夏といえば、統合試験と環境試験が立て続けに始まる季節。発生する怪奇現象(不具合)を退治し、スケジュールで肝試しを行っていたら、いつのまにか夏は終わってしまった…
その脇で、前回手配線した独立電源試作機の実験結果をもとに基板のアートワークを行い、新型OBC基板と電源基板、化粧板をelecrowに発注。
5㎝角以下だと最安値になるので、試作にかかるコストはどんどん下がっている。 もう手配線はよっぽどのことがないとやらなくなってきた。
・SPIとFTDI配列を統合し、GPIO2つとシステム電源電圧(3.3V)出力端子を追加。
外部基板のIC(デジタルセンサやレベル変換、バススイッチ)にもシステム電圧が必要だったのと、UARTとSPI用の制御用端子として新たにGPIOを引き出した。
ATmega644のGPIOピンをすべて利用できるようになった。
裏面はSPI-ROMが2つ乗るので、そのエリアを避けて基板外形を設定。 OBC644基板は1mm厚、拡張基板は0.6mm厚で発注していて、張り合わせれば1.6mmの標準の厚みとなる。
2つ重ねてピンヘッダにはんだ付けするので、貼り合わせでシビアな工程は特に無い。
今回は試しにu-bloxのMAX-M8Qと、マイコンの書き込み用に基板対電線コネクタ(GH5ピン)を搭載した。 単体でGPSロギングにも使えるだろう。
アンテナはU.FLコネクタを設けて、外部から引き込む形にした。
手配線プロトタイプとほぼ同じ構成の電源系統とした。太陽電池は2系統入力可能。 キャパシタバンクの上流/下流のスイッチは逆流防止機能付きのロードスイッチにしている(ただし、ON時の逆流は阻止できないので理想ダイオード動作にはならない)
キャパシタバンクに使ったパナのゴールドキャパシタは18650セルとほぼおなじサイズになっていて、競合他社の製品よりスリムで細長いタイプ。
小容量の起動用コンデンサはいつもどおり単純化のためにショットキーダイオードORだが、順方向電流が100mA以下のものに交換した。1Aクラスにしてしまうと漏れ電流により、他の系統から逆流が起きてゆっくりと充電されてしまう。
太陽光が常時あれば、大容量キャパシタを使わなくても、間欠駆動状態でテレメトリを送信可能。
構造的には、電源基板が各基板のハブとなっている。キャパシタバンクの左右の空間に、FTDI配列対応の無線モジュール基板や、GPIO、UART、I2Cのセンサを挿して設置できるようにした。
拡張要素はOBC基板の電源管理下にあり、OFF時にバス配線などを切り離せるようにしている。
日照がない場合、外付けで電池を搭載することで安定して稼働させることができる。
下記は拡張ベイに単4電池をCRD経由で接続したもの。 大電流を取り出せない大容量の1次電池との組み合わせも考えられる。
電源基板自体にPIC12F用のパターンを用意したので、基板単独でも電源管理やOBC系統のリセット介入ができる。
薄曇りの日没時に試験運用したときのデータ。 曇りなのでフル充電にはならず、テストのため1分毎に無線送信、3Vで送信停止なので、日没後1時間ほどで停止した。
試作機ではデフォルトで2.7V以下になるとでマイコンのBORが働くが、 システム的には1.8Vまで動作可能なので、ヒューズビットの設定でBORを1.8Vに設定しなおした。
PCBアンテナ(おまけ)
化粧板として発注する基板に、GPS L1用のPCBアンテナパターンを作ってみた。これでも測位できたが、あまり性能はよくなかった。VNAで測定してもらった結果、2.4G帯に感度があることが判明。思ったより短縮効果が無かった…。
もともとパッシブアンテナを付ける場合、配線長は100mm以下で近接配置が推奨されている。 素子の特性が悪いと結構厳しい。
とりあえずMAX-M8QのRF入力に同軸給電のための受動部品を追加して、市販のアクティブアンテナを取り付けて解決とした。
その脇で、前回手配線した独立電源試作機の実験結果をもとに基板のアートワークを行い、新型OBC基板と電源基板、化粧板をelecrowに発注。
KiCADのボードをVRMLで出力すると、Windows10の3Dビューアで簡単に表示することができる。
5㎝角以下だと最安値になるので、試作にかかるコストはどんどん下がっている。 もう手配線はよっぽどのことがないとやらなくなってきた。
OBC644-10D rev:E
OBC基板もバグ修正と端子増設でバージョンアップしている。・SPIとFTDI配列を統合し、GPIO2つとシステム電源電圧(3.3V)出力端子を追加。
外部基板のIC(デジタルセンサやレベル変換、バススイッチ)にもシステム電圧が必要だったのと、UARTとSPI用の制御用端子として新たにGPIOを引き出した。
ATmega644のGPIOピンをすべて利用できるようになった。
拡張基板スタック
OBC644用の拡張基板だけど、ピンヘッダ継ぎ足し地獄は無駄に階層が増えてしまうので、2層基板を2枚重ね合わせてみた。疑似的に4層基板となる。貼り合わせる面にクロストークが心配な配線は避けよう。裏面はSPI-ROMが2つ乗るので、そのエリアを避けて基板外形を設定。 OBC644基板は1mm厚、拡張基板は0.6mm厚で発注していて、張り合わせれば1.6mmの標準の厚みとなる。
2つ重ねてピンヘッダにはんだ付けするので、貼り合わせでシビアな工程は特に無い。
今回は試しにu-bloxのMAX-M8Qと、マイコンの書き込み用に基板対電線コネクタ(GH5ピン)を搭載した。 単体でGPSロギングにも使えるだろう。
アンテナはU.FLコネクタを設けて、外部から引き込む形にした。
電源系統&構造体
手配線プロトタイプとほぼ同じ構成の電源系統とした。太陽電池は2系統入力可能。 キャパシタバンクの上流/下流のスイッチは逆流防止機能付きのロードスイッチにしている(ただし、ON時の逆流は阻止できないので理想ダイオード動作にはならない)
キャパシタバンクに使ったパナのゴールドキャパシタは18650セルとほぼおなじサイズになっていて、競合他社の製品よりスリムで細長いタイプ。
小容量の起動用コンデンサはいつもどおり単純化のためにショットキーダイオードORだが、順方向電流が100mA以下のものに交換した。1Aクラスにしてしまうと漏れ電流により、他の系統から逆流が起きてゆっくりと充電されてしまう。
太陽光が常時あれば、大容量キャパシタを使わなくても、間欠駆動状態でテレメトリを送信可能。
構造的には、電源基板が各基板のハブとなっている。キャパシタバンクの左右の空間に、FTDI配列対応の無線モジュール基板や、GPIO、UART、I2Cのセンサを挿して設置できるようにした。
拡張要素はOBC基板の電源管理下にあり、OFF時にバス配線などを切り離せるようにしている。
日照がない場合、外付けで電池を搭載することで安定して稼働させることができる。
下記は拡張ベイに単4電池をCRD経由で接続したもの。 大電流を取り出せない大容量の1次電池との組み合わせも考えられる。
電源基板自体にPIC12F用のパターンを用意したので、基板単独でも電源管理やOBC系統のリセット介入ができる。
薄曇りの日没時に試験運用したときのデータ。 曇りなのでフル充電にはならず、テストのため1分毎に無線送信、3Vで送信停止なので、日没後1時間ほどで停止した。
試作機ではデフォルトで2.7V以下になるとでマイコンのBORが働くが、 システム的には1.8Vまで動作可能なので、ヒューズビットの設定でBORを1.8Vに設定しなおした。
PCBアンテナ(おまけ)
化粧板として発注する基板に、GPS L1用のPCBアンテナパターンを作ってみた。これでも測位できたが、あまり性能はよくなかった。VNAで測定してもらった結果、2.4G帯に感度があることが判明。思ったより短縮効果が無かった…。
もともとパッシブアンテナを付ける場合、配線長は100mm以下で近接配置が推奨されている。 素子の特性が悪いと結構厳しい。
とりあえずMAX-M8QのRF入力に同軸給電のための受動部品を追加して、市販のアクティブアンテナを取り付けて解決とした。
同軸給電に改造 |
AliexpressでGNSS対応のアクティブアンテナを入手して取り付け |
過去に入手してあったアクティブアンテナ。 これはGPS L1のみ |