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IKEAのLEDライト

IKEAの店内空間はCGに入り込んだような不思議な雰囲気がある。 

家具から小物に目を移すと、電子工作視点でみてもおもしろいものがたくさんある。 ケースになりそうな容器もいろいろだ。 単純な形や、素材の色をそのまま出した製品が多いので、創造性に訴えかけてくるものがある。

照明用LEDを使った電池式ライトがいくつかあるが、その中でも太陽電池式だったり手回し発電だったりするものを選んでみた。

デスクライト
ソーラーデスクライト
まずはデスクライトから。 土台に太陽電池とバッテリが内蔵されていて、このユニット部を日向においておけば夜は3時間ほど明かりを取れる。 結構実用的だ。
多結晶を11直しているのでおよそ6V位出ていた

太陽電池と電池パック部は取り外せる。充電時はモジュールだけ外に出せる
中の充電回路は太陽電池と逆流防止ダイオード一つ、ニッケル水素電池3セルという呆気無いものだった。 リチウム電池よりは完全放電に神経を尖らせなくてよいので、電池を使い切ったらまた充電に回すという割り切った運用を想定している。読書灯としてもかなり実用的だといえる。 

次はフォルムからして怪しいムードライト? これも太陽電池がついている。
太陽電池&バッテリ部はカートリッジのように分離可能。 
ライト部はフルカラーLEDで、電源スイッチを押すたびに白色モードとイルミネーションモードの2種類が切り替わる。 ニッケル水素は1セルなので、昇圧してるらしい。 これはそんなに明るくはない。
謎のフォルム
最後に手回し発電ライト。 これもしっかりした作り。フォルムが気に入った。
おそらく電気二重層キャパシタとモーターを組み合わせている。LEDは3つ搭載されているようだ。
30回まわすと2分半程度明るく点灯する。
手回しLEDライト 非常時って感じ
3つに共通するのは、設計に防滴加工があること、作りがしっかりしてること、そして安いこと。 IKEAの脅威の製品としては便利な多機能置き時計があるのだが、これも500円以下で売られているし、全体的に大量生産のスケールメリットを活かしまくっている感じ。

充電してみた。(デスクライトのモジュールが取り外せると気づく前の写真)


COTS ?
 
デスクライトの構造をみてピンと来たのは、屋外放置型センサの筐体にぴったりそうだということ。
部品を取り外してイメージを追求してみた。 

気象センサ完成予想図
地上型センサなので、太陽電池は上面だけでいいし、風雨に耐える重さと構造を突き詰めるとこんな感じになると思う。 実はお弁当用のタッパとかを候補として買ってきてはいたのだが、いつの間にか部品入れとして使ってしまうので、真面目な検討が進んでいなかった。
アンテナはXBeeの純正外付けアンテナ。 さぼてん計画は2年の月日を超えてようやく収束しつつあった・・・。

いずれテトラポットのほうも何か別な機構を仕込みたいところ。 手回しライトは常備品なのでこのまま使いますが。

(ちなみにデスクライトの取り外されたLEDライト部は秋月のACアダプタ(3V)につないでちゃんと活用しています)

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