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SDLoggerを試す

OpenLog

 シリアル-SDロガーといえば、2年ほど前からOpenLogというプロジェクトの製品版を使っている。
オリジナルのOpenLogはATmega328Pベースだけど、最近ふと思ったのが、もうちょっと余裕のあるATmega644Pを使えば、RXバッファ用のRAMも増えるし、ロガーと言いつつソースにJPEGカメラのコマンド操作を追加すれば、SparkfunのJPEGトリガーみたいに使えるんじゃないかという点。

 その観点でググってみると、同じコンセプトのSDLoggerというプロジェクトが2年前からあって、SeedStudioから販売されていたことを知った…。
 (人は見たいものしか見えないんだなあ…)


 ATmega328Pで取りうるRXバッファ量が少ないという懸念は、2年前の使用感を引きずっていただけで、本家OpenLogの最新のファームウェア(v3.1)を見たらだいぶチューンナップされていて、昔みたいに連続書き込みで問題が起きることは無さそうだ。 
 RAMもROMもギリギリまで使い込まれている上に、Arduino1.0環境で互換機として書き込みができる。 もし古いファームウェア(コマンドで確認できる)を持っているなら、本家のサイトの説明を読んで最新のものを書き込んでみるとよいだろう。
  

ということで、お手軽なOpenLogと比較すると、SDLoggerはそのままOpenLogのスケッチが走る上位互換機として、余ったROM/RAMとI/Oを使って何か特化したロガーを作ってみるのに向いてそうだ。 

とりあえず、手持ちの部品でSDLoggerを組み立ててみた。
・ATmega644P(DIPなら秋月で入手できる)
・14.7456MHzの水晶発振子
・microSDカードソケット
・コンデンサ少々

があれば作ることができる。
 水晶発振子はちょっと特殊な周波数だけれど、シリアルのボーレートを精度よく出すために選択されているっぽい。たまたま手元のジャンク基板についていたものを取り外して使用。

ハードウェア自体はArduino互換機として動けば良いので、水晶を16MHzにして、今ならArduino1.0に対応した定義ファイル(644p用定義とブートローダー)を使うという手もある(未検証)。
 Arduino MEGA+SDシールドでもいけそうだ。

ちなみにOpenLogの製品は16MHzで3.3V電圧動作という設計だが、本当はATmegaの駆動電圧と動作周波数的には規格外となる。(普通に動いちゃうけども)
 動作保証ギリギリの環境下でも安定動作させたいので、SDや周辺機能にレベル変換ICを挟んだ5V動作版を作ろうかと思っている。

ボード自体は、いつものようにUEW線で配線。
いつもの 4.5cm角のユニバーサル基板に組んだ

OpenLog V3.1を書き込んで動作させているところ。 
microSDHCカードは特価セールで買った2枚組の8GB(Class10)。 特に問題なく記録できた。

安定した書き込み性能を出すにはSD/SDHCカードをどうフォーマットしたかも重要となるらしいので、おすすめされていた方法として、SDアソシエーションが提供しているSDFormatterを使ってみた。

OpenLog同様、デフォルト9600bpsでGPSのNMEAを記録中

 プロジェクト自体は、RAMの範囲内で任意のHWシリアルバッファを用意できるライブラリなど、参考になるソースが多い。

 具体的に何を追加で載せるかについては、RTC+センサでタイムスタンプ付きCSVデータの保存や、JPEGカメラの制御と写真の保存などで検討中。

 写真はRTC代わりに、Fastrax社のUC430をレイアウトしてみたところ。

その後、基板に起こした。
 Morikawa Log http://blog.kemushicomputer.com/2013/05/sdlogger-based-datalogger-morikawalog.html

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Arduino Nano Everyを試す

 秋月で売っていたAtmega8と、感光基板でエッチングしたArduino互換ボードを製作してみて、次に本家ボードも買って…  と気が付いたら10年が経過していた。  ハードウェア的な観点では、今は32bitMCUの低価格化、高性能化、低消費電力化が著しい。動作周波数も100MHz超えが当たり前で、30mA程度しか消費しない。  動作電圧範囲が広く、単純な8ビットMCUが不要になることはまだないだろうけど、クラシックなAVRマイコンは値上がりしており、価格競争力は無くなりつつある。 そしてコモディティ化により、公式ボードでは不可能な値付けの安価な互換ボードがたいていの需要を満たすようになってしまった。     Arduino Nano Every https://store.arduino.cc/usa/nano-every https://www.arduino.cc/en/Guide/NANOEvery  そんな中、Arduino本家がリリースした新しいNanoボードの一つ。  他のボード2種はATSAMD21(Cortex-M0+)と無線モジュールを搭載したArduino zero(生産終了済み)ベースのIoT向けボードだが、 Nano EveryはWifi Rev2と同じくAtmega4809を採用していて、安価で5V単電源な8ビットAVRボードだ。  Atmega4809はATmegaと名がついているが、アーキテクチャはXMEGAベースとなり、クラシックAVRとの間にレジスタレベルの互換性は無い。   https://blog.kemushicomputer.com/2018/08/megaavr0.html  もちろん、ArduinoとしてはArduinoAPIのみで記述されたスケッチやライブラリは普通に動作するし、Nano Every用のボードオプションとして、I/Oレジスタ操作についてはAPIでエミュレーションするコンパイルオプション(328Pモード)がある。 公式のMegaAVR0ボードはどれもブートローダーを使わず、オンボードデバッガで直接書き込みを行っている。  ボードを観察してみると、プログラマ・USBCDCとしてATSAMD21が搭載されている(中央の四角いQFNパッケージ)MCU的にはnEDBG

【サボテン】太陽電池の結線

 久しぶりにサボテン計画。 忙しかったり投薬治療直前でだるかったりして、かなり放置していた。 さぼてんも不機嫌そうだ。 せっかくなので、園芸用の水受けに移す。  関節痛で寝込んでる間に、エイプリルフール終わってましたね^^・・・。  太陽電池の展開機構を想像したが、まずは太陽電池の結線を済ませよう。  配線を綺麗にまとめたくていろいろ探していたら、千石電商でぴったりなものを見つけた。 LEDリング基板 というらしい http://www.led-paradise.com/product/629?  本来はチップLEDをリング状にまとめる代物。 イレギュラーな使い道だ。   今度は小径のを買って、GX200のリングライトに仕立て上げよう。   嬉しいことにフレーム径にジャストフィット。 配線を綺麗にまとめられた。   太陽電池の接続部。逆流防止用にショットキーダイオードを入れている。 かなりスッキリ。 蛍光灯下 500ルクスでの実験。 EDLCは10Fを使用。  ちゃんと充電が行われている。 といっても、とてもとてもゆっくりとだけれど・・・。

ATmega4809(megaAVR0)を試す

megaAVR 0という新しいAVRシリーズを試してみた。  小さいパッケージなのに、UARTが4本もあるのが気になったのがきっかけ。 登場すると噂の Arduino Uno Wifi rev2  にも採用されるらしい。  簡単にデータシートを眺めてみると、アーキテクチャはXmegaシリーズを簡素化し、動作電圧範囲を広げたもののようだ。  CPUの命令セットはAVRxtと新しくなっているが、Xmegaで拡張された一部の命令(DESやUSBで使われる命令)が削除されていて、基本的に今までのATmegaとほぼ同じだ。  コンパイラからは、先に登場した新しいtinyAVR0, tinyAVR1シリーズと共にAVR8Xと呼ばれて区別されている。  CPU周りを見てみると、割り込みレベルなど、今までのクラシックなATmegaで足りないなと思っていたものがかなり強化されていた。 ArduinoAPIを再実装するとしたら便利そうなペリフェラルもだいたい揃っている。 データシート P6  DMAは無いけれど、周辺機能にイベント駆動用の割り込みネットワークが張り巡らされているのがわかる。  できるだけCPUを介在させない使い方がいろいろ提案されているので、アプリケーションノートやマニュアルを読み込むことになる。 ピックアップした特徴 ・データメモリ空間(64kB)に統合されたFlashROMとEEPROM ・RAM 6kB ROM 最大48kB (メモリ空間制限のため) ・デバッグ専用の端子 UPDIを搭載 ・優先度付きの割り込み(NMIと2レベル) ・ピン単位の割り込み(かなり複雑になった) ・リセットコントローラ(ソフトウェアリセット用レジスタが実装され、リセット原因が何だったかもリセット後に読み出せるようになった) ・豊富な16ビットタイマ(4809では5基) ・16ビット リアルタイムカウンタ(RTC) ・豊富な非同期シリアル/同期シリアル(USART 4ch、SPI 1ch,TWI 1ch) ・内蔵クロックは最高20MHz(PLL)と32kHzの2種類。外部クロックは発振器と時計用水晶のみ ・ADCは10bit 16ch ・内蔵VREF電圧が5種類と多い(0.55V,1.1V,1.5V.2.5V.4.3V

GPSアンテナをつくる

GPSアンテナを作ってみた。 1575MHzの波長は約19cmなので、半波長で9.5cmとなる。 GHz帯とはいえ、結構長いものだなぁ。 セラミック等の誘電体がなければ、平面アンテナで真面目に半波長アンテナを作ろうとすると手のひらサイズの面積が必要になってしまう。 普通のダイポールだと指向性があるので、交差させてクロスダイポールにする。 屋外地上局のアマチュア衛星用アンテナの設計をそのまま縮小したもの。 水平パターンはややいびつ 92.2mmの真鍮の針金(Φ=0.5mmくらい)を2本用意して、42.3mmで90°に曲げる。 長さの同じ素子同士を並べて配置する。 (全長が半波長より長い素子と短い素子が交差した状態) 片方をアンテナ信号線、もう片方をGNDにつなげば完成。 実際5分くらいでつくったけれど、果たしてどうだろうか。 今回は、道具箱に眠っていた表面実装タイプのMT3339系モジュールに取り付けた。 アンテナはもともと3x1.2mm程度のとても小さいチップアンテナで、 LNAが入っているけど感度が悪かったのでお蔵入りしていた代物。 最近の携帯機器はみなアンテナに厳しい。 さて・・・ クロスダイポール版モジュールをPCでモニタしたウインドウ(左)と、QZ-Rader画面 東側に建物遮蔽があるので、そちら側の衛星はSNが悪い。 とりあえず補足できた衛星数はシミュレーションされたものとほぼおなじだった。 アンテナの角度をいろいろ振って、逆さまにしてもロストすることはなかった。 セラミックのパッチアンテナレベルにはなったかな・・・。 簡単にできてそれなりに測位するけれど、携帯性は皆無になった。 あと、近接周波数の干渉を受けやすいかもしれない。 GPSアンテナのDIY例としては、QFHアンテナもある。 ラジオゾンデなどで使われている例がある。 いつもお世話になっているQFHアンテナ計算シートのサイト https://www.jcoppens.com/ant/qfh/fotos_gps.en.php ヘリカルアンテナは加工精度の難易度が上がるので、今回はクロスダイポールにした。 GNSSとなると、複数の周波数のために調整されているセラミックパッチアンテナが有利だと思う。 セラミックパッチア