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新PIC32

 PIC32MZという新製品が出ています。 (製品出荷は14年春頃のようですが)

 MIPSコアが M4K からM14kになり、200MHz動作で330DMIPSとあります。
個人的に最近MIPSアーキテクチャに興味があるので、ヘネパタ本読もうと思って色々な文献を漁っていました。 ここ10年で世の中はすっかりARMになってしまいましたが…。
 
 コアにはL1キャッシュが内蔵され、DSPなどが統合されています。周辺回路もUSB2.0ハイスピード対応や、12bit 28MspsのADC、高速FlashメモリIFなどなど。IoT向けに暗号エンジン内蔵モデルもラインナップされています。

 てんこ盛りな割に、PIC32MZは64/100/144ピンQFPパッケージ(ただし0.4mmピッチ)が用意されていて、ギリギリ手付けも可能というのがDIY寄りで面白そうな点です。

データシートのDC特性の欄を読むと、L1キャッシュが消費電力の20%を占めていることがわかったりします。(デフォルトではキャッシュ無効)


年末発注してあったPIMを入手したので早速試してみました。クロック源はクリスタルではなく、24MHzのOSC(MEMS?)が実装されていました。

サンプルプロジェクトは、microchipのPIC32用 Harmonyフレームワーク(β版)をインストールして、exampleを元に試しています。
 クロックの設定は資料のConfiguration-Bit Settingsを参考にしています。 

 LチカついでにGPIOの速度を見てみようと思い、何MHzでHigh/Lowできるか確かめてみたところ、20MHz出ているのをロジアナで確認しました。
 FreeRTOSの導入まではフレームワークのサンプルをECH100用に修正して動作確認できています。

ROM領域は広い
これだけRAMがあると、なんでも出来そうですね。
なおエラッタリストを眺めると手元のA3リビジョンは目玉となる機能の幾つかが使用不能だったり、I2Cがややこしいことになっていたり、スリープモードが怪しかったりするので注意が必要です。

 半年気付かなかったのですが、PIC32MXも新しいデバイスが追加されてます。
3XX,4XXシリーズに新製品が追加されていて、

・クロックが100MHzに上がり、RAMも64kBまで増加
・Peripheral Pin Select(PPS)、I2S、CTMUが追加。UARTのch数増加
遅れて登場した小ピンのPIC32MX1XX/2XXと同じ特徴を備えて、追加と改良が入っています。 

 特にPPSは、64ピンパッケージだとシリアル出力でUART,SPI,I2Cがchが重複するため、取り出せない組み合わせが多くもったいなかったので便利そうです。 

4月追記
 28pDIPパッケージでおなじみの1XX、2XXにも、RAM64kB品が追加されていました。
 新しいデータシートが出ていますね。
  http://ww1.microchip.com/downloads/en/DeviceDoc/60001168F.pdf


参考

PIC32 http://www.microchip.com/pagehandler/en-us/family/32bit/

MIPS microAptivコア採用で性能3倍に、マイクロチップの新型32ビットMCU
http://ednjapan.com/edn/articles/1311/22/news065.html

マイクロプロセッサ・アーキテクチャ入門
http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/33/33311.htm

MIPS M4k http://www.imgtec.com/jp/mips/mips-m4k-hardip.asp
MIPS M14k http://www.imgtec.com/jp/mips/mips-32-m14k.asp
 

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