カシオのバッテリレス腕時計 AL-190Wを買ってみた。
逆輸入モデルで、チープカシオと呼ばれる価格帯の製品。
太陽電池が文字盤の半分を堂々と占めている。 今時のソーラー腕時計は、安価なモデルであっても透過性の文字盤の裏に隠すのがあたりまえになっているので、とてもあからさまにソーラーである。
メモリ液晶な腕時計を作るまでは特に興味無かったけれど、最近これがかっこよく見えてきた。
技術的には、バッテリレスの回路構成にも少し興味がある。 太陽光のみで稼働する様子は、デザイン的にも宇宙機を思わせる。
この時計、バンド固定にはバネ棒が使われていて、一応18mmに対応している。ただ、ウレタンバンドのつけごこちはとてもよい。 高校時代に使い続けていたMQ-24と同じく、つけていることを忘れる。 個人的理由としては、腕が細いのであまり大きな時計が似合わないということもある。
バッテリレスというのは、電池ではなく電気二重層コンデンサが入っているという意味だ。こまめに充電さえすれば電池寿命をほとんど意識せず動き続けるという。カタログ値では、一度のフル充電で2週間動作し続ける。
開封直後で充電前の状態であっても、時計は起動した。 表示するだけなら、キャパシタの残電圧とは関係がないようだ。 充電電圧が低いと、残量警告マークが表示される。
分解をしてみた。細かいバネ構造がスイッチを兼ねていたりするので、無理なテンションをかけないよう慎重に取り出す。中のモジュールは3274というモデルで、ややデザインの違うHDD-S100というモデルと共通。
元に戻す時は、金具とスイッチの位置に注意が必要だった。パッキンの埃も綿棒などで取り除き、可能ならシリコンオイルを塗布する。
本来ならCR2032でもありそうな位置に、コインセル型のスーパーキャパシタが金具で固定されている。シールの型番には、EECE0EL205Nとある。 Nを除いて検索すると、データシートがヒットする。
パナソニック製で、2.5V 2Fのものがそれっぽい。
表のアモルファス太陽電池は5直列と思われるので、2.5Vが開放電圧となるはずだ。 キャパシタの満充電電圧に合わせてある。
メタル部分はGND電極、バッテリホルダ、スイッチを兼用。 |
基板を外すと、コンデンサ、樹脂モールドと水晶発信子、スピーカ-駆動用のインダクタ、トランジスタ ?がある |
太陽電池+キャパシタ+マイコンという構成だと、以前ソーラーライトキーホルダーでPICを動かしたのがお手軽だが、省電力設定を極めれば何かと使えそうな可能性を秘めている。
大事にすれば、文明が崩壊しても時を刻みつづけることができそうだ。 プラスチックの劣化を考えると、ステンレスモデルのほうが良いけれど…。
追記
買ってから一年ほど、散歩のお供として使っている。 特に窓辺に置かなくても、室内光で十分発電されているようで、電池警告マークが点灯したことは無い。
使っている個体の特性かもしれないが、MQ-24等と比べると時刻が遅れやすい。 ただしスペックの範囲内には収まっているので、MQ-24(1330)が優秀なだけかも。