走行モデルはすでに、手抜き試作機で試している。
<概観>
モデルは糸巻き戦車。 それにサウンドエンターテイメントプレーヤーを足して3:1でブレンドするとこんなことになった。 ということにする。
<目的>
・悪路を走破する。 かつ、シンプルで壊れにくいこと。
・惑星探査車の最小構成を探る
・ネタ
<走行原理>
いかにもそもそも転がるだけで方向転換能力はあるのだろうか。 効率的な旋回方法を1週間くらいブレーンレンダリングした結果、以下の機構にたどり着いた。
ドラム缶を転がして、方向転換させたいときどうするだろうか。
その場で引きずって回しても良いけれど、転がしている最中に片側を持ち上げて固定したら、コンパスのようにくるりと回転するだろう。
この操作をドラム缶自身が行えば、とりあえず片側には曲がることができる。
方向を変えるときはアームを振り下ろし、軸として回転する機構だ。
建物内ではとても上手くいくのだが、不整地での回転はまだ試していない。
ほかにも車輪径を変化させカーブする方法もあるけれど、実現はむずかしそうだ。
広大な荒地走行を前提とするため、多少の進路誤差は気にしないという前提で制作されている。
荒地だと小さなロボットは轍や石に邪魔されてしょっちゅう進行方向が変わってしまうのだ。
砂漠や火星で車庫入れする必要は無いし、違反切符も無い・・と聞く。
<機構>
なによりシンプルなことが、コストと故障率を下げるための前提条件。
重複する機能をバッサリ切った結果、車輪すら片側半分となってしまった・・・。 というのが前述のひらめきの背後にせき止められていた真面目な追求理由。
ボディの大部分は、車輪であり外骨格であるポリ軟膏瓶(500円)で出来ている。
中の車体はハムスターのようにかごを回す格好で収まり、外側には外部とのインターフェースを集中させた。 瓶の外側はサンペルカ(発泡ポリエチレンフォーム)で作った弾力のある軽量なタイヤ。
柔らかいので、まるごと1mから落としても跳ねるだけ。
方向転換用アームはアルミ材を曲げて、中型サーボで動かす。
DSUBコンタクトは、マイコン、充電池等のアクセスポートとなる。
タミヤのプラネタリギヤを装備。 付属より小型の140モーターに換装済み。
この手のモーターは3Vが最大電圧だが、モータードライバーで駆動しようとすると、電池電圧が低いと トルクが不足して駆動できない(弱々しい)。 ドライバの電圧降下が結構現れるため、普通は6~8Vをドライバに喰わせるのだけれど、電池が増えすぎるのと、どうせ一輪だけなので、制御を機械式リレーに変更した。
3.6Vでも暴れる暴れる・・・ モーターが焦げ付きかけたため1.5V電池を二本という方式になった。 ミニ四駆ふたたび・・・
<電子系>
XBeeアンテナを内蔵している。Series2。
MCUはArduino pro mini(8MHz)。
無印XBeeならワイヤレスプログラミングが出来ましたね… まあそれは仕方ない。
GPS(LS20126)を載せる。 もうすこし開発が進んだら、電子コンパス情報を利用してみたい。
底面にはバッテリが装着されている。 最強のリチウム乾電池エナジャイザー(普通に買える)がモーターを駆動し、リチウムポリマー電池がシステムとサーボを動かす。サーボは4.5~5V品のはずだが、3.6Vでもすんなりと動いてしまった。
モーターは前述のようにリレーで駆動されているため、システムとは完全にアイソレーションされている。 ノイズもこない・・・はず。
やっつけで実装したが、意外とメジャーな手法だと分かってほっとした。 社会学寄りの思考だと、ついリレー > ENIAC以前じゃないか、という固定観念が道を塞ぐ…
書き込みはSparkfun互換のFTDIシリアル経由。
車輪はナットひとつはずすだけで外せるが、いちいち本体を開けずにすむように、メンテナンスに必要な端子はDSUB9ピンに引き出した。
Arduinoは書き込み時にシステム全体に電力も供給するため、うっかりするとモーターが動いて大惨事となりかねない。 それを防ぐために走行時に取り付けるDSUBには、開いたピンにリレーを駆動するポート出力を経由させている。 よって、書き込み時は物理的にモーターが駆動しない。
この機構は、衛星組み立て現場で覚えた。
システム一覧。 まだろくなプログラムを書いていないため、XBee経由のラジコン状態である。
<将来性>
降下想像図 |
モデルロケットの円筒形の筒に載せなきゃいけないと考えた結果このようなデザインになったが、
たとえば航空機からばらまくロボットとか、惑星探査とかそういった方面に使えるかもしれない。
無駄に軽いので(電池いれて450~500g)。使い道を模索中。
ネタで作って真面目に実行するのが我が社の社訓でしたね・・・。
完成までもう少し。