2017/07/25

独立電源の実験


リトープスという多肉植物を昨年から育てている。基本放置なのでよく世話を忘れてしまい、枯死寸前になっていることが度々あった。なんとか徒長(日照が足りず背が伸びる現象)だけは防げている。

 話は変わって、OBC644基板用の独立電源を試作してみた。これも基本放置を目指したい。
蓄電はスーパーキャパシタのみの簡素な構成にした。圧倒的にエネルギー密度が低く、リーク電流も多めと、蓄電系として見た場合のデメリットは多い。しかし代わりに過放電による永久故障はなく、温度条件なども緩めだ。
 便利なエナジーハーベスト用電源ICを使ってもいいけれど、今回は自由度の高いディスクリート構成にした。 といっても、ソーラー目覚ましキーホルダー(2012)に毛が生えた程度だ。

容量違いで2種類のキャパシタ系統を組み合わせた。
基本的なモードとして、
(初期充電)完全放電からの復帰
・コンデンサバンクの充電判断
・コンデンサバンクの電源系統への接続
・過充電抑制
がある。マイコン側では2つのコンデンサの電圧を監視している。 電圧のみで残量推定ができるので、エネルギー管理はとても簡単だ。

 太陽電池はダイオードORで小容量(0.22F)のEDLCを充電する。光が当たれば、数分後にマイコンが起動する。
 大容量EDLCは電圧上昇に時間がかかるので、上流、下流ともデフォルトでは切り離されている。主系統への接続と充放電管理はソフトウェアで行う。
下流側は電圧降下を抑えたいため、あえてダイオードORしていない。
簡素化のためにレギュレータの降圧モードのみなので、マイコンのBOR電圧を下限として、コンデンサバンクから使える電位差分の静電容量は約150クーロンほど。だいたいコイン電池くらいになる。
 とりあえず日照がある間は、時折GPSを作動させたり、カメラ撮影するといったミッションをこなせる規模になる(はず) 蓄電が小規模なので、小さい穴の空いたバケツをやりくりするイメージ。

無線モジュールで定期的にテレメトリを送信するところまでは実装して、日中は屋外に放置してみた。快晴では満充電に到達するが、曇った日でもテレメトリ送信に支障がないレベルの発電ができている(下グラフは薄曇りの日のテレメトリより)小型筐体なので日照を浴びると50℃付近まで上がってしまう。
テレメトリ(午後から開始)
ほぼ直結のCC充電のため、発電量が落ちると太陽電池の発電電圧が降下してしまい、満充電まで充電されない様子が見えている。(快晴時は過充電防止電圧まで充電される)日照に左右されずに充電するなら、蓄電系は途中から昇圧に切り替え、CVモードで充電させるとよさそうだ。

電圧トレンドを判断させれば、放電抑制を行って夜を超えたり、数日間動く設定もできるだろう。完全放電しても、光が当たれば生き返るわけなので、宵越しの電力は持たないというのも潔いかもしれない。