RTL-SDRをつかって小型衛星を追ってみた。
HDSDRのプレイバックだと埋もれて見つけられなかったが、ファイルをSpectraVueで再生するとパケットが確認できた。 広帯域記録の弱点は狭帯域の微弱信号を見つけるのに苦労するということだろうか…。 何度か再生しながら、信号が出現する場所を捜索してゆく。
最大仰角14度のパスで、20個ほどのパケットを確認した。しかし信号が痩せすぎてデコードは無理。 手持ち6素子の八木ではちょっと難しい。ハンディ機で聞いたよりも多いパケットが記録されていたのが収穫だった。
受信は確認できたので、ハンディ機を外し、損失を減らしてSDRオンリーでやってみることができそうだ。
8ビット解像度しかないので不安だったが、手持ち設備でも波形があることを確認することはできた。 いずれ標準的な地上局に接続するとどうなるか試してみたい。
最近打ち上がった鳳龍弐号が無事電波を出している。元気にさえずっていてとても受信しやすい。
超小型衛星運用の現場は意外と保守的で、SDRを活用しているという例はあまり聞かない。IC-910のようなリグを置いて、ドップラーシフトやローテータ管理をPCで行い、パケットはハードウェアTNCを通すという設備が多い。
自分が関わった時は全く違う理由で、導入された受信機がSDRとして使える機種だった。それ以来何かとSDRを軸にしている。 DJ-X11(I/Q出力可)、FunCube Dongle、そしてRTL-SDR。
最初のSDRはどちらかと言うとソフトウェアとの闘いがメインだった。フリーズした時やPLLロックが外れた時のウォータフォール画面を見分けられないと、重要な観測データが吹っ飛んでいることに気づかない。電波とは関係ない部分でだいぶ気を削がれる。
試行錯誤してやっと運用時の使用法を会得しつつある。慣れないときは従来通りの受信機と併用するのが一番安全。 SDRはレコーダーとして使う。取得中はパラメーターに触らない、など。
RFデータを再生しながらデコードを何度も試したりといった面ではかなりの威力を発揮する。得られたI/Q信号のwavファイルをあとから調理する感じだ。
RTL-SDR + HDSDRによる受信実験
WindowsでRTL-SDRを使用する場合、HDSDRがソフトとして使われる。 記録オプションにRFデータの生成があるので、I/Qデータファイルを記録するようにする。
パスの前に、予めドップラーシフト幅をOrbitronなどで出しておいて、SDRの中心周波数のノイズを避けつつ、HDSDRが保存してくれる帯域幅に収まる範囲で衛星の電波を記録できるようにする。
あとはパスが始まった時に記録を開始。LOSで停止させる。
衛星追尾は手元のハンディ機と八木アンテナ、方向指示用スマートフォンで行う。ハンディ機は受信確認に使えるので、実験の始めは信号をアンテナからSDRとハンディ機に分岐させた。お手軽な受信環境を試してここらへんに行き着いた。
受信装備 SDR受信PCは屋内に同軸を引きこんで直射日光を避けた。 |
最大仰角14度のパスで、20個ほどのパケットを確認した。しかし信号が痩せすぎてデコードは無理。 手持ち6素子の八木ではちょっと難しい。ハンディ機で聞いたよりも多いパケットが記録されていたのが収穫だった。
白いノイズに寄り添うもやっとした波形が鳳龍弐号のFMパケット。 ELは数度しかなかった |
8ビット解像度しかないので不安だったが、手持ち設備でも波形があることを確認することはできた。 いずれ標準的な地上局に接続するとどうなるか試してみたい。