツをやりくりするイメージ。 無線モジュールで定期的にテレメトリを送信するところまでは実装して、日中は屋外に放置してみた。快晴では満充電に到達するが、曇った日でもテレメトリ送信に支障がないレベルの発電ができている(下グラフは薄曇りの日のテレメトリより)小型筐体なので日照を浴びると50℃付近まで上がってしまう。

デスクトップの更新(Ryzen5)

そろそろメインマシンの更新時期だったので、今回はコストパフォーマンスで話題のRyzenで組んでみた。  ZenにするならAPUが出るまで待とうと思っていたけど、グラボは最初から外付けだったと思い直し…。 AMD Ryzen5 1600 ASRock AB350M Pro4 CORSAIR DDR4-2666 16GB (8GB x2) Crucial MX300  1TB GTX960 4GB(使いまわし) ケース、電源 (Antec EA-380 Green 使いまわし)  前のCPUはIvyBridgeな i5-3470だった。Ryzen5 1600とクロック定格/ターボブースト値も一致しているけれど、PassMark値で見ると、ちょうど倍のスコアになる。これがコアとスレッド数の差なのかな。  TDPは77Wから65Wへ低下しており、入れ替えにあたって冷却系と電力系統はそのまま使えると判断した。EA-380は8ピンCPU電源も備えているし、12Vデュアルレーンで強い。   SSDはCドライブに重たい開発環境とDropboxフォルダを置くことを想定して1TBにした。 残り領域が少ないとSSDの寿命にも影響してくるので、あまりケチらない方向で。  ポリタンクMacの改造ケースなのでCPUクーラーの背丈に制限があり、かっこいいリテールクーラーは悲しいことに高さオーバーで使えない。  昔の自作機に使っていた サイズの手裏剣(リビジョンB)がギリギリ使えることがわかり、同時に購入した。 Socket AM4が新しいこともあって対応製品が少ないのが懸念だったが、爪で引っ掛けるタイプならそのままAM4にも対応している様子。 気づいたこと ・メモリの差し方は指定があるので従う。数字の大きいスロットから埋めるようだ。 ・UEFIでの設定中はCPU温度が60℃まで上昇していて焦った。OSインストール後はほぼマザボ温度付近まで下がったのでヒヤヒヤした。アイドル中はおよそ室温+7~10℃台をキープ。 ・最近のマザボはLED設定まであって面白いなぁ… ・AB350M Pro4の蟹サウンド(ALC892)はノイズも乗っておらずなかなか良い感じだ。 GNDプレーンの分離帯が当たり前にな