修正7度目の検討図 |
iPhone登場前夜、抵抗皮膜タッチスクリーンの時代。ハンドヘルドコンピュータの領域で、ガラケーのように様々なハードウェアが登場しては消えていくカテゴリに、x86アーキテクチャが本格的に降りてきた時期。
ネットを漁り、登場当時Origami PCと呼ばれていたのを思い出す。
http://www.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0603/11/news015.html
この頃登場した静電容量タッチパネルとソフトウェアキーボード、スワイプ動作が、ここ10年でデファクトとなった。
最近はタブレットのコモディティ化が一周して、GPD winのようなキーボードを備えたモバイルPCがちらほら再登場し始めていておもしろそうだ。
多感な時期をデバイスの小型化とともに過ごしてきたからか、時折発作的におそいかかるビンテージ端末を集めたい衝動を昇華させるべく、自分で1台作ってみることにする。
おおまかな仕様
1, Elecrowの5インチHDMI液晶(800x480)をベースにハンドヘルド端末を作る。可動部は無しとする。
2,電源はモバイルバッテリ
3, Raspi3を前提とする
4, ハードウェアキーボードをつけ、HID接続する
検討しているキーボードでぴったりな既製品が無いので迷走し始めた。いつの間にか片手に収まるミニキーボードが絶滅しかけていて、時代の変化を感じる。
ということで、普通のプッシュスイッチを並べてキーボードを自作してみる。USBマイコンが増えてきたので、HID機器の自作はかなり敷居が低くなった。
画面が5インチ程度の端末しかなかったころは、UMPCもキーボードを備えた物が多かったように思う。
タッチパネルが使いやすく、画面が広いなら、大抵の操作はパネル上で完結できる。ハンドヘルド機の復活であれば、公式の7インチ液晶に無線キーボードをつけるのが正統派だ。Origamiのコンセプトモデルもその系統だったなぁ、と思い出す。
多ボタンに憧れるのは単なるノスタルジーなのだろうか。
この液晶、HDMI端子のある面を手前にしないと、斜めから見たときの視野角が極端に狭くなるんだなぁ。
仮組みしてドライバを入れて動かしていると、画面解像度が狭すぎて、プリインストールされたソフトが表示できない問題に直面してしまった。
キーバインド試行錯誤地獄
モバイル機で面積が限られる。ということで独自配列を検討する。 拘束条件は、両手で持って親指で打つスタイル。
液晶の両脇にボタン等を置きたいので、横幅は16cmを超えると親指が中央に届かなくなる。
Windows10のソフトウェアキーボード 分割モード |
キー配列も、本体の大きさを決めないことには始まらない。 今手元にある部品から寸法をCADのボード設計に放り込んで、おおまかに外形を決定した。
フロントパネル基板はスイッチの軸が頭を出すようにして、シルクで印字を施すというイメージで始めてみた。その下に回路基板があり、プッシュスイッチ本体と液晶の厚みを吸収する予定。いちおう、ジョイスティックも搭載できるようにしてみたけど、ボタン操作UIはまだ配置検討の要素が残っている。
プッシュスイッチを並べるマージンを考え、キーピッチは横9mm、縦10mmとした。実際はかなり余裕があるけど、狭くしすぎると印字エリアがなくなってしまう。
英字配列のキーをそのまま再配置し、テンキー配列風の数字キーを中央に持ってくることにした。
KiCADでPCB設計画面を使って配置検討しつつ、キーバインドを決定していく。
今のところ、61キー+画面横の方向キーで65キーをひとまず割り当てた。
CADと並行して、キーボード図の生成には、ブラウザで自由にキーボード配列を作成できるサイトを利用している。とても便利。
http://www.keyboard-layout-editor.com/#/
使用頻度の多いキーはできるだけ親指の可動範囲である扇状のエリアに配置している。
変遷 |
見た目が9割
紙で箱を作り、そこに印刷したデータを貼り付けて検証しながら数時間、だいたい固まってきた。
Fキーが必要であれば、液晶の上に配置しても良さそうな気がしてきた。Chromiumの画面拡大(F11)など、ホットキーとして一部を配置すると結構便利。狭小画面ではホットキーが便利な点がたくさんある。
画面の周囲にスイッチを並べ、フライトコンピューターの操作画面みたいにするのも面白そうだ。
まだ忙しくて製造に着手する時間が無いので、続きはだいぶあとになりそう。