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Spinner Oneのシステム更新


車体を改修したので、週末に制御系と通信系、電源を実装した。 これらは3年経った現在のハードウェアやDIY文化の恩恵をだいぶ受けている。

システムを遠隔操作ラジコン的に使うためなら、XBeeをそのまま使う手もあったが、BluetoothのUSBドングルをマイコンに接続し、タブレットをコントローラにして制御するのが安価で先行例も豊富だとわかったので、早速試してみた。 

プラットフォームはmbed (これも2010年の大垣Meetingで買って放置していた…)

ほとんどの手順は、こちらのサイトを参考にしました。

『BASIC!』でAndroid端末とmbedをBluetooth SPPで接続する実験(その1)
http://blog.goo.ne.jp/roboz80/e/a1d2f2643c7bce63114cf79c732dc41b

タブレットでの操作については、GooglePlayで公開されていた Bluetooth Serial Controlerにて、コマンド列の定義と、ボタン登録を行った。 
 https://play.google.com/store/apps/details?id=mBluetoothSerialController.nomal&hl=ja

(Nexus7用のバージョンもある)

 送信データのエコーバックを有効化すると次第に動作が鈍くなるのでOFFにしておく。今のところ、アプリを立ち上げ直すとコマンドの末尾に勝手にスペースが追加されるバグ? があるみたいだ。
 
Nexus7で

Xperia Rayで
Spinner Oneの操作体系はどちらかと言うと2WD車に近いが、作った本人があまり無意識な操作をできていないので、まだまだUI的には改善できそうだ。

バッテリ
バッテリはいずれ専用の充放電保護回路を実装する予定だが、今は楽をしたいので、モバイルバッテリを改造することにした。 18650を1セル使ったパナのモバイルバッテリから、昇圧5Vと、モーター用に直に電池出力をもらう。 

 USBポートからシステムへの給電だが、データラインを短絡状態にしないとバッテリ側の管理マイコンで負荷が認識されず、10分でオートパワーオフされてしまった。 D+とD-を100Ω程度でつないで解決。 

このバッテリはQi(チー)による非接触充電に対応しているので、コイルを外に引き出せば、充電台に載せるだけで充電できて便利かもしれない。 いずれにしろ、出力用スイッチを引き出さないと電源が入れられない。
 
内部のスペースはだいぶ余裕があるので、模型飛行機用の軽量ムービーカメラとかを収めてみようと思う。

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Arduino Nano Everyを試す

 秋月で売っていたAtmega8と、感光基板でエッチングしたArduino互換ボードを製作してみて、次に本家ボードも買って…  と気が付いたら10年が経過していた。  ハードウェア的な観点では、今は32bitMCUの低価格化、高性能化、低消費電力化が著しい。動作周波数も100MHz超えが当たり前で、30mA程度しか消費しない。  動作電圧範囲が広く、単純な8ビットMCUが不要になることはまだないだろうけど、クラシックなAVRマイコンは値上がりしており、価格競争力は無くなりつつある。 そしてコモディティ化により、公式ボードでは不可能な値付けの安価な互換ボードがたいていの需要を満たすようになってしまった。     Arduino Nano Every https://store.arduino.cc/usa/nano-every https://www.arduino.cc/en/Guide/NANOEvery  そんな中、Arduino本家がリリースした新しいNanoボードの一つ。  他のボード2種はATSAMD21(Cortex-M0+)と無線モジュールを搭載したArduino zero(生産終了済み)ベースのIoT向けボードだが、 Nano EveryはWifi Rev2と同じくAtmega4809を採用していて、安価で5V単電源な8ビットAVRボードだ。  Atmega4809はATmegaと名がついているが、アーキテクチャはXMEGAベースとなり、クラシックAVRとの間にレジスタレベルの互換性は無い。   https://blog.kemushicomputer.com/2018/08/megaavr0.html  もちろん、ArduinoとしてはArduinoAPIのみで記述されたスケッチやライブラリは普通に動作するし、Nano Every用のボードオプションとして、I/Oレジスタ操作についてはAPIでエミュレーションするコンパイルオプション(328Pモード)がある。 公式のMegaAVR0ボードはどれもブートローダーを使わず、オンボードデバッガで直接書き込みを行っている。  ボードを観察...

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CANトランシーバーを使わずにCAN通信をする

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