可変径車輪を有する一輪ローバーの開発3
小型ロケット、無人航空機などのサブペイロードとして搭載されることを想定した小型軽量、最小限の探査車として、一輪ローバーSpinnerを開発した。(文献1)
Spinnerは一輪と方向転換のための一自由度の腕を備えている。EMモデルは容積1Lで500g以下の重量を実現している。
この1輪モデルの試験走行を経て、設計の効率化を図り、可変径1輪車のコンセプトを提案した。(文献2 「 SpinnerX 」)
この文章では、SpinnerXの改良案を述べる。
論文のような序文はここまで。
また次世代Spinnerを思いついたので、その機構をまとめる。
SpinnerX (シーソー型?) |
SpinnerXで構想したシーソー型可変機構の場合、実は2つの手強い課題がある。
・耐衝撃性
・可変ゆえの不安定性
機構自体を試作してみて、折れない/たわまないことが証明できるものを作るのが難しかった。
また、角度調節用のサーボから伸びた軸が足につながっているのだが、そこに衝撃が集中して壊れてしまう可能性が高い。。
この機構にこだわって、衝撃を伝えない方法を考えるのもいいけれど、機構や調整方法が複雑化するのは避けたい。
スムーズな進路変更を犠牲にしても、今まで通り腕で済ませたほうがよっぽど信頼性を確保できる。
変えたいのは左右の接地面の高さだけである。 シーソー型の良いところをとりつつ、簡単で壊れにくい仕組みは無いだろうか・・・。
メカトロ以前のメカニクス的な機構を考えるのは楽しい。 SpinnerX以降、機構の検討は放置していたので、いい具合に思考がリセットされていた。
新しいスライド案も、友人のスライド式携帯の動作を見て思いついている。
<スライド式可変径機構の仕組み>
本体回転式の機体はSpinnerXを受け継ぎ、接地面をアーチ状のリボンに置き換える。リボンは柔軟な物質でできている。
リボンは片端を車体の端に固定され、もう片端はスライド可能な板材に固定する。
この板をスライドすることで、リボンのアーチはスライドした側に高さが偏る。板にサーボ機構を組み込むことで、可変車輪径が成り立つ。
この機構の場合、サーボの駆動軸は車体と水平で、接地面のリボン素材とアーチ構造そのものが衝撃吸収を行う余地をもつ。
さあ、それを踏まえて新型のCGはというと・・・
泡立て器みたいなので、Whipperと呼ぼう。
デザインはもとのSpinnerに収斂しつつある。
最近は忙しくて工作する暇が無いけれど、センサをSpinnerTwoにたくさん載せては配線しているので、制御系のソフトウェアの改良は続けています。
こいつも早く作りたいなー。