モバイル機器。
肥大化する要求と変わらない電池容量/人間工学の間で発振するデザイン。永遠に未完成のギズモたち。
いつの間にか、ソフトウェアで可能となるであろうすべての可能性を諦めきれないことに慣れてしまう。
何かを戦略的に諦めることでだいぶ楽になる。 なんだかんだ言って電車内でNintendo DSやPSPを見かけない日はない。動画や写真、アプリを諦めれば、電子書籍端末という選択肢が見えてくる。
AmazonのKindle(Kindle touch)を買った。
以前から電車で洋書を読んできた。最近、いつも読んでる作家の最新刊を本屋で見つけたのだが、ペーパーバックのサイズが大きすぎて、既に溢れてしまいそうな鞄に詰め込むのは難しいと結論が出た。
小さくて本が読みやすいデバイス。そうなるとiPadなんかを個人所有するより、Kindleあたりが断然魅力的になってくる。 鞄に入れたネットブックとも機能がバッティングしていない。
単語をタップすると辞書(無論、英英辞書)が出たり、人物名の登場回数を統計表示させたり、読み上げたりと、電子書籍は洋書を読む上で便利な機能がたくさんある。 そして電子インクなので通信機能を切れば1ヶ月は電池が持つ。なにより目が疲れない。
大きさは持つのに調度良い感じだ。ウェブ上のイメージよりも薄い印象を受ける。
レザーケースも同時に注文した。
おまけ程度に考えていたPDFの表示を試してみたが、結構使えた。 データシートをたくさん放り込んでみたけれど、文字も潰れたりしていない。 これで資料は印刷して持ち歩かずに済む。
本当はひと世代前のキーボード付きKindleのデザインがグッと来てしまい、だいぶ悩んだ。結局白モデルが国際対応していないということで諦めた。
手を出すのが遅かった。デザインに惹かれていただけなので、諦めた後はKindle Touchで十分満足している。
ちなみに3G対応モデルにしたので、
携帯圏内であれば、どこでも本のダウンロードができる。端末のみで本の入手管理が完結している。
通信料はストアの書籍代に上乗せされているので無料だ。 Kindleユーザーは3G対応版を選んでも損はないはず。
3G回線での無制限なwebアクセスはできないようになっている。ただし英語版Wikipediaの閲覧は許可されているので、銀河ヒッチハイクガイドみたいな面白さがある。
直射日光下の視認性はもちろん良い。空き時間に本を読むには最適なデバイスだと思う。
病院のベンチでストアから本をダウンロードし、試し読みしてよさそうな本を買う。 そうした動作にほとんどストレスを感じない。