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MSP430LaunchPad

世の中色々なマイコンがありすぎて、ビビっているうちにArduino使いになってしまっていた人です(ロボットの機構に集中できたので許してください・・・)
・・・と言いつつなんだかんだでひと通りのMCUを積んで試してきたわけですが、そんな部品箱にとうとうMSP430が仲間入り。
500円ちょっとでこのボリューム
TIが出す16ビット低消費電力マイコンとその開発キット。ちょっと前からArduinoも真っ青な低価格で売ってました。TIのボードはみな真っ赤なのか・・・。
http://processors.wiki.ti.com/index.php/MSP430_LaunchPad_(MSP-EXP430G2)/ja

本家ではピンヘッダを基板に取り付けるらしい?(某ボードの影響がここにも)

28ピンか、さもなければ100ピンなMCUばかり扱ってきた感覚で見ると、14ピンDIPの見た目はロジックICみたい。バリューラインとよばれる14/20ピンのラインナップはこのボードで開発可能とのこと。

性能的な対抗馬はPIC24で、RAMとROM容量はPIC16やATtiny2313を彷彿とさせる。特徴としては、温度センサ内蔵機種がある(キットの型番2231は温度センサ内蔵)ということ。消費電力はμアンペアオーダー。

買った段階ですでに電源をつなぐとLEDが点滅し、ボタンを押すと温度測定するプログラムが動作する。 恐ろしいことに5cm衛星用に作った太陽電池(5V5mA)を直結しただけでも動く。数百ルクスの室内でも動作していた。

開発情報も見やすい・・・http://www.tij.co.jp/product/jp/msp430g2231

値段的におまけで買ってしまう範囲ではあるものの、試す気が起きたのは、海外のCubeSatではMSP430がけっこう採用されているという事実。PICと何が違うのだろう・・・という疑問が買うきっかけだったり。
パッケージにロケットが書いてあるし!(違

これはロケットに(ry

方向性としては、エナジーハーベスト電源と組み合わせた超低消費電力のデータロガーやロボットの制御向け・・・だろうか。

このコンセプトを突き詰めると、バリューラインではないものの、ROM/RAMを総FRAM化した フラッシュをFRAM化したシリーズが本命。 (あとでデータシート見てみたらSRAMはあった)
高速アクセスと不揮発性を両立したFRAMを使うことで、変数などを保ったままリセットが可能に。 EEPROMがRAMとして使えるくらいのアクセス速度を手に入れたと思えば良いのだろうか。
放射線耐性もあるので、極限環境機械のぶっ壊れたくない高信頼性を要求する部分にちょうど良さげ。

FRAM版MSP430実験ボード http://www.tij.co.jp/tool/jp/msp-exp430fr5739 

さてMSP430はLaunchPadから無事打ち上げることができるのか・・・? (未完)

最後に・・・このボード、裏面にちゃんとゴム足がついてるあたり只者では無いです。

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