QFHアンテナは半球状の領域でまんべんなく電波を捉えることが出来るので、衛星のように移動して偏波面の変化する電波源を捕えるには丁度よいとされる。(自作してみた記事)NOAA衛星の気象ファックス画像を受信するのに使われるけど、実はNOAA衛星本体にもこのアンテナが搭載されてたりする。
いつものように、衛星そのものに載せてみたらどうなるのかということで、モデリングしてみたものがこちら。
430M帯で設計するだと、ギリギリCubeSatにも搭載できそうな大きさになる。
螺旋状のエレメントが飛び出す形 びっくり箱方式 |
十分にかっこいいが、(某衛星に似ているのと)姿勢制御は面倒なので沿磁力線制御のみとしたい。このままではアンテナ側が地球指向するための制御が必要になるが、簡単さを求めると姿勢制御は永久磁石くらいに留めたい。となれば解決法は一つ・・・
DNA! |
かくして、上下面から飛び出したQFHアンテナにより、只者ではない外見と無指向性を手に入れた。残りのスペースで衛星の動作を行わなくてはならないけど、最近は1Uでも設計次第でかなり空間が余るというから大丈夫だろう。
そもそも、ほとんどのCubeSatはモノポールアンテナやダイポールで済ましている。こうした単純なアンテナは方向によって送受信感度が落ち込むポイントが生まれるのだが、そこは地上局側を高出力/高感度にすることで、感度が落ち込んでも十分通信可能な回線設計がなされている。
ちいさな衛星にとって、QFHは採用するほどの利点があまり無かった(完)
(見た目以外に)無指向性を獲得して得られるメリットとしては、衛星の姿勢を考慮せずに済むことと、地上からほぼ一定の感度で電波が得られそうなことだろうか。 電波強度を測定するのに向いている気がする。 たとえば、世界中の430MHz帯の電波強度マップを作るといった業務が行えそう。それから気象ブイ等のテレメトリ収集だろうか。 アンテナそのものがミッションになるような用途だ。
以上お絵かきでした。