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RTL-SDRのケース加工




もやは原型をとどめていないけれど、RTL2832Uを搭載したチューナー基板のケースを製作した。
ついでにUSBケーブルの差がノイズレベルに及ぼす影響を見てみた。

(Realtekの蟹チップということで蟹SDRと呼ぼう)


ケース加工

基板そのままでは心もとないので、タカチのMX2-4-8GSに入れてみた。


同時にUSBコネクタをmini-Bに交換。


RTL2382Uは発熱が多いので、直下の放熱パッドからケースに放熱できるようにしたい。
ということでアルミ平棒を2枚重ねて固定する。平面にはシリコングリスを塗布した。
ケースの底はt=1.6のガラエポ基板が差し込める構造だったので、本体は錫メッキ線でレールを、miniB端子側は適当な基板の切れ端を固定した。

中身
仮組みした段階で動作チェックを行ったところ、認識はするがソフトウェアはエラーで使えない事態に。
調べると秋月のmini-BコネクタDIP変換基板のヒューズで電圧降下していた。基板全体の消費電力は接続時0.6W, 起動時1Wとかなり大きい。 ヒューズをバイパスしたところ無事動作した。

外観

高級感がでた

USBケーブルによる受信ノイズレベルへの影響



ケース加工に至った動機の一つが、ノイズレベルがUSBケーブルのノイズ対策に左右されるというフォーラムで見つけた情報。 試しに電気屋でフェライトコア付きケーブルを探すと意外と無く、mini-B接続のものしかなかった。仕方ないのでちゃんと加工しようと思った次第。

ケースの方は、素子の発熱をうまく逃すことに成功し、1時間以上受信しても問題ないことがわかったので、窓辺でアンテナ位置を固定、二種類のケーブル(フェライトあり、なし)で受信してみた。

受信したのはWFM局のある80MHz

フェライト無


フェライト有り
確かに減っている気がする。 

以上簡単な実験でした。

おまけ


テプラ(透明、ゴールド)で適当なロゴを貼ってみた

 屋外で超小型衛星の受信テストを行う様子。 ソフトウェアの不調や録音帯域などの調整項目が結構あるので、パスごとにドップラーシフト量を見積もり、オフセットをして録音(I/Qデータ形式)中はパラメータに触らないようにしている。

ゲイン低下を覚悟で信号分岐してハンディ受信機を手元の受信確認に使う。ハンディ機では結構聞こえてくるけれども…


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