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MINIでは無かった(フレーム編)


MINERVAもどきを作ってみる企画 n+3番目

 やっと試作筺体を製作開始。
ハンズでパーツを見ながら頭で脳内デバッグして、部品を組み立てたらこんな感じになってきました。
 思考する中の条件として、
  • やっぱり形は8角形で柱状であること
  • だけど太陽電池の発電効率は上げたい = すべてのパネルを太陽に効率良く当てたい
  • 生物みたく、無駄な構造は極力省く、可動部分を減らす、または可動だがその機構の故障=システム停止、という脆弱性を避ける
 どう考えても矛盾する仕様を共存させながら考えてみた。 こうしないとつまらないもの/使えないシステムができる、というのが経験上あるので。 ああこう考えながらハンズを彷徨いていると、思わぬ方向(あるいは、棚の陳列に)解法がぶら下がっていることが多い。

 筺体はアクリル円筒にして、ArduinoやXBee、EDLCといった電子回路はすべてここに納めると言う形に。 これは初期からの構想。 多角形な柱状アクリルは流石に無かった。加工は勘弁してください。


なので多角形を外に作る必要がある。 試作なのでベニヤ板を切り出す。
アクリル円筒の寸法から割り出した大きさに、



切る。 ベニヤは5mm厚までなら、カッターでも意外と加工しやすい。
精度を出すなら手作業ですね。





いきなり完成、太陽電池の長さ・形状が今回の制作のすべてを規定しており、結果こうなっております。
 アクリル円筒が縦横10センチなので、多角形のディスクとの間にすき間が。 これにも理由があって・・・。 そして謎のヒートンが八角形の各編にありますね。

 木製Gloryの反省を受けて、接着したら分解不可能という、木製製品の宿命を回避。アルミパイプに竹ひごを差しこんだだけ。

 
 一枚だけ太陽電池パネルを作製。 太陽電池は、0.8mm厚のプラ板の裏に発電面を向けて、縁をビニールテープで貼付け。上部には塩ビのパイプを接着。 
 ヒートンには塩ビパイプを軸として差し込んでいます。 一枚だけでほかはダミー。
もっとらしくなってきて、 これだけで満足しそうな気分。



 何を隠そう、このヒートンとパネルの形状こそが、前述で掲げた矛盾仕様を解決する手段だったのです! (キリッ
 こうしてパネルを持ち上げれば、どの面だろうが最適な角度で太陽光を受光可能。 
 アンテナを回転させるのではなく、パネルを持ち上げるだけ。 一枚ずつ持ち上げる角度を変えることができれば、生物みたいなリアリティが生まれるはず。
 もちろん、機構が故障しても、今まで通りすべてのパネルが最大出力を出せなくなるだけ。 宇宙よりシビアな地上での運用を想定すると、こうした機構があるか、最初からソーラー常夜灯みたいな形にするしか無くなってしまったことだろう。

 アクリル円筒とフレームの隙間は、このパネル制御のための機構を納めるスペースで、ヒートンは塩ビパイプ同士をゴムチューブで結ぶことで、まとめてパネルを持ち上げることができるという目論見のため。

 パネルが可動する効能は発電効率だけではなく、パネル面を持ち上げれば、アクリル円筒が露出するので、 内部にカメラを仕込んでも、外を観測、つまり撮影できる。
 パノラマ撮影用の金属半球を入れて 全集撮影することが可能になるかも というので、応用性が高まった。 

 さてパネルを量産しなければ・・・

 さて大きさが本家のミネルバを越えたため、ミニどころではなくなってしまった というオチが付いた。どうしよう・・・。 LilyPod みたいなことしか思いつかない。 
 ひまわり さぼてん  植物の名前で考えたい。

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Arduino Nano Everyを試す

 秋月で売っていたAtmega8と、感光基板でエッチングしたArduino互換ボードを製作してみて、次に本家ボードも買って…  と気が付いたら10年が経過していた。  ハードウェア的な観点では、今は32bitMCUの低価格化、高性能化、低消費電力化が著しい。動作周波数も100MHz超えが当たり前で、30mA程度しか消費しない。  動作電圧範囲が広く、単純な8ビットMCUが不要になることはまだないだろうけど、クラシックなAVRマイコンは値上がりしており、価格競争力は無くなりつつある。 そしてコモディティ化により、公式ボードでは不可能な値付けの安価な互換ボードがたいていの需要を満たすようになってしまった。     Arduino Nano Every https://store.arduino.cc/usa/nano-every https://www.arduino.cc/en/Guide/NANOEvery  そんな中、Arduino本家がリリースした新しいNanoボードの一つ。  他のボード2種はATSAMD21(Cortex-M0+)と無線モジュールを搭載したArduino zero(生産終了済み)ベースのIoT向けボードだが、 Nano EveryはWifi Rev2と同じくAtmega4809を採用していて、安価で5V単電源な8ビットAVRボードだ。  Atmega4809はATmegaと名がついているが、アーキテクチャはXMEGAベースとなり、クラシックAVRとの間にレジスタレベルの互換性は無い。   https://blog.kemushicomputer.com/2018/08/megaavr0.html  もちろん、ArduinoとしてはArduinoAPIのみで記述されたスケッチやライブラリは普通に動作するし、Nano Every用のボードオプションとして、I/Oレジスタ操作についてはAPIでエミュレーションするコンパイルオプション(328Pモード)がある。 公式のMegaAVR0ボードはどれもブートローダーを使わず、オンボードデバッガで直接書き込みを行っている。  ボードを観察してみると、プログラマ・USBCDCとしてATSAMD21が搭載されている(中央の四角いQFNパッケージ)MCU的にはnEDBG

【サボテン】太陽電池の結線

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ATmega4809(megaAVR0)を試す

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GPSアンテナをつくる

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